FP(ファイナンシャルプランナー)1級とは?受検資格や合格率、試験内容など
更新日:2024年2月19日
FP試験には1級・2級・3級があり、そのうち、1級はFP試験の最高峰です。
FP試験受検を考える方にとって、誰でもあこがれる資格です。
ただ、FP1級試験は、受検資格に実務経験が必要なことや、試験までに覚える知識量も2級までとはかなり異なります。それがFP試験の最高峰たるゆえんです。
ここでは、FP1級試験の概要から、合格を目指すための勉強法まで詳しく解説します。
1級合格に役立てていただけたら幸いです。
FP(ファイナンシャルプランナー)1級とは
FP試験には1級・2級・3級があります。
この3つについて、レベル・受検層についてまとめたのが次です。
レベル | 難易度 | 主な受検層 | |
---|---|---|---|
3級 | お金に関する入門レベル | 易しい | お金について勉強をはじめたい主婦や学生 |
2級 | お金に関する実務ができるレベル | やや難しい | 就職・転職に役立てたい学生・社会人 |
1級 | 独立・開業できるレベル | かなり難しい | 独立・開業をめざす2級合格者 |
これをみていただければわかるように、FP(ファイナンシャルプランナー)1級はFP試験の最高峰です。
合格すれば、独立・開業ができるようになるばかりでなく、セミナーの講師、経済誌などの記事の執筆、マスコミに出ることもできます。
テレビでよくFP(ファイナンシャルプランナー)が登場しますが、ほぼ全員、FP(ファイナンシャルプランナー)1級合格者です。
関連記事:FPの仕事内容についてはこちら
関連記事:FP1級と社労士の違いについてはこちら
関連記事:FP1級・2級・3級それぞれの受検資格についてはこちら
FP(ファイナンシャルプランナー)1級を取得するメリットは?
FP(ファイナンシャルプランナー)1級を取得するメリットは5つあります。
順にみていきましょう。
➀就職・転職にかなり役立つ!
金融業界では、FP(ファイナンシャルプランナー)資格の取得が人事評価の対象となっています。最低でも2級取得、できれば1級取得が奨励されています。
にもかかわらず、1級取得者が少ないのが現実です。
だから、1級を取得していれば、金融業界での就職・転職にかなり役立ちます。
②昇給・昇進につながる!
1級取得者が少ないことから、取得すれば昇給・昇進につながります。
1級に対する資格手当はかなり高い企業が多いので、収入アップにつながります。
③独立・開業できる!
1級を取得することで、独立・開業への道が開けます。
自分自身で、金融商品の代理販売や顧客相談業務を行うことができます。
④不動産業界・コンサルティング業界への就職・転職ができる!
FP(ファイナンシャルプランナー)1級は、金融業界以外の業界でも重宝されます。
具体的には、まず、不動産業界。資産運用の知識が求められるからです。
同様に、公認会計士・税理士などが行うコンサルティング業界。
これらの業界への就職・転職も可能になります。
⑤資産運用できるようになる!
1級を取得する際の学習で、株式投資や投資信託について学習します。
これによって資産運用の知識が身につくため、自分で資産運用もできるようになります。
FP(ファイナンシャルプランナー)1級合格までの流れ
FP(ファイナンシャルプランナー)1級試験には、学科試験と実技試験があり、原則として、合格までは次のような流れとなります。
学科試験受検 ⇒ 合格 ⇒ 実技試験受検 ⇒ 合格 ⇒ 合格証書の発行
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の受検資格は?
FP1級試験を受けようとする際に、受検資格がないと受検できません。
受検資格は、学科試験と実技試験とで受検資格が異なります。
FP1級試験の受検資格には、必ず実務経験が求められるという点が、2級や3級と大きく異なります。
➀学科試験の受検資格
- 2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
- FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
②実技試験の受検資格
- 1級学科試験の合格者
- 「FP養成コース」修了者でFP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
- 日本FP協会のCFP認定者
- 日本FP協会のCFP資格審査試験の合格者
*実務経験とは、たとえば銀行や保険会社、証券会社やクレジット会社などの金融機関勤務経験を指します。
試験実施機関・試験日程
試験実施機関は、一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会です。
学科試験はきんざいのみ、実技試験はきんざいと日本FP協会どちらの機関でも試験が実施されており、各日程は以下のとおりです。
きんざい | 日本FP協会 | |
---|---|---|
学科試験 | 年3回(5月・9月・翌1月) | 実施していません。 |
実技試験 | 年3回(6月・9、10月・翌2月) | 年1回(9月) |
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の難易度・学習時間
FP(ファイナンシャルプランナー)1級に合格するためには、まず、学科試験に合格し、その次に、実技試験に合格する必要があります。
後で述べるように、学科試験の合格率は10%前後、実技試験の合格率は85%前後です。
だから、FP(ファイナンシャルプランナー)1級の合格は、学科試験で決まると言っても過言ではありません。
合格するために必要な学習時間は、450~600時間程度が目安です。
多くの学習時間が必要となるため、計画的にスケジュールを立てて学習するとよいでしょう。
関連記事:FP1級の勉強時間についてはこちら
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の試験内容《学科試験》
先ほど説明したように、FP1級の学科試験を行うのはきんざい(一般社団法人金融財政事情研究会)のみとなっています。
以下、詳細に説明します。
学科試験の出題形式と試験範囲
➀出題形式
・基礎編 マークシート方式による筆記試験 四答択一式 50問
・応用編 記述式による筆記試験 5題
②試験範囲
A ライフプランニングと資金計画
B リスク管理
C 金融資産運用
D タックスプランニング
E 不動産
F 相続・事業承継
学科試験への持込み品について
➀筆記用具(HB以上の濃い黒鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)
②計算機(下記の各条件に該当するもの1台に限ります)
A 電源内蔵のもの
B 演算機能のみを有するもの
- 使用可…√、%、消費税に係る税込・税抜、売上に係る原価(MD)・売上・売価(MU)・利益率、日数・時間計算、マルチ換算についてのキー、定数計算機能、メモリー(M)機能、GTキー
- 使用不可…関数計算機能〔Σ(シグマ)、log等〕、複利計算・ローン計算機能、紙に記録する機能、音〔タッチ音、音階、音声等〕を発する機能、プログラム(計算式)の入力(登録)機能、計算過程をさかのぼって確認できる機能、等を有するもの
C 数値を表示する部分がおおむね水平で、文字表示領域が1行であるもの
D 外形寸法がおおむね26cm×18cmの大きさを超えないもの
※持ち込んだ計算機が使用禁止計算機に該当する場合、計算機をしまっていただくなど、試験監督者が使用不可の措置を取ることがあります。持参する計算機の機能につきましては、十分にご注意ください。
※試験会場での筆記用具・計算機の貸出しは、一切行いません。
学科試験の合格基準・合格率は?
➀合格基準
200点満点で120点以上
②過去3年間の学科試験の合格率
試験日 | 合格率 |
---|---|
2021年1月 | 9.95% |
2021年5月 | 20.05% |
2021年9月 | 13.03% |
2022年1月 | 6.67% |
2022年5月 | 9.39% |
2022年9月 | 12.28% |
2023年1月 | 10.38% |
2023年5月 | 3.51% |
2023年9月 | 13.00% |
年によってかなりばらつきがありますが、だいたい10%前後の合格率です。
かなり難しいと言えます。
関連記事:FP1級実技の詳細についてはこちら
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の試験内容《実技試験》
先ほど説明したように、FP1級の実技試験は、きんざい(一般社団法人金融財政事情研究会)と日本FP協会どちらの機関でも実施されます。
実技試験の試験範囲・審査方法
各機関によって試験範囲・審査方法が異なるため注意しましょう。
試験範囲 | 審査方法 | |
---|---|---|
きんざい | 資産相談業務 | 設例課題に基づく面接により、ファイナンシャル・プランナーに求められる技能を審査します。
|
日本FP協会 | 資産設計提案業務 |
|
きんざいは面接試験、日本FP協会は筆記試験です。
面接な苦手な方は日本FP協会がオススメです。
実技試験の合格基準・合格率は?
➀合格基準
合格基準の満点の点数はきんざいと日本FP協会で異なりますが、どちらも6割正解すれば合格できます。
実施団体 | 合格基準 |
---|---|
きんざい | 200点満点中120点以上 |
日本FP協会 | 100点満点中60点以上 |
②過去3年間のきんざいの実技試験の合格率
試験日 | 合格率 |
---|---|
2021年2月 | 88.49% |
2021年6月 | 85.27% |
2021年10月 | 85.16% |
2022年2月 | 85.88% |
2022年6月 | 85.98% |
2022年10月 | 84.59% |
2023年2月 | 86.07% |
2023年6月 | 84.80% |
③過去3年間の日本FP協会の実技試験の合格率
試験日 | 合格率 |
---|---|
2021年9月 | 93.8% |
2022年9月 | 99.0% |
2023年9月 | 96.2% |
参考:日本FP協会 FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ
先に紹介したように、学科試験の合格率は年によってかなりの差が生じていますが、だいたい10%前後です。
これに対して実技試験はちょっと難しいきんざいでも85%以上です。
つまりFP1級における合否は、学科試験によって決まると言っても過言ではありません。
FP(ファイナンシャルプランナー)1級に合格するための勉強方法
先ほど述べたように、FP1級における合否は、学科試験によって決まると言っても過言ではありません。
そしてこの学科試験の合格率は10%前後と合格率が低いのが悩みです。
学科試験はなぜ合格率が低いのか?
学科試験の合格率が低い理由は3つあります。
➀試験範囲が広い
FP2級・3級試験は1月と5月試験であれば前年10月1日が基準日となり、9月試験の場合は同年4月1日が基準日となります。
これに対して、1級の実技試験の場合は試験日現在施行の法令等に基づいて出題されます。つまり、市販のテキストでは対応できない部分もあるため、自ら改正の有無を確認する必要があります。
②過去問が役に立たない
FP1級の試験では、過去に出題された問題と似た問題が出されることもありますが、2級・3級と比較すると、その頻度は格段に下がります。このように過去問対策が通用しにくいことも、難易度をあげている要因です。
③新傾向の問題が多い
FP1級の試験問題は、新しい問題が多く出題されます。
応用編は出題傾向が決まっているため、比較的学習しやすくなっています。
しかし、基礎編は毎年新しい問題が多く出題されるため、試験内容の傾向がつかみにくいです。
学科試験対策
➀2級に合格したらすぐ1級の勉強を始めよう!
学科試験において、1級と2級の試験科目は同じです。
1級は、2級に比べ、基礎・応用どちらも難易度が格段に上がり、範囲も広がります。
このため、2級に合格したら、なるべく早く1級試験を受けることをおすすめします。
時間が経つと、せっかく勉強した知識を忘れてしまいます。
②常に法改正に注意して勉強しよう!
1級の実技試験の場合は試験日現在施行の法令等に基づいて出題されます。
だから、常に法改正に注視しながら勉強しましょう。
③応用編の過去問をしっかり演習しましょう。
基礎編はあまり過去問を勉強しても得点できませんが、応用編は出題傾向が決まっています。
だから、応用編をしっかりと対策して、得点源にしましょう。
実技試験対策
実技試験はきんざいを受検するか、日本FP協会を受検するかで対策が異なります。
➀きんざい対策
きんざいの実技試験は、面接形式で行われます。
具体的には、設例に基づいてファイナンシャルプランニングを行うという、ロールプレイングのような内容です。
出題パターンは毎年似た傾向のため、過去問題を参考にしましょう。
そして、当日あがらないために、口述の練習を必ずしましょう。
②日本FP協会対策
日本FP協会の実技試験は筆記形式です。
基本的には、計算問題や語句の穴埋め問題といった内容が多くを占めています。
試験範囲は、きんざいの学科試験と日本FP協会実施のCFP6課目がすべて対象となるため、幅広い学習が必要です。
関連記事:FP1級に必要な勉強時間についてはこちら
FP2級最短合格なら通信講座がベスト
本コラムをお読みになった方の中には、まだ、FP2級に合格されていない方もいらっしゃると思います。
難しいFP2級検定に、最短で合格するのにベストの学習法は、ズバリ、通信講座です!
その理由は、下記のとおりです。
①忙しくても自分のペースで勉強ができる。
通信講座のメリットは、場所や時間を選ばずに、いつでも、どこでも学習ができることです。通勤・通学時間のみならず、自宅での家事の合間や会社の昼休みにも勉強することもできます。仕事や家事、育児などで忙しい人も、それぞれの生活リズムに合わせて、自分のペースで学習を進めることが可能です。
②費用が抑えられる
通学講座の場合、まとまった授業料に加え、通学のための交通費もかかります。
この点、通信講座なら受講料もリーズナブルで、交通費も不要です。
③サポート体制が充実している
市販のテキストを購入し独学で勉強するとき、疑問点を自力で調べなければいけません。これに対して、通信講座なら、質問対応など、学習中のサポート体制が充実しています。不明点をそのまま放置することなく、安心して勉強に取り組むことができます。
フォーサイトのFP2級通信講座の特徴
ここで、高い合格率を誇るフォーサイトのFP2級通信講座の特徴を述べてみます。
①たった2か月で合格!!
FP2級合格までには、一般的に6か月程度の学習期間が必要と言われています。
しかしフォーサイトのFP2級講座なら、2か月で合格されている方もいます。
満点主義ではなく、合格点主義で教材を制作しているフォーサイトだから、短期合格が可能なのです。
②満足度驚異の90%以上 こだわりのフルカラーテキスト!
フォーサイトのフルカラーテキストは、試験に出るだけのボリューム・重要度毎の配色・理解を助ける豊富なイラストで、高い合格率を実現しています!
③実力派講師陣!
フォーサイトのFP2級講座は、伊藤亮太講師・金山浩晃講師の2名が担当しています。経験豊かな専任講師が、カリキュラムに合わせた講義や教材の執筆を行っています。
④通信講座なのにライブ配信講義! eライブスタディ
「eライブスタディ」とは、定期的に行われるライブ配信講義です。
通学講座と異なり、通信講座は自分ひとりだけで学習を進めるので、学習のペースが遅れがちになります。
eライブスタディに参加すれば、定期的に講義があるので、きちんと学習のペースを守ることができます。
通信講座を体感するなら資料請求しよう!
これまで通信講座をやったことがない方や通信講座をやってみたけど挫折した経験がある方にとっては、通信講座を始める場合、不安が大きいと思います。
そこで、まずは、資料請求をオススメします。もちろん、無料です。
資料請求すると、こんな体験ができます。
① サンプルテキストや問題集を見ることによって、実際の教材に触れてみることができます。わかりやすいか、勉強しやすいかが体験できます。
② 無料でeラーニングを体験できます。
これにより、スマホさえあれば、いつでも、どこでも学習できることが体験できます。
③ FP2級に最短で合格するためのノウハウ書がブレゼントされます。
金山浩晃(かなやま ひろあき)
合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天