2016年1月24日(日)実施 FP技能検定内容の解説

2016/01/27

1月24日の試験を受けられた方は、お疲れ様でした。今回の試験について、主観ではありますが今回の試験についてのコメントをしたいと思います。

学科試験について

ライフプランニングと資金計画

今回は、住宅取得資金と雇用保険に関する問題は出題されず、その他については一部、かなり細かいことを問われている問題が見られました。また、10問のうち半分が年金に関する問題という年金分野が苦手な受検生にとっては過酷な試験だったのではないかと思います。

しかし、いつも通りもしくはいつもよりも易しい問題もいくつかありました。全体的には、難易度はいつもよりもやや高めだと思います。

また、初登場のテーマもあり、10問中4~5問程度得点できれば上出来だったのではないでしょうか。とはいえ、定番の問題もきちんと出題されていましたから基本をきちんと身に付けていた方、過去問題をきちんと攻略していた方は6問程度は確実に得点できたものと思われます。

リスク管理

概ねいつもの難易度だったと思います。

法人が保険料を支払う場合の経理処理に関する問題のなかでやや細かいことを問いている問題がありましたがほんの一部なので、出題の大半を占める過去問題の類似問題を正解できれば、高得点が狙えた科目だと思います。

金融資産運用

全体的にいつもよりやや難易度が高かったような気がします。

また、シャープレシオに関する計算問題が平成25年5月試験以来出題されました。計算方法を知っていれば簡単なのですが知らないとまったく手の付けられないテーマなので、改めて、「知っている」のと「知らない」ことの差を痛感します。

さらに、定番問題である債券に関する問題が出題されませんでした。これは驚きです。がっくりと肩を落とすような出来事です。とはいえ、平均的な学習でおそらく10問中5~6問は正解できたのではないかと思います。なお、最近の傾向ではポートフォリオ運用からの問題で、かつ、計算問題が定番となりつつあるようです。

タックスプランニング

所得税7問、法人関係2問、消費税1問の出題でいつもどおりでした。

難易度もいつもと変わらず、他の科目と比較すると易しい内容だったと思います。特に、定番問題の総所得金額の計算はなんのヒネリもない電卓すら必要のない内容でした。今回の試験では、タックスプランニングは得点源になった科目でしょう。

不動産

いつもと同じ程度の難易度だったと思います。むしろ、部分的にはいつもより易しい内容でした。

過去問題の類似問題ばかりで正解できる問題が多かったでしょう。

相続・事業承継

この科目は、通常ならば他の科目よりも難易度が高い傾向がありますが、今回は、明らかに易しかったです。とても得点しすい内容でした。満点な方が多かったのではないでしょうか。

総評

FPの試験は、年3回実施されますが、1月の試験の難易度が高くなる傾向がここ数年あるような気がします。今回もやや全体的に難易度の高い(いつもと比較して)傾向にあった内容だったと思います。

しかも、今回は前半の3科目が難易度高めでなので、問題番号1番から順番に解いていった方は、前半で正解できなくて精神的に参ってしまって、その影響で後半の3科目は比較的得点しやすいにも関わらず、精神的な落ち込みのせいで解ける問題も解けなかった・・・ということがありうる出題構成だったと思います。

とはいえ、出題されている問題の8割は基本的事項が問われているので重箱の隅をつつくような問題は気にせず、基本事項をしっかり身に付け得点できる問題を確実に得点することが重要になることはこれまでどおりです。

実技試験

大問数10、小問数40、解答用紙に記載する数69・・・といつもどおりの出題数でした。

FP総論

定番の問題です。全問必ず正解しなくてはいけない問題です。

金融資産運用

全4問出題でした。過去問題の類似問題ばかりでしたが、正解を導くための資料の確認にこれまでの傾向の問題よりも時間がかかり、焦った受検生が多かったのではないかと思います。また、2者を比較してどうなんだ、という点が問われる内容が多く見られました。

しかし、時間をかければ比較的得点しやすい内容ではありました。資料問題は、資料にヒントが書かれていますから、注意深く資料を確認することが重要です。

とはいえ、試験の時間には制限がありますので、いかに素早く必要な情報を与えられた資料から読み取り手早く計算できるか、というテクニックと慣れが必要不可欠だと改めて痛感した問題だったと思います。

金融の計算問題が苦手な方は、後回しにする戦略も有効です。

不動産

全4問中、相変わらずの定番問題ばかりでした。過去問題をきちんと攻略していれば、例え不動産が苦手であってもそこそこ得点できたと思います。

リスク管理

全3問中、過去問題の類似問題(というより、数字を変えただけのようなほぼ100%コピーに近い類似問題)ばかりですから、全問正解できたのではないかと思います。それぐらい、難易度は低かった内容です。

タックスプランニング

全4問中、特に応用問題もなく、過去問題の類似問題ばかりでした。

とはいえ、ひっかけポイントが数か所ありましたから、過去問題の特定のパターンを暗記している受検生にとっては、そのトラップに気が付かずに不正解になったのではないかと思います。

パターン別に暗記するのではなく、基本的な制度や適用要件といったことをきちんと理解しておく必要があります。

相続・事業承継

全4問中、2問が穴埋め問題で、ラクラク得点できた内容になっていました。

その他の計算問題は、過去問題の類似問題の定番問題で、比較的得点しやすい内容でした。

贈与税の計算問題は改正後の初登場となりましたが、基本的には改正前と同じ解き方で正解できるので、どこが改正になったのかを知っておけばラクラク得点できたことと思います。

ライフプランニングと資金計画(CF表)

全3問出題。定番のCF表の穴埋め問題は、絶対に正解しなくてはいけない内容です。

いつもどおりの場所が穴になっていましたが、少し変化球の内容でした。また、住宅ローンの繰上げ返済の問題は、過去問題の類似問題なので、正解するのに時間はかかったかもしれませんが、得点できる難易度でした。

ライフプランニングと資金計画(6つの係数)

全3問の出題。定番の問題なので、確実に正解できなくてはいけません。難易度に変わりはありません。

総合問題①

住宅ローンの借り換え、教育ローン、先進医療特約、労災保険の概要、健康保険料、遺族給付の合計6問でした。

教育ローンに関する内容がやや細かい点が問われており戸惑った受検生が多かったのではないかと思います。一度出題されるとまた出題されることがありますので、今後は要注意です。

総合問題②

バランスシート、生命保険料控除の計算、相続税の法定相続人と法定相続分、相続税の総額の計算、高年齢雇用継続基本給付金、後期高齢者医療制度、老齢年金制度の合計7問でした。

相続税の総額の計算と高年齢雇用継続基本給付金の計算は、やや戸惑った受検生が多かったのではないでしょうか。

とはいえ、前者は過去問題の類似問題、後者は計算の具体的な方法が資料に書かれているので、得点できた方も多かったのではないかと思います。

総評

前回の実技試験よりはやや難しい内容だったと思います。

手間のかかる問題が多く、「これは時間がかかりそうだから後回し」というその場の判断が瞬時にできた方は、容易に正解できる問題から解いて、確実に合格点を稼げたのではないかと思います。

実技試験は、とにかく時間との勝負ですから、制限時間の90分をどのように構成していくのかという訓練も必要であることを改めて感じた試験だったと思います。つまりは、戦略が大切です。