2022年5月22日(日) 実施 2級FP技能検定の試験講評

2022/05/16

2022年5月22日(日)に、2級FP技能検定試験が実施されました。受検されたみなさま、お疲れさまでした。

今回の試験は、新制度の問題や難易度の高い問題を一部含むものの、全体的には基礎的な問題や出題頻度の高い定番問題が多く出題されていたため、全体的な難易度としては、「標準的」という印象でした。
新制度の問題や難易度の高い問題を取りこぼしたとしても、全科目均等に基本テーマを学習していれば60%をクリアできるレベルだったと考えられます。

学科試験の分析

金融資産運用では2018年に施行された「休眠預金等活用法」、タックスでは2018年の税法改正で創設され、2020年の所得税より適用された「所得金額調整控除」についてなど、新しい制度に関する問題もありましたが、全体的には過去にも出題されている定番問題が多い印象でした。

過去問演習を確実に行い、基礎的な仕組みや論点をしっかり理解しているかが問われる試験であったといえます。

ライフプランニングと資金計画

FPの顧客に対する行為、ライフプランニングにおける6つの係数、労災保険、雇用保険、公的年金、確定拠出年金、企業年金、住宅ローン、財務と会計に関する出題がなされました。

難易度の高い問題は出題されていませんでしたが、公的年金や雇用保険では、期間や年齢など、数字を問われる問題が多く、企業年金ではそれぞれの特徴についての違いなど、基本を理解しているかが問われる問題が多く出題されました。「公的年金や確定拠出年金」の問題については、出題頻度が高いことに加え、2022年4月に年金制度改正法が施行されたため、繰下げ支給可能年齢や確定拠出年金の受給開始年齢の引き上げなど、年金制度改正法による変更点も合わせて必ず押さえておきたい論点となります。

リスク管理

死亡保障を目的とする生命保険の一般的な商品性、個人年金保険の一般的な商品性、生命保険料控除、法人の生命保険契約の経理処理、損害保険の損害賠償、自動車保険の一般的な商品性、傷害保険の一般的な商品性、傷害保険契約に関する経理処理、医療保険の一般的な商品性、生命保険を利用した家庭のリスク管理に関する出題がなされました。

過去問でも頻出している問題が多く、過去問を繰り返し学習し、各種保険の一般的な仕組みを理解している方はしっかりと得点できたのではないでしょうか。

金融資産運用

全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、金融機関で取り扱う預金の一般的な商品性、上場投資信託(ETF)の一般的な特徴、現在価値の算出、株式指標の一般的な特徴、外貨建て金融商品の取引、金融派生商品、ポートフォリオ理論、一般NISAおよびつみたてNISA、金融商品取引に係るセーフティネットに関する出題がなされました。

現在価値の計算問題や新しい制度であり、過去の出題頻度が少ない「休眠預金」など、難易度の高い問題も多々ありましたが、「上場投資信託(ETF)」や「一般NISAおよびつみたてNISA」、「ポートフォリオ理論」、「セーフティネット」など、定番の問題も多かったため、定番問題は取りこぼしのないようにしたいところです。

タックスプランニング

所得税(原則的な仕組み、所得金額調整控除、損益通算、医療費控除、住宅ローン控除)、個人住民税、法人税の損金、消費税、会社と役員間の取引に係る所得税・法人税、決算書に関する出題がなされました。

「所得金額調整控除」は2020年に適用された新しい制度であり、過去の出題がなく難しい問題ではありましたが、その他の問題は、比較的典型論点が多く、得点に繋がったのではないでしょうか。

不動産

不動産の登記や調査、土地の価格、不動産の売買契約に係る民法の規定、借地借家法、都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定、建物の区分所有等に関する法律、不動産の取得に係る税金、個人が土地を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算、不動産の有効活用の手法に関する一般的な手法、不動産の投資判断の手法に関する出題がなされました。

各種制度や法律などについて、特徴や年数など、基礎理解を問われる問題が多く、基本的な内容を細かい部分までしっかりと学習できていた方は得点できたと思います。基礎学習を欠かさずに行い、確実に得点できるようにしておきましょう。

相続・事業承継

民法上の贈与、親族等に係る民法の規定、贈与税の課税財産、贈与税の申告と納付、遺産分割協議、民法上の遺言、相続税の計算、相続税における上場株式および取引相場のない株式の評価、宅地の相続税評価額、法人成り等に関する出題がなされました。

「法人成り」の問題については、タックスの税金の知識も応用する必要があり、難問であったといえます。

実技試験の分析

出題内容として、金融資産運用で出題された金融派生商品に関する問題や、タックスの配当控除の問題など、難易度の高い問題もありましたが、建築面積の最高限度の計算、保険証券の読み取り問題、キャッシュフロー表の穴埋め計算、6つの係数等の定番問題を中心に構成されていました。

比較的頻出のテーマから多く出題されていたため、過去問演習をしっかりと行われた方は見慣れた問題も多く、得点に繋げることができたのではないでしょうか。

【第1問】FP総論

FP関連業法、顧客本位の業務運営に関する原則

【第2問】金融資産運用

預金保険制度、財形貯蓄制度、投資信託の収益分配金、金融派生商品

【第3問】不動産

建築面積の最高限度、登記事項証明書、不動産の評価、所得税における課税長期譲渡所得の金額

【第4問】リスク管理

保険証券の読み取り、生命保険料控除、役員退職慰労金、普通傷害保険

【第5問】タックスプランニング

減価償却費、退職所得、社会保険料控除、所得税における配当控除

【第6問】相続・事業承継

相続税の課税価格、民法の規定に基づく法定相続分および遺留分、相続税における小規模宅地等の評価減の特例、宅地(貸家建付地)の相続税評価額の計算式

【第7問】【第8問】ライフプランニングと資金計画

キャッシュフロー表、6つの係数

【第9問】総合問題①

外貨建て商品、住宅ローン、iDeCoとつみたてNISA、地震保険、公的年金の遺族給付、健康保険料

【第10問】総合問題②

バランスシート分析、相続に係る原則的な手続き、確定申告、特定口座年間取引報告書、公的年金の老齢給付と遺族給付、傷病手当金

最後に

FP試験の学習経験を生かし、みなさまが、益々、ステップアップされることをお祈り申し上げます。