2015年9月13日(日)実施 2級FP技能検定内容の解説

2015/09/18

9月13日の試験を受けられた方は、お疲れ様でした。今回の試験について、主観ではありますが今回の試験についてのコメントをしたいと思います。

学科試験について

ライフプランニングと資金計画

全体的に、やや細かい論点が問われる問題がいつもより多かったような気がします。また、最近の傾向として、高齢者施設に関する問題を見かけるようになってきました。世相が問題に反映されているのではないかと感じます。とはいえ、久しぶりに出題された財務比率とクレジットカードについてはちょっと動揺した受検生が多かったのではないかと思います。財務比率については、対策していない受検生が多かったと思いますので捨て問でよいと思います。それ以外の問題については、いつもどおりの定番の内容でした。

リスク管理

やや細かい論点が問われる問題(選択肢ベース)がいくつか見受けられましたが、いつも通りの難易度だったと思います。もし、自分が把握していないテーマが問題になっていたとしても四択ですから、消去法で正解にたどり着けたでしょう。とはいえ、これまでどおりに過去問題をきちんと攻略できていれば合格ラインには十分たどりつける難易度でした。

金融資産運用

これといって目新しいテーマの問題はなく、いつも通りの内容だったと思います。ただ、割引率という言葉が登場する計算問題がありました。これは、冷静に捉えることができて6つの係数の現価係数を思い出せれば、もしくはキャッシュフロー表を作成するときの計算を思い出せれば、簡単に解ける問題なのですが、試験当日、このような冷静さがあるかどうか・・・が正解へのカギです。一見「難しい、わからない」と思っても、冷静に分析すると意外と簡単な問題なのです。

タックスプランニング

全10問のうち、所得税7問、法人税2問、消費税1問の出題でした。これまでどおり、やはり攻略ポイントはいかに所得税を攻略するかどうかにかかってきます。難易度については、いつもよりやや易しかったのではないかと思います。過去問題をきちんと攻略していた受検生にとってはこの科目がかなりの得点源になったのではないかと思います。

不動産

いつもどおりの難易度でした。やや細かいこと、過去に問われたことのない論点の問題がありましたがその割合は全体からみれば少しです。きちんと過去問題を攻略した受検生は、合格ラインは取れたのではないかと思います。しかし、そもそも不動産が苦手、という受検生にとってはいつもどおりの難易度だと言っても難しいと感じた内容だったと思います。不動産の攻略は、まずは苦手意識を取り除くことが重要です。

相続・事業承継

やや細かいこと、過去に問われたことのないことが含まれる問題がいくつかありました。また、平成27年1月からの改正相続税法に関する問題が丸々1問出題されました。相続税の改正は、世間でも大きく話題になっていますから試験問題にも当然反映されるわけです。難易度としては、やや難しかったのではないかと思います。

総評

今回の学科試験は、やや難しいと感じた受検生が多かったのではないかと思います。とはいえ、過去問題をきちんと攻略して、得点できる定番問題をきちんと正解できれば合格には十分届く内容でした。また、FPの試験は、世間で話題になっているテーマは取り上げられやすいですから日々、新聞やテレビのニュースなどを気にかけておくとそれだけでも少しは試験対策に役立つと思います。

実技試験

大問数10、小問数40、解答用紙に記載する数69・・・といつもどおりの出題数でした。

FP総論

定番の問題です。この2問は必ず正解しなくてはいけない問題です。

金融資産運用

全3問出題でした。過去問題の類似問題ばかりで比較的得点しやすい内容だったと思います。部分的に細かいことが問われていますが、四択形式なので消去法で正解できたのではないかと思います。

不動産

全4問中、相変わらずの定番問題が3問、残り1問は、一目みた感じでは尻込みしてしまうような問題ですが、それは見た目だけで、実はとても簡単な問題です。見た目で受検生を圧倒する問題(私はビビリ問題と呼んでいる)は、実はとてもとても簡単なので、焦って動揺しないことが合格のポイントです。

リスク管理

全4問中、過去問題の類似問題(というより、数字を変えただけのようなほぼ100%コピーに近い類似問題)ばかりですから、全問正解できたのではないかと思います。それぐらい、難易度は低かった内容です。

タックスプランニング

全4問中、特に応用問題もなく、過去問題の類似問題ばかりで、電卓を使用しなくても暗算でささっと解ける問題ばかりでした。タックスプランニングが苦手な受検生でも得点できたでしょう。

相続・事業承継

これほど難易度の低い内容の回は珍しい・・・と言ってしまっていいほど全4問すべて簡単でした。全問正解できた受検生が多かったのではないでしょうか。

ライフプランニングと資金計画(CF表)

定番のCF表の穴埋め問題は、絶対に正解しなくてはいけない内容です。いつもどおりの場所が穴になっていました。3問中1問、少し珍しい問題として、CF表を作成するうえで参考にする指標について出題されました。実務では当たり前の話なのですが試験問題となる躊躇した受検生が多かったのではないかと思います。FP試験は、FPの実務試験ともいえるものなので、こういった傾向はとても納得です。

ライフプランニングと資金計画(6つの係数)

定番の問題なので、確実に正解できなくてはいけません。今回も3問出題のうち資本回収係数がありました。資本回収係数の出題頻度はあいかわらず高いようです。

総合問題①

マンションの価格構成、住宅ローン、住宅にかかる税金、外貨定期預金の計算、高額療養費、公的年金の遺族給付、老齢基礎年金の受給資格期間の計算の合計7問でした。やはり、今回の試験は相対的に易しい問題が多いです。ひねりが一切ないので、得点しやすい問題ばかりでした。

総合問題②

バランスシート、退職所得の税額計算、相続税の課税価格の合計額、法定相続分と基礎控除額、公的年金の課税関係、国民年金制度の合計6問でした。相続関連の問題がやや細かいことに気が付かないとすんなり正解できない問題になっていますが、他の問題動揺、難易度はそれほど高くなく、得点しやすい内容でした。

総評

いつもより易しかったと思います。かなりの方が楽々合格点に届いたのではないかと思える内容でした。とはいえ、実技試験はスピードが大事ですから、過去問題の繰り返し演習により、問題形式に慣れることが大切ですから、難易度に甘えずに繰り返しの演習を怠ってはなりません。