実務家密着取材

直撃インタビュー
ファイナンシャルプランナー 中山東五さん

ファイナンシャルプランナー   中山東五 さん

1964年生まれ。東京都出身。横浜市立大学商学部経済学科を卒業後、1987年大手生命保険会社に入社。1993年に(財)生命保険文化センターに出向し、CFP®を取得。1998年に退社し、株式会社グッドウイン設立に参画。2007年(株)グッドウイン東京中央支社を開設し、2008年株式会社ゲインに入社。現在、代表取締役。

中山東五さんが代表取締役を務める株式会社ゲインのホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.gain-ins.jp/tokyo/


ファイナンシャルプランナー、お客様、パートナー、
三位一体で創出する、より良い暮らしと確かな満足

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、ファイナンシャルプランナーの中山東五さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


私は法人、経営者のお客様を担当させていただくことが多く、相続時の事業保障、事業承継対策や退職金準備、福利厚生等のリスクマネジメント、アドバイスを主に行っています。私は保険のプロですが、税理士、会計士、司法書士、経営コンサルタント、ファンドマネージャーの方々と共に独自のネットワークを築き、奥行きのあるサービスを提供しています。個人のお客様に対しては保険の新規加入、見直しのご提案、保険の分析、ファイナンシャルプランニングの作成を行うこともあります。また、保険会社からの依頼で、独立開業を目指す方々や同業の代理店、社員に向けたセミナー講師もしています。


中山さんが勤務するのは、日当たりのよい東京オフィス(赤坂)

中山さんが勤務するのは、日当たりのよい東京オフィス(赤坂)


ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


金融機関で働くことは学生時代から決めていました。大学卒業後、入社したのは保険会社でしたので、保険を自分の得意分野とすることに決めました。AFPを取った理由は、仕事に役立つ資格だと思ったからです。ファイナンシャルプランナーの資格というのは、お客様の信頼の指標のひとつです。保険業界にはその他にさまざまな試験がありますが、FPが認知されていく中で第三者的な機関による資格を持っていた方がお客様からの信頼を得やすいのではないかと思い、勉強を始めました。上位資格のCFP®を取ったのも「保険のプロになる」という決意からです。


提携している士業、コンサルタントたちと綿密な打ち合わせを行う

提携している士業、コンサルタントたちと綿密な打ち合わせを行う


独立のきっかけは何だったのでしょうか?


もともと独立志向が強く、入社1年目から「いつか1人立ちしよう」と思っていました。そして10年以上、保険業界に携わり「今の時代、自社の商品だけを売っていくのはナンセンス」と思っていた矢先、外資系の保険会社が参入して代理店の仕組みが変わり、さまざまな商品が取り扱われるようになりました。勤務していた会社が揺らいでいた時期でしたので、ちょうどいいタイミングだと思い、1998年に退社しました。そして、新規の保険代理店のスタートに参画し、一社にとらわれない、本当の意味での保険の必要性を説いて回りました。本社役員から支社を立ち上げ、その支社時代はフルコミッションで働きました。その後岐阜を本社とする(株)ゲインに2008年に移り、東京オフィスを任されています。これまでの実績や経験から出来た人的ネットワークがありますし、士業の方とのつながりを大事にして仕事を循環させていますね。


「保険のプロ」として独立した中山さん

「保険のプロ」として独立した中山さん


お仕事の際に気をつけていることは何でしょうか?


基本的にサービス業ですので、「相手にいかに喜ばれるか」を常に考えています。どの資格も同じことだと思いますが、「親しみやすく、人を惹きつける人間力を持っている」ということがサービス業では一番大事だと思いますね。私自身としては「お客様の満足と幸せを勝ちとる」ために、何がベストであるかをお客様、ビジネスパートナーと一緒に考えていく、という姿勢で取り組んでいます。お客様とビジネスパートナーに良い結果が生まれ、喜んでいただけたときは私も嬉しい気持ちになります。三位一体で喜べるところが、この仕事の良い点だと思います。皆が満足(satisfaction)し、笑顔(smile)で、輝く(shine)。そういう関係を目指して仕事に取り組んでいます。


「Fpの資格は顧客の信頼の指標のひとつ」(中山さん)

「Fpの資格は顧客の信頼の指標のひとつ」(中山さん)


今後の予定や夢は何でしょうか


一気に大きくしたいという気持ちはありませんが、ネットワークを拡大していきたいですね。税理士、会計士、司法書士、コンサルタントとそれぞれ各分野で活躍している人は多いですが、専門以外の分野についての知識はそれぞれ希薄だったりします。そこで勉強会や交流会を開いたりして、異業種同志が情報交換する場を創出しています。1人で何かをするには限界がありますが、各専門分野のプロと提携しながら仕事をすることで可能性は広がります。今後もFPという資格を利用しながら、仲間を増やし、お客様により喜ばれるサービスを提供したいと思います。


資格というのは、持っているだけでは意味がありません。それをビジネスにいかして実践し、さらに勉強することでキャリアアップにつながります。ファイナンシャルプランナーという職業は他の士業とは異なり、明確な答えがあるわけではありません。顧客のニーズを引き出したところで、正解はないのです。たとえば、FPが10人いれば、顧客に対して10通りのファイナンシャルプランニングが出来ると思います。お客様の生き方、夢、将来によっても変わりますし、どの答えかをお客様に選択していただけるというところが、この仕事の面白いところだと思います。是非、チャレンジしてみてください!