試験講評
2018年9月9日(日)実施 2級FP技能検定内容の講評
2018/09/10
平成30年9月9日(日)に、FP技能検定2級試験が実施されました。
受検されたみなさま、お疲れさまでした。
今回の試験は、基礎的な問題や過去に出題された問題をベースに多少切り口を変えて問われるものもありましたが、全体的な難易度としては、「標準的」という印象でした。
難問の部類に入る問題も数問ありましたが、「後回し問題」や「捨て問題」にするといった試験対策さえできていれば、過去問を中心に学習していた受検生にとっては、普段どおりに、得点を1点、1点積み上げていけたかと思います。
学科試験の分析
基本的な知識をもとに応用的な思考が求められる問題が見られました。
分野ごと、正解肢にたどり着くために必要となる正誤を判断するポイントをおさえられていたのかが重要であり、現場で初見の問題にも慌てずに対応することが必要であったといえます。
ライフプランニングと資金計画
FP総論、ライフプランニングの他、リタイアメントプランニングの分野から複数題、出題されましたが、特に年金からの出題の割合が多く、近年の法改正についても正確な知識が問われたといえます。
リスク管理
生命保険と損害保険からバランスよく出題されましたが、いずれも、保険の一般的な商品性について、正確に、正誤を判断できたのかがポイントであったといえます。また、保険契約の経理処理の問題、火災保険、自動車保険等広範な知識に対応していきたいところです。
金融資産運用
投資信託、債券、株式、遺言信託等、幅広く出題されましたが、基礎用語の定義や制度の仕組みの理解を前提に、つみ立てNISA等新たな制度についても正確に、正誤を判断できたのかがポイントであったといえます。
タックスプランニング
所得税を中心に出題されましたが、法人税、消費税といった2級試験固有の出題論点についても正確に把握できていたのかが重要であったといえます。
不動産
民法、借地借家法、都市計画法、建築基準法、税法など、取り扱う法律は多岐にわたりますが、6科目の中でも過去問の重要性は依然として高いといえます。 そのため、過去問対策をしっかりと行っていた受検生にとっては、得点源になったのではないでしょうか。
相続・事業承継
民法の知識の他、タックスプランニング分野と同様、贈与税、相続税について、課税における計算過程を正確に把握できていたのかが重要であったといえます。この科目は、問題ごとの難易度の差が大きく表れることもありますが、今回の試験に関しては、標準的なレベルの問題が多かったのではないでしょうか。
実技試験の分析
まず、出題内容ですが、頻出論点からの出題が大半を占めていたため、学科試験対策の準備ができている受検生であれば、合格点を確保できる内容が多かったと思います。
そして、本試験の時間制約のもと、解答するためには、やはり、実技試験対策として、資料の読み取りや計算を速く、正確に実行する準備ができていたか否かが重要であったといえますが、時間のかかる計算問題を後回しにする戦略も有効であったと思われます。
以下、今回の出題内容(テーマ)のうち、資料の読み取り問題や計算問題については赤字で列挙します。
【第1問】FP総論
関連業法、金融商品販売法
【第2問】金融資産運用
債券、株式、譲渡所得の取得費
【第3問】不動産
贈与税、建築面積、課税長期譲渡所得、住宅ローン
【第4問】リスク管理
保険証券、法人契約の生命保険、生命保険料控除金額、自動車保険
【第5問】タックスプランニング
総所得金額、損益通算、医療費控除の特例
【第6問】相続・事業承継
法定相続分と遺留分、相続の放棄と承認、贈与税額、相続税評価額
【第7問】【第8問】ライフプランニングと資金計画
キャッシュフロー表、生活費、6つの係数
【第9問】総合問題①
奨学金と教育ローン、外貨定期預金、つみ立てNISAとiDeCoの比較、地震保険、傷病手当金、国民年金基金、老齢基礎年金の受給資格期間
【第10問】総合問題②
バランスシート、退職一時金、一時所得、国債の償還金、収益分配金、任意継続被保険者、公的介護保険制度
最後に
FP試験の学習経験を生かし、みなさまが、益々、ステップアップされることをお祈り申し上げます。