2018年1月28日(日)実施 2級FP技能検定内容の講評

2018/01/29

平成30年1月28日(日)に、FP技能検定 2級試験が実施されました。受検されたみなさま、お疲れさまでした。

今回の試験では、高得点の確保は難しい出題構成とはなっていましたが、基礎的な問題や過去に出題された問題も多数出題されていたため、全体的な難易度としては、「やや易しい」という印象でした。

やはり、合格レベルの受検生であれば確実に得点できる問題をミスなく、得点を1点、1点積み上げていく姿勢が重要であったといえます。

つまり、合格基準が得点率6割ということもあり、たとえ、難問に出くわしたとしても、試験対策としては、「後回し問題」や「捨て問題」とするといったワリキリも必要であるといえます。

学科試験について

分野ごと、正解肢にたどり着くために必要となる正誤を判断するポイントをおさえられていたのかが重要であったといえます。

ライフプランニングと資金計画

FP総論、ライフプランニングの他、リタイアメントプランニングの分野から複数題、出題されましたが、基礎知識の理解に加え、問題文で使われている数字について、正確に、正誤を判断できたのかもポイントであったといえます。また、学科試験といえども、計算問題対策が求められます。

リスク管理

生命保険と損害保険からバランスよく出題されましたが、いずれも、保険の一般的な商品性について、正確に、正誤を判断できたのかがポイントであったといえます。また、タックスプランニングがらみの問題でも、得点を積み重ねていきたいところです。

金融資産運用

投資信託、債券、株式をはじめ、幅広く出題されましたが、基礎用語の定義制度の仕組みについて、正確に、正誤を判断できたのかがポイントであったといえます。また、ライフプランニングと資金計画分野以上に、学科試験といえども、計算問題対策が求められます。

タックスプランニング

所得税を中心に、法人税、消費税からも複数題、出題されましたが、損益通算、所得控除、といった課税のルール(計算過程)を正確に把握できていたのかが重要であったといえます。

不動産

宅建業法、民法、借地借家法、都市計画法、建築基準法、区分所有法、税法など、取り扱う法律は多岐にわたりますが、ルールを身に付けるという学習姿勢が重要であったといえます。
また、「土地の価格」、「不動産の投資判断手法」についても、基礎レベルであったこともあり、比較的、得点しやすかったのではないでしょうか。

相続・事業承継

民法(親族・相続)のルールの他、タックスプランニング分野と同様、贈与税、相続税について、課税のルール(計算過程)を正確に把握できていたのかが重要であったといえます。

実技試験の分析

まず、出題内容ですが、頻出論点からの出題が大半を占めていたため、学科試験対策の準備ができている受検生であれば、確実に、合格点を確保できる内容であったかと思います。

そして、本試験の時間制約のもと、解答するためには、やはり、実技試験対策として、資料の読み取り計算を速く、正確に実行する準備ができていたか否かが重要であったといえます。

以下、今回の出題内容(テーマ)について、資料の読み取り問題計算問題を赤字で列挙します。

【第1問】FP総論

関連業法、6つのステップ

【第2問】金融資産運用

預金保険制度債券会社四季報投資信託

【第3問】不動産

不動産広告課税長期譲渡所得、借地借家法、路線価方式による相続税評価額

【第4問】リスク管理

保険証券解約返戻金、自動車保険

【第5問】タックスプランニング

総所得金額減価償却費事業所得

【第6問】相続・事業承継

法定相続分相続税の課税価格相続時精算課税制度、相続の承認と放棄

【第7問】【第8問】ライフプランニングと資金計画

キャッシュフロー表6つの係数

【第9問】総合問題①

外貨定期預金住宅ローン、個人向け国債、地震保険、奨学金・教育ローン、傷病手当金、遺族給付、任意継続被保険者

【第10問】総合問題②

バランスシート退職一時金、払済保険・延長保険、一時所得、雇用保険、老齢年金


最後に

FP試験の学習経験を生かし、みなさまが、益々、ステップアップされることをお祈り申し上げます。