2019年5月26日(日) 実施 2級FP技能検定内容の講評
2019/05/26
2019年5月26日(日)に、FP技能検定 2級試験が実施されました。受検されたみなさま、お疲れさまでした。
今回の試験は、基礎的な問題とやや応用的な論点を問う問題が出題されていたため、全体的な難易度としては、「標準的~やや難」という印象でした。
難問の部類に入る問題もややありましたが、過去問で頻出の問題を着実に積み重ねることにより、合格基準点に達することは、十分可能であったかと思います。
学科試験の分析
科目間の難易度の差が大きく、解いているときに不安になった方も多かったのではないでしょうか。しかし、従来の過去問をベースに対策を積み重ねてきた方であれば、合格を狙えたと思います。
ライフプランニングと資金計画
FP総論、ライフプランニングの他、リタイアメントプランニングの分野から複数題、出題されましたが、基礎知識の理解だけでなく、問題文で問われている数字・知識について、正確に、正誤を判断できたのかもポイントであったといえます。特にリタイアメントプランニングの分野については、細かい知識が問われる傾向が見られました。
リスク管理
生命保険と損害保険からバランスよく出題されましたが、いずれも、保険の一般的な商品性について、正確に、正誤を判断できたのかがポイントであったといえます。また、保険契約の経理処理の問題も、定番の問題として出題されています。
金融資産運用
投資信託、債券、株式をはじめ、幅広く出題され、ストレートに正誤判断が可能な問題と過去問だけでは対応できない問題とに分かれました。高得点を狙うよりも、5~6問得点できれば十分だったのではないでしょうか。
タックスプランニング
所得税を中心に、法人税、消費税からも複数題、出題されましたが、金融資産運用と異なり、基本的な論点を問う問題が多く、高得点を狙いところです。
不動産
不動産に関連する法律は多岐にわたりますが、過去問を中心に学習する姿勢が重要であったといえます。タックスプランニング同様、比較的、得点しやすかったのではないでしょうか。
相続・事業承継
民法のルールの他、タックスプランニング分野と同様、贈与税、相続税について、課税の計算過程を正確に把握できていたのかが重要であったといえます。やや細かい論点を問うものもあり、いかにケアレスミスを防げたかがポイントであったといえます。
実技試験の分析
まず、出題内容ですが、頻出論点からの出題が大半を占めていたため、学科試験対策の準備ができている受検生であれば、確実に、合格点を確保できる内容であったかと思います。
そして、本試験の時間制約のもと、解答するためには、やはり、実技試験対策として、資料の読み取りや計算を速く、正確に実行する準備ができていたか否かが重要であったといえます。学科試験と比べ、従来の傾向通りの出題であったため、解きやすく感じた方も多かったのではないでしょうか。
以下、今回の出題内容(テーマ)について、資料の読み取り問題や計算問題を赤字で列挙します。
【第1問】FP総論
関連業法、6つのプロセス
【第2問】金融資産運用
経済指標、外貨定期預金、投資信託、債券
【第3問】不動産
土地評価、譲渡所得の金額、不動産所得の金額、登記事項証明書
【第4問】リスク管理
保険証券、終身保険、少額短期保険、海外旅行傷害保険
【第5問】タックスプランニング
総所得金額、所得の種類、退職所得
【第6問】相続・事業承継
法定相続分と遺留分、贈与税、小規模宅地等の評価減の特例、普通借地権の相続税評価額
【第7問】【第8問】ライフプランニングと資金計画
キャッシュフロー表、6つの係数
【第9問】総合問題①
住宅ローンの繰上げ返済、教育費、奨学金と教育ローン、つみたてNISAとiDeCO、遺族給付、育児・介護休業法、労災保険
【第10問】総合問題②
バランスシート、事業所得、預金保険制度、死亡保険金等、老齢年金の支給繰下げ、傷病手当金
最後に
FP試験の学習経験を生かし、みなさまが、益々、ステップアップされることをお祈り申し上げます。