実務家密着取材

直撃インタビュー
ファイナンシャルプランナー 小屋洋一さん

ファイナンシャルプランナー   小屋洋一 さん

1977年宮崎県生まれ、東京育ち。慶應義塾大学経済学部を卒業し、総合リース会社に入社。中小企業融資を担当した後、不動産流通業を行うベンチャー企業に転職。営業、営業企画等を経験し、2008年に退職。同年にAFPを取得後、独立し、株式会社マネーライフプランニングを設立。2010年にCFP®を取得し、現在に至る。

小屋洋一さんが代表を務める「株式会社マネーライフプランニング」のホームページは、下記のとおりです。
URL : http://www.mlplanning.co.jp


「クライアント・ファースト」のヒアリング、プランニング、コンサルティング
理想のライフデザインへ導くマネーライフの指南役

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、ファイナンシャルプランナーの小屋洋一さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


ライフプランの設計を中心に、クライアントのお金に関する相談及びマネジメントをしています。具体的には、お客様が目指すライフデザイン(生き方)をヒアリングし、総合的な資産運用のご提案やコンサルティングを行います。保険、株式運用、投資信託、また前職で携わった知識と経験をいかした不動産のアドバイスもしています。私のお客様の中心層は、団塊世代の方、定年退職を迎えられた方々です。基本的には顧問FPという形で10年以上にわたる長期的なおつきあいをさせていただいています。クライアントに必要があれば保険や不動産の仲介をすることもありますが、メインはあくまでコンサルティングですね。


宅建や証券外務員、日本証券アナリスト協会検定会員資格も有する

宅建や証券外務員、日本証券アナリスト協会検定会員資格も有する


ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


80年代後半バブルの時代、私は小学生でしたが、その頃から漠然と金融マーケットに対して興味を持っていました。大学でファイナンスを学び、ファンドの世界に入ろうかとも考えましたが、ご縁のあった総合リース会社に入社しました。中小企業への融資担当ということで、多くの経営者と接しているうちに私も起業への思いが強まっていきました。「独立するなら、FPに」と決心していましたが、もう少し社会経験と不動産知識を積むために不動産ベンチャー企業に転職しました。ちょうど不動産の景気がよい時期に不動産のインターネットオークションの世界に携わったことは、とてもいい経験になりましたね。リーマン・ショック前に退職し、FPの資格を取得しましたが、今思えばいいタイミングだったと思います。


2008年に独立し、2010年CFP®を取得

2008年に独立し、2010年CFP®を取得


独立されてから、どのように仕事を進められたのでしょうか?


もともと起業をするつもりで事業計画も策定して準備していたので、退職後にあまり焦ることはありませんでした。AFPを取得した後すぐに独立開業し、株式会社マネーライフプランニングを立ち上げました。初期の営業手法として、友人・知人たちに「無料でライフプランを作成する」と話してモニターを募りました。そのつながりから紹介を受けたり、口コミでだんだん広がっていきましたね。また、カリスマFPによる『FP独立プログラム』等にも参加し、実務ノウハウを学びました。コンサルティング、アセットマネジメント、投資家から受けた株式や不動産などの売買注文をマーケットに取り次ぐブローカー業の体制を整えるうちにお客様の数も増えていきました。


株や不動産関連の知識が豊富な小屋さん

株や不動産関連の知識が豊富な小屋さん


お仕事をする際に気をつけていることは何でしょうか?


お客様のために誠実に動く、ということがファイナンシャルプランナーにとって一番大事なことだと考えています。FPの仕事は時としてクライアントの立場からすると、利益相反するケースがあります。私はコンサルティング料をいただいているので、基本的にブローカー業の収益は期待していません。お客さまにとってFPのサービスやその効果は実際にサービスを受けてみないとわかりませんし、目に見えるものではありません。また実際にお金を運用し、実際に成果が出るまでには、ある程度長期の時間が必要です。そこでは、何よりもFPに対する「信頼感」が重要になってきます。その為に私は「クライアントファースト」を理念とし、お客様の長期的な利益をまず第一に考えてご提案させていただいています。


オフィスには投資関連の書籍が並ぶ

オフィスには投資関連の書籍が並ぶ


今後の予定や夢は何でしょうか


今年はライフプランと資産運用に関する本を刊行する予定です。また、将来的には教育としてファイナンシャルリテラシーを向上させるプログラムを提供するということも考えています。中長期的には日本だけでなく中国やベトナム等のアジアの新興国の人たちとも積極的に仕事をしていきたいと思います。


小屋さんの趣味はテニス

小屋さんの趣味はテニス


資格を取ったからといって誰でもすぐに独立できるものではありません。私自身、起業を思い立ってから数年間、準備期間がありました。税理士や弁護士のような業務独占資格ではありませんが、FPはまだまだ将来性があると思います。本当に大切なのは実務能力ですので、現場で実践することでスキルを磨いて自分の目指す道にチャレンジしていってほしいと思います。


ファイナンシャルプランナー   小屋洋一 さんの、ある1日


ある日のスケジュール
7:00 起床 朝食、メールチェック
10:00 出社 クライアントへの提案書作成
12:00 休憩 昼食
13:00 社内 執筆作業
16:00 社内 資料作成
20:00 個別相談 クライアントとミーティング
22:30 社内 事務作業
23:00 帰宅  
24:00 就寝