行政書士試験「行政法」の勉強方法!記述式対策もしっかりやろう!

行政書士試験「行政法」の勉強方法!記述式対策もしっかりやろう!

行政書士試験 行政法
目次

行政法の勉強方法

行政法は、行政書士試験の本丸です。出題数、配点とも最も多いので、行政法で点が取れなければ合格は難しいでしょう。また、行政書士の実務でも使う知識なので、細かいところまで聞いてきます。

ただ、難易度はそれほど高くありません。というのは、暗記が重要で、考えさせる問題はさほど多くないからです。「覚えていれば対応できる」問題が多いので、まじめに暗記をやった人ほど点が取れるでしょう。

つまり、行政法の対策として最も重要なのは暗記です。よく「行政書士試験は暗記では合格できない」と言われますが、それは暗記をしなくて良いという意味ではありません。暗記くらい出来ていて当たり前、という意味です。行政法を勉強していくと、その意味が実感できると思います。

行政法とは、どんな科目?

暗記が合否を左右する

行政法の出題数 5肢択一……19問
多肢選択……2問
記述式……1問
配点 112点
重要度 ☆☆☆☆☆
難易度 ☆☆☆

行政書士試験の3分の1以上を占めるのが、行政法です。行政法とは、

  • 行政手続法
  • 行政不服審査法
  • 行政事件訴訟法
  • 地方自治法
  • 国家賠償法

の総称です。

このうち地方自治法は難問ですが、他はさほど難しくありません。行政法は行政と私人の権利・義務、または行政機関同士の権利・義務を調整する法律です。私人は行政に対して非常に弱い立場にあります。そのため、行政が理由なく私人の権利等を制限しないよう、事細かに定められた法律が行政法です。

つまり、行政法の特徴は「細かい」という点です。民法と比べてみると「なぜここまで細かく書くのだろうか」と不思議に思うでしょう。それは歴史的に、法律で定めないと行政が権力をふるってきたからです。どれくらい細かいのか、実際の問題を見てみましょう。

行政法の問題

実際の問題で傾向をつかむ

  1. 聴聞の主宰者は、調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者および参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。
  2. 聴聞の主宰者は、聴聞の終結後、速やかに報告書を作成し、調書とともに行政庁に提出しなければならない。
  3. 聴聞の当事者または参加人は、聴聞の主宰者によって作成された調書および報告書の閲覧を求めることができる。
  4. 聴聞の終結後、聴聞の主宰者から調書および報告書が提出されたときは、行政庁は、聴聞の再開を命ずることはできない。
  5. 行政庁は、不利益処分の決定をするときは、調書の内容および報告書に記載された聴聞の主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。

これは、平成29年度の行政手続法の問題です。聴聞調書と報告書についての問題ですが、それぞれ内容や作成タイミング、閲覧についてなど細かい点を聞いています。このように、行政法は正確な暗記が欠かせません。

行政法の効果的な勉強方法

過去問を解きながら条文を覚える

行政法は条文の細かいところを聞いてくるので、民法や憲法と比べると、暗記が重要になるのは前述の通りです。それには、過去問を解きながら「問題ではどうやって問われるのか」を考えながら、丁寧に条文を暗記していくのが良いでしょう。

条文だけを眺めていても、どこに気をつけるべきか、どこが間違えやすいポイントかが見えてきません。問題の中で考えるが重要です。

また、行政法は期間やルールなど覚えないとどうしようもないことが多いので暗記が大事になってきますが、「なぜこのような規定が必要なのか」ということも、常に考えながら覚えていくべきです。その規定が出来た意味を考えることで、単なる暗記で終わらず、解釈や判例の勉強にも繋げやすくなります。

(1)択一問題

択一問題(5肢択一)は、やはり暗記が重要です。しかし、単なる丸暗記で全てを覚えることは不可能です。そこで、次の点に注意して条文を何度も読み込んで行きましょう。

  • 数字(期間や、期日など)
  • 例外と、例外の例外
  • 推定する、みなす
  • 他の条文と似ている条文
  • ただし~

これらは、全て試験に出やすいポイントなので常に意識しておいた方が良いです。

そして、暗記した知識を定着させるには過去問演習が一番です。紛らわしい問題が多く出題されているので、何度でも間違えて、そのたびに覚えましょう。

(2)多肢選択問題

多肢選択問題は、主に判例から出題されます。よって、重要な判例はテキストでチェックしておきましょう。出題形式は、判例の穴埋めで、長文です。おそらく、判例そのものを覚えるのは無理でしょう。そのため、対策としては出来るだけ何度もテキストに掲載されている判例を読み込み、重要な語句を拾っておくことです。

そして重要な語句は、意味内容をしっかりと理解して覚えていくことです。そうすれば、初見の判例が出題されても、ある程度対応が可能です。

多肢選択は、満点を取ろうと思うと難しいですが、2、3個の正解を狙うのであれば重要語句を覚える作戦でもなんとかなります。行政法は重要な科目なので判例に労力を割いても良いのですが、最小限の労力である程度の成果を上げる、という戦略も間違いではありません。

行政法の記述式対策

行政法の問題であることを意識する

記述は、行政法1問、民法2問が出題されますが、問題に「行政法」「民法」と記載されているとは限りません(~民法の規定によれば…などと書かれていることもあります)。そこで、「これは行政法の問題だ」と意識して解くことが大事です。

まず何法かを特定しなければ、結論が導き出せません。記述が苦手な人は、何法かを特定して、絞って考えることが出来ていない事が多いです。行政法だったら絶対出てこないことまで考えてしまい、答えがぐちゃぐちゃになっているのです。

ですから、まず行政法の問題であることを意識して、結論を絞りましょう。

(1)結論から考える

理由から考えるよりも、まず結論を考えましょう。結論が決まれば、自然と理由も見えてきます。「結論…なぜなら…」と、根拠条文を思い浮かべるようにして下さい。

そして、理由を考えて行くうちに結論が破たんした場合は、その結論は間違っているので、もう一度どこで間違ったのかを考えましょう。このとき、登場人物の立ち位置をきちんと整理しなければ思考が混乱します。誰が、誰に対して、どんな主張をするのか(行政法なので、「誰に対して」は大抵行政庁です)をしっかり整理してから考え直して下さい。

最後に、理由と結論が無理なく繋がっているかを確認します。

(2)40字にまとめるテクニック

これは民法の記述でも使えるテクニックですが、最初に「型」を作ってしまうやり方です。例えば、


“最高裁判所の判例によれば、こうした訴訟は、どのような立場でA市が提起したものであるとされ、また、どのような理由で、どのような判決がなされるべきこととなるか。40字程度で記述しなさい。”(平成29年度問題より抜粋)


とあれば、「A市が」「…の立場で」提起し、「…の理由で」「…判決」がなされる。という型が作れます。あとはこれを穴埋めしていくだけです。最終的に、文字数を整える調整は必要になりますが、このように型を作ると全く見当違いの解答にはなりにくいメリットがあります。

記述式問題は、自由作文ではありません。求められていることに、求められている形式で答える、ということを意識してみましょう。

まとめ

行政法は、行政書士試験における最重要科目です。しかし、勉強していて楽しい科目ではありません。民法や憲法の勉強は、「法律を勉強している」という楽しさがあると思いますが、行政法は細かいルールの話なので、退屈に感じる人も多いはずです。

そこを、どう意識的に勉強するか。割り切って暗記する事も大事ですが、意識の持ちようで点が取りやすくなる科目です。点が取れるようになってくると、モチベーションも上がるでしょう。「点を取る」ということを意識して、行政法の勉強を進めていってほしいと思います。