金とは?|わかりやすくFP解説

金とは?
目次

金とは

金は世界中で取引が行われている国際商品市場の代表的な商品といえます。現物取引の中心となっているのがロンドン市場で、取引量が多く先物市場の中心となっているのがNY市場です。

金の価格表示とは

国際価格は、1トロイオンス(=31.1035グラム)あたりの米ドル建て価格で取引が行われています。

国内では1グラムあたりの価格が円建てで表示されています。国内価格は、為替レートの影響を受けます。

金の価格変動の要因とは

金の価格は以下の要因により変動します。

  1. 需要関係による変動。需要が増すことにより、金の価格が上昇します。
  2. 金利の低下・円安・株価下落で金の価格が上昇します。
  3. 政治情勢・政情不安の高まりにより、金の価格が上昇します。

金本位制とは

以前、世界各国で通貨を一定の比率で金と交換できる制度(金本位制)がとられてきました。現在では、主要国では金本位制をとっていませんが、歴史的にみて金は財産として価値が認められてきたと言えます。

その名残かどうかは不明ですが、国の情勢が悪化すると、通貨と金を交換する人が多くなり、金の価格が上昇する傾向があります。

金投資の方法とは

金投資の対象には、金地金と金貨があります。金投資の対象となる金貨は地金型金貨(投資型金貨)と呼ばれるもので、金地金と同様に値動きは金価格に連動します。

金地金や地金型金貨は、地金商、金属製錬会社、商社、商品取引会社、銀行などで取り扱っており、金貨はコインショップなどでも購入することができます。また、購入した金地金は、販売業者に保護預かりをしてもらうことも可能です。

金は、保有していても利息がつくわけではありませんから、金への投資は、売却して値上がり益を得ることが目的となります。金地金や地金型金貨は、いつでも時価で売却できます。

金地金・地金型金貨の販売価格と買い取り価格は、取扱業者によって異なります。地金型金貨の価格は、鋳造コストなどのプレミアムが上乗せされていますので、同じ金の量の金地金よりも割高になっています。販売価格と買い取り価格の差額をスプレッドといい、これが業者の手数料となります。

また、一定量以下の金地金の売買には、別途手数料がかかるのが一般的です。一方、地金型金貨の売買については、スプレッド以外の手数料はかかりません。

金投資の方法とは

金地金とは

金地金とは、金を固めたもののことでバー・インゴット(延べ棒)とも呼ばれます。金塊やプレートが金地金の一般的なものです。

金地金には、様々な重量(最低5g~)のバーがあります。

金貨とは

金貨は各国政府が発行している法定通貨です。金貨には記念通貨と地金型金貨の2種類がありますが、記念通貨はおもに収集(コレクション)用のもので、時価が金価格と連動していません。

地金型通貨の価格は、包有されている金の量に対して、同じ量の金地金の価格にプレミアムを上乗せして決定されます。代表的な地金型金貨として、メープルリーフ金貨(カナダ)やウィーン金貨ハーモニー(オーストリア)などがあります。

純金積立とは

純金積立は、銀行口座からの振替によって、毎月一定の金額の金を自動的に買い付けて積み立てていく方法です。金地金の取り扱い業者の他、証券会社などでも取り扱っており、毎月の購入金額は3,000円以上1,000円単位とするところが多くなっています。

純金積立では、ドルコスト平均法によって購入価格が平準化されます。いつでも時価で売却して換金することができる他、金地金に換えて現物で引き取ったりジュエリー等に等価交換したりすることもできます。

金投資の税金とは

地金の金貨の売却益は譲渡所得として扱われ、総合課税で確定申告が必要です。純金積立の場合、値上がりに伴う売却益は雑所得になります。

商品ファンドとは

多くの投資家から集めた資金の一部もしくは全部を商品(原油・ガソリン・金等)の投資に充て、その投資成果を投資家へ還元する契約を内容とする金融商品です。投資信託の商品版と考えれば良いでしょう。

投資家から集めた資金のほとんどを商品先物市場に分散投資するため、株や債券との連動性が低くリスクヘッジ商品となり得ます。ただし、商品先物自体がハイリスク・ハイリターンであるため、商品ファンドもかなりハイリスク・ハイリターンの商品です。

金に関するよくある質問

TAX問題が苦手です。金地金を売却した時は、Aさんが売却して、売却益は、Aさんが受け取るのですから所得税と思いましたが、譲渡所得です。これはなぜでしょうか。頭が混乱してきます

金地金を売却した場合、所得税の課税対象になります。所得税の課税対象になる、ということは所得税の10つの所得のうち「譲渡所得」に該当する、ということです。

そして、金地金については、実は、ざっくり言うと金融商品ではないので(利息も配当もないから)「物」として扱います。

したがって、総合課税に分類される譲渡所得に該当します。

金が金融商品と分類分けされていますが、金を保有していることにより資産を生み出すのでしょうか。

金は保有しているだけでは利息等はつきません。金を金融商品としてみた場合、売却することで利益を稼ぎます。ただ、株やFXなどの金融商品と違い、為替やカントリーリスクなどに影響を受けることがありませんので、その意味では手堅い商品と言えるでしょう。

金を売却して利益が出た場合、どのような手続きが必要となりますか。

金を売却して利益が出た場合、譲渡所得として申告が必要となります。保有期間により譲渡所得の種類が異なることに注意が必要です。

保有期間が5年以内の場合には「短期譲渡所得」となり、

譲渡価格-取得費・譲渡費用(購入価格+手数料)-特別控除額(50万円)の計算式となります。

保有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、

{譲渡価格―取得費・譲渡費用(購入価格+手数料)-特別控除額(50万円)×1/2}の計算式となります。

上記式で求めた額を確定申告により手続きしていく必要があります。

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