オプション取引とは?|わかりやすくFP解説
更新日:2020年3月6日
オプション取引とは
オプションとは、特定の金融商品(原資産)を、ある期日(満期日)までに、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で買う、または売る権利のことをいい、この権利自体を売買することをオプション取引といいます。
オプション取引の仕組みとは
オプションの買い手は、売り手に対してオプション料(=プレミアム)を支払います。ある商品を買う権利のことをコール・オプションといい、ある商品を売る権利のことをプット・オプションといいます。
オプションの基本形態は次の通りです。
買う | 売る | |
---|---|---|
コール・オプション | 買う権利の買い | 買う権利の売り |
プット・オプション | 売る権利の買い | 売る権利の売り |
オプションの買い手は権利行使価格を基準として権利を行使するか放棄するかを決めます。オプションの買い手が権利を行使すればオプションの売り手は必ず応じる必要があります。
したがって、コールプットともに、オプションによる損益は次のようになります。
収益 | 損失 | |
---|---|---|
売り手 | オプション料に限定 | 無限大 |
買い手 | 無限大 | オプション料に限定 |
オプション取引には、取引開始日から取引最終日(満期日)までいつでも権利行使可能なアメリカンタイプと、満期日にのみ権利行使可能なヨーロピアンタイプがあります。
オプションの買い方と売り方は、満期日までの間、いつでも市場において反対売買によって決済することができます。オプション取引では、反対売買による決済が一般的です。
オプション取引の商品の種類とは
オプションには様々な商品があり、上場しているオプションを売買する取引所取引と、業者と相対で取引する店頭取引があります。
証券取引所には、株価指数オプション、個別株式、ETF、REITを対象とした有価証券(個別証券)オプション、債券(国債)先物オプションが上場されており、このうち債券先物オプションはアメリカンタイプ、その他はヨーロピアンタイプです。
また、店頭取引には債券店頭オプションがあり、これはオーダーメイドの商品となっています。
オプションの取引のポイントとは
例えば、自動車を購入するときにカーナビなどのオプション装備を「付けるか、付けないか」は購入者が自由に選択できます。このように、「オプション」とは、自分の好みや事情に応じて「利用するか、利用しないか」「使うか、使わないか」を決められる「権利」「選択権」のことです。
したがって、オプション取引とは「買うか、買わないか」もしくは「売るか、売らないか」を選べる「権利」売買のことをいいます。買う権利を「コール・オプション」、売る権利を「プット・オプション」といい、それぞれ売買することができます。
売買に際して、オプションはそれ自体に値段がついて取引されます。この値段をプレミアム(オプション料)といいますが、これは権利を取得するための費用です。オプションの買い手は、取得した権利を行使するか・しないかを自由に決めることができます。
オプション購入後に儲かる状況になれば、そのオプション(権利)を行使し、あらかじめ決められた価格でそのモノを売買できます。
一方、権利行使しても損する状況であれば、権利行使しなければ損失は支払ったオプション料に限定されます。この場合は権利を放棄することになります。オプションの売り手は買い手の権利行使に対し、必ず応えなければなりません。
オプションの売り手は権利行使された場合は、買い手の利益分の損失を被ることになりますが、権利行使されなければ受け取ったオプション料が利益になります。
オプション取引は様々な組み合わせが可能で、相場がどのような状況でも利益を狙うことができます。しかし、それなりにオプション料(買い手・売り手に中立的な価格)がかかることと、価格変動が大きく場合によっては損失が大きくなることもあります。
オプション取引に関するよくある質問
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オプション取引におけるプレミアムについて教えてください。
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オプション取引での実際のプレミアムは、本質的価値と時間的価値という二つの価値で構成されています。
本質的価値とはオプションがその時点で実際に持っている価値のことで、原資産価値-権利行使価格です。
時間的価値とはプレミアムから本質的価値を差し引いたもので、簡単に言うと価格変動に対する期待値です。満期日までの残存期間が長ければ長いほど時間的価値は高くなる傾向にあり、満期日が近づくにつれ、時間的価値は減少します。
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オプション取引のイメージがつかめません。オプション取引の売り手は損失が無限大とあり不利に感じるのですが、なり手はいるのでしょうか。
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堅実に考えるのであれば、確かにオプション取引において、売り手はリスクが大きいです。しかし、金融商品が確実に値上がりするか・値下がりするかは予測ができません。また、売り手は初めにプレミアムを受け取ることができます。
以上のことをメリットと感じる場合に、売り手となります。
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原資産が倒産不良債権になれば、オプション取引はどうなるのですか。
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オプション取引とは、「買う権利(コール)」や「売り権利(プット)」を売買するものですから、原資産が不良債権化した場合は、行使しなければいいと思います。
金山浩晃(かなやま ひろあき)
合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天