行政書士試験科目「憲法、基礎法学」の勉強方法!

行政書士試験科目「憲法、基礎法学」の勉強方法!

憲法、基礎法学の勉強方法とは?

行政書士試験では、憲法が6問で28点、基礎法学が2問で8点分出題されます。基礎法学は毎年2問程度しか出題されないため、過去問の蓄積が少なく勉強しにくい科目であると言えます。しかしながら、試験では工夫を凝らしつつ、2問中1問は取れるようにしましょう。

また、行政書士試験の憲法は、他の科目によりも難易度が比較的易しめのため、5問中4問は狙いたい科目となります。ただ、易しいと言っても簡単というわけではないため、問題自体をどう攻略したら良いのかをこのページで解説していきます。

どちらの科目も、法学の基礎となる部分のため、出題数は多くなくとも意識的に取り組んでおきましょう。

目次

憲法とはどんな科目?

法律を勉強する上での土台

憲法の出題数 5肢択一:5問
多肢選択 1問
配点:28点

憲法は非常に難しい法学となりますが、行政書士試験の憲法は比較的易しい問題です。なぜなら、出題傾向がおおよそ決まっているため、範囲を絞りこんで勉強することができるためです。

なお、憲法9条について専門的な見解を比較するような時事的な勉強ではなく、すでに固まっている判例が中心の出題となるので、過去問演習が有効です。

また、初学者が初めて触れる条文は憲法になります。憲法の条文から、条文の読み方や解釈、判例とは何かなどについて学び始めるため、そういった意味でも憲法は重要な科目であると言えます。

前述の通り、判例からの出題がメインになるため、ある程度まとまった量の文章を読み込んで、その意味内容を理解しておかなければ問題を解くことができないので、読解力も求められます。問題数は少ないものの、憲法にしっかり取り組むことが他の科目の勉強の下地にもなります。

憲法の問題とは

どう出題されるかを把握する

次の文章は、平成29年度に出題された問題の本文です。

“次の記述は、ため池の堤とう(堤塘)の使用規制を行う条例により「ため池の堤とうを使用する財産上の権利を有する者は、ため池の破損、決かい等に因る災害を未然に防止するため、その財産権の行使を殆んど全面的に禁止される」ことになった事件についての最高裁判所判決に関するものである。
判決の論旨として妥当でないものはどれか。”

上記問題文のように、憲法の問題は判例を知っていて、かつその判旨を理解していることが前提となる問題が多くなっています。判旨を理解するには、その根拠となる憲法の条文を知っていることが必須となるため、情報を総合的に考えて解いていく問題だと言えるでしょう。

憲法の勉強方法とは

手を広げすぎない事が大事

行政書士の憲法問題は判例からの出題が頻出しています。しかしながら、判例というのは長い文章で構成されており、それ自体難解なものでもあります。また、判例を完ぺきに理解しようとするのは、資格試験というゴールから遠ざかっています。

では、どの程度判例を勉強すれば良いのか、どんな教材が適当か、テキストと過去問以外に必要な教材があるかを検討してみましょう。

重要判例については、テキストにも掲載されています。どの判例を勉強するかは、テキストに載っている判例だけに絞って問題ありません。

なお、どこまで深く勉強するかは、過去問の解説を読み、テキストに該当する記述がなければ判例集などで該当の判例を確認することが一つの目安として挙げられます。

そして、判例を読む場合でも、判旨のみを重点に置いて読むだけで問題ありません。結論として、テキストで足りない部分を、判例集などの副教材を活用して補うことが最適と言えます。

判例の理解が必要

行政書士試験の勉強では、判例への理解が重要となります。しかしながら、初めて資格の勉強をする人にとっては、分からないことだらけなのではないでしょうか。日頃から文章をよく読む人の中には分かりやすいと感じる人もいるかもしれませんが、そうではない人は読み方のコツを意識して読んでみましょう。

なお、判例を理解するコツとは、

  • 結論
  • 結論に至る理由
  • 結論とは反対の理由
  • 根拠条文

以上の点を意識しながら読むことです。

判例には難解な言葉が多いため、まずはどんな結論になるかを確認し、その結論に至る理由、反対意見などを整理しながら読んでいきましょう。その際は、根拠条文のチェックも忘れないようにしましょう。

上記を意識しながら読むことで、ただ何となく読むよりも理解がしやすくなります。また、勉強を進めていく中で自然と分かってくることもあるため、まずは読んで考えるということを続けていきましょう。

過去問演習で点が取れる

試験合格のためには、「正確に問題を読み解き点が取れるか」ということが重要になります。行政書士試験では、重要な論点が繰り返し出題されるので、過去問は得点に直結していると言っても過言ではありません。

憲法で言えば、過去問で出題された判例が繰り返し出題されます。そのため、膨大な判例の中から何が出題されるのかと悩む必要はなく、過去問に沿って勉強をすることで範囲が絞りやすく、効率良く学習を進めることができます。

ただし、問題は少しずつ変化を加えて出題されるので、単に過去問を丸暗記すれば対応できるというものではありません。過去問を使って勉強をする際は、理解をしながら学習することが大切になります。

そのためには、問題を繰り返し解いて判旨の考え方や、それが問題にどう反映されているかをしっかりつかむ必要があります。

基礎法学とはどんな科目?

捨て科目と言われる基礎法学

基礎法学の出題数:2問
配点:8点

基礎法学とは、その名の通り法学全般の基礎や歴史、用語の意味などを学ぶ科目です。しかし、実際は基礎法学の重要度は低いとされています。そして、問題数も2問(8点)しか出題されないため、「捨て科目」とも言われています。

なぜ捨て科目かと言うと、重要度が低く内容も難しいからという理由が挙げられます。出題範囲が広く対策が取りにくい上、毎年2問しか出題されないため過去問も蓄積されていません。そのため、問題演習がしにくい科目と言えます。

基礎法学の問題とは

受験生をひるませるための問題

行政書士の試験では、毎年第1問目に受験生をひるませるような長文や難問・奇問が出題されると言われています。その1問目が、基礎法学となります。

“「『犯罪論序説』は[ ア ]の鉄則を守って犯罪理論を叙述したものである。
それは当然に犯罪を[ イ ]に該当する[ ウ ]・有責の行為と解する概念構成に帰着する。
近頃、犯罪としての行為を[ イ ]と[ ウ ]性と責任性とに分ちて説明することは、犯罪の抽象的意義を叙述したまでで、生き生きとして躍動する生の具体性を捉えて居ないという非難を受けて居るが、…(中略)…[ イ ]と[ ウ ]性と責任性を区別せずして犯人の刑事責任を論ずることは、いわば空中に楼閣を描くの類である。
私はかように解するから伝統的犯罪理論に従い、犯罪を[ イ ]に該当する[ ウ ]・有責の行為と見、これを基礎として犯罪の概念構成を試みた。
本稿は、京都帝国大学法学部における昭和7-8年度の刑法講義の犯罪論の部分に多少の修正を加えたものである。
既に『公法雑誌』に連載せられたが、このたび一冊の書物にこれをまとめた。」”

これは、平成29年度試験の1問目の問題本文です。この場合、「犯罪論序説」の一節で知らなければ太刀打ちができません。また、上記問題を見たとき、序盤から不安になった受験生も多かったと思います。

そのため、基礎法学の2問のうち、1問はそういう問題だと割り切ることが大切です。

基礎法学の勉強方法とは

用語や歴史など、暗記できるものに絞る

基礎法学で点を取るには、法律用語や歴史、法体系など暗記でまかなえるものに絞って勉強することが重要です。テキストと過去問だけをやっていれば十分となり、それ以外に手を広げる必要はありません。

基礎法学の問題では、最大8点しか取れないため、他の科目に時間をかけて勉強する方が良いでしょう。

その代わり、用語や法体系の説明は他の法律を勉強する時の基礎となる知識のため、しっかりと暗記しておきましょう。基礎法学は理解と言うよりは、暗記が重要な科目です。

基礎法学には深入りしない

前述の通り、基礎法学は2問で8点分しか出題されません。基礎法学は出題範囲が広く難解であるため、相当な時間を割いて8点を取るのは難しいでしょう。そのため、基礎法学には深入りせず、場合よっては後回しにしても良いくらいに考えておきましょう。

まとめ

行政書士試験の憲法は点が取りやすく、難易度も低いので力を入れるべき部分となります。一方、基礎法学は深入りせずに過去問だけの演習で十分であると言えます。

あくまで合格を目指すための勉強なので、このような重点の置き方についての考えも必要になってきます。また、時間が限られている中で、どんな点が取れる勉強をしていくかを他の科目においても意識してみましょう。