行政手続法に出てくる「聴聞」と「弁明の機会の付与」とは?2つの用語の違いについて解説します!

更新日:2021年4月8日

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まず、行政手続法にいう「不利益処分」とは、行政庁が法令に基づき、特定の者を名宛人として、直接、作為・不作為といった義務を課し、又は権利を制限する処分のことをいいます。具体的には、国民側からの申請を前提とせず、例えば、ある人が建設許可を得て働いていたところ、突然行政側から「許可を取り消します!」と言われるような場合です。

目次

意見陳述の機会の付与の原則とは?

上述の例のように、今まで普通に仕事をこなしていたところ、行政側からある時突然許可を取り消す処分が出されると、言われた側は困惑してしまいます。「どういうことか、きちんと説明して!」と言いたくなりますよね。

そこで、行政手続法では、そのような場合に、不利益処分を言われた側に、意見を述べる機会を与えています。これが、意見陳述の機会の付与の原則です。行政手続法第13条に規定があります。

【行政手続法】

(不利益処分をしようとする場合の手続)

第十三条 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。

意見陳述の区分

次に、意見陳述の機会には、「聴聞」と「弁明の機会の付与」という2種類があります。「聴聞」手続きが必要な場合は、行政手続法第13条1項1号、「弁明の機会の付与」手続きが必要な場合は、行政手続法第13条1項2号に規定があります。

一 次のいずれかに該当するとき 聴聞

イ 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。

ロ イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。

ハ 名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。

ニ イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。

二 前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

つまり、弁明の機会の付与手続きは、聴聞手続きが必要な場合以外の不利益処分をする際の手続きであるため、軽い不利益処分に関する手続きであるといえます。

例外

意見陳述の機会の付与の原則には例外もあります。

次のいずれかの場合に該当するときは、意見陳述の機会は不要です(行政手続法第13条2項)。

①公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。

②法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

③施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が法令において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。

④納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

⑤当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして政令で定める処分をしようとするとき。

聴聞とは?

「聴聞」は、上述のとおり、許認可を取り消す不利益処分をする場合等に行われます。聴聞手続きの詳細について、3つの段階に分けて説明していきます。

聴聞開始前

(1) 聴聞の通知

まず、不利益処分を行う行政機関が、聴聞を行う期日までに名宛人に対して、①予定される不利益処分の内容・根拠法令の条項②聴聞の期日・場所③聴聞に関する事務を所掌する組織の名称・所在地を記載した書面により通知します。

また、通知書面には、①聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類等を提出できること②聴聞が集結する時までの間は、不利益処分の原因となっている事実を証する資料の閲覧を求めることができることを教示しなければなりません。

名宛人の所在が不明の場合は、当該行政庁の事務所の掲示場に掲示することで通知することも可能です。掲示を始めた日から2週間経過したときに、名宛人に通知が到達したものとみなされます。

(聴聞の通知の方式)

第十五条 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項

二 不利益処分の原因となる事実

三 聴聞の期日及び場所

四 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地

2 前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。

一 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類又は証拠物(以下「証拠書類等」という。)を提出し、又は聴聞の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠書類等を提出することができること。

二 聴聞が終結する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること。

3 行政庁は、不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない場合においては、第一項の規定による通知を、その者の氏名、同項第三号及び第四号に掲げる事項並びに当該行政庁が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示することによって行うことができる。

この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。

(2) 当事者の手続き保障

名宛人は、代理人の選任が可能です。代理人は、聴聞に関する一切の行為ができますが、その資格を書面で証明する必要があります。代理人が資格を喪失した場合には、書面で行政庁に届出をしなければなりません。

聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、当事者以外の者で、不利益処分に利害関係を有する者(=利害関係人)に対して、聴聞手続きに参加するよう求めることができます。

また、主宰者は、利害関係人の請求によって聴聞手続きに参加することを許可することもできます。

参加人には、代理人の規定がそのまま適用されます。

当事者又は参加人は、聴聞の通知から聴聞終結までの間、行政庁に対して、①当該事実についてした調査の結果に係る調書②①以外の当該不利益処分の原因となる事実を証明する書面の閲覧を請求できます。

また、当事者等は、聴聞期日の審理進行に応じて必要となった資料の閲覧を請求することも可能です。ただし、第三者の利益を侵害するおそれがあるときや正当な理由があるときは、行政庁は、閲覧請求を拒否することが可能です。そして、行政庁は、閲覧の際には、日時及び場所を指定することができます。

(代理人)

第十六条 前条第一項の通知を受けた者(同条第三項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。

2 代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。

3 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。

4 代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者は、書面でその旨を行政庁に届け出なければならない。

(参加人)

第十七条 第十九条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第二項第六号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。

2 前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選任することができる。

3 前条第二項から第四項までの規定は、前項の代理人について準用する。この場合において、同条第二項及び第四項中「当事者」とあるのは、「参加人」と読み替えるものとする。

(文書等の閲覧)

第十八条 当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第二十四条第三項において「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

2 前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。

3 行政庁は、前二項の閲覧について日時及び場所を指定することができる。

聴聞開始

聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰しますが、以下に挙げる人は、主宰者になることができません。

①当該聴聞の当事者又は参加人

②当事者又は参加人の配偶者、四親等内の親族又は同居の家族

③当事者又は参加人の代理人又は保佐人

④過去に①~③に該当するものであった者

⑤当事者又は参加人の後見人・後見監督人、保佐人・保佐監督人、補助人・補助監督人

⑥参加人の利害関係人

次に、審理方式についてですが、聴聞審理は行政庁が公開することを相当と認める場合を除いて非公開です。

主宰者は、最初の聴聞期日の冒頭で、行政庁の職員に対して、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項、その原因となる事実を聴聞期日に出頭した者に対して説明させなければなりません。

当事者又は参加人は、聴聞期日に出頭して意見を述べたり、証拠書類等を提出することができます。また、聴聞期日の出頭に代えて、主宰者に対して聴聞期日までに陳述書や証拠書類を提出することができます。

さらに、主宰者の許可を得て、行政庁の職員に対して質問することもできます。期日における意見陳述の場合には、主宰者の許可を得て、保佐人と一緒に出頭することもできます。

主宰者は、聴聞の期日に出頭した別の当事者に対して、その者の請求に応じて当事者が期日の出頭に代えてなした陳述書や証拠書類等を示すことができます。

また、聴聞期日には、必要がある場合には、当事者又は参加人に対して質問をしたり、意見の陳述や証拠書類等の提出を促したり、行政庁の職員に対して説明を求めることができます。

さらに、主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しない場合でも、聴聞期日に審理を行うことが可能です。また、審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認める場合には、新たな期日を設定することが可能です。

そして、新たな期日を設定した場合には、出頭した当事者又は参加人へは、その場で告知すればよく、それ以外の場合には、当事者又は参加人へ聴聞期日及び場所をあらかじめ書面により通知する必要があります。

(聴聞の主宰)

第十九条 聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。

一 当該聴聞の当事者又は参加人

二 前号に規定する者の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族

三 第一号に規定する者の代理人又は次条第三項に規定する補佐人

四 前三号に規定する者であった者

五 第一号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人

六 参加人以外の関係人

(聴聞の期日における審理の方式)

第二十条 主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。

2 当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。

3 前項の場合において、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

4 主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者若しくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促し、又は行政庁の職員に対し説明を求めることができる。

5 主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができる。

6 聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。

(陳述書等の提出)

第二十一条 当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。

2 主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の陳述書及び証拠書類等を示すことができる。

(続行期日の指定)

第二十二条 主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができる。

2 前項の場合においては、当事者及び参加人に対し、あらかじめ、次回の聴聞の期日及び場所を書面により通知しなければならない。

ただし、聴聞の期日に出頭した当事者及び参加人に対しては、当該聴聞の期日においてこれを告知すれば足りる。

聴聞終結後

主宰者は、①当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞期日に出頭せず、かつ、出頭に代わる陳述書や証拠書類等の提出もない場合②参加人の全部もしくは一部が聴聞期日に出頭しない場合には、聴聞を終結することが可能です。

また、主宰者は、審理が行われた期日ごとに(審理が行われなかった場合には聴聞終結後速やかに)聴聞調書を作成して、陳述の要旨を明らかにする必要があります。

さらに、主宰者は、聴聞終結後、速やかに報告書を作成して、聴聞調書とともに行政庁に提出しなければなりません。当事者又は参加人はこの聴聞調書及び報告書の閲覧請求ができます。

行政庁は、聴聞終結後に新たな証拠書類等の発見があった等の事情がある場合には、必要があれば、報告書を主宰者に戻して聴聞の再開を命じることができます。また、行政庁は、不利益処分を決定する場合には、聴聞調書の内容及び報告書の意見を十分に参酌しなければなりません。

(当事者の不出頭等の場合における聴聞の終結)

第二十三条 主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、第二十一条第一項に規定する陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。

2 主宰者は、前項に規定する場合のほか、当事者の全部又は一部が聴聞の期日に出頭せず、かつ、第二十一条第一項に規定する陳述書又は証拠書類等を提出しない場合において、これらの者の聴聞の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書及び証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに聴聞を終結することとすることができる。

(聴聞調書及び報告書)

第二十四条 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。

2 前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。

3 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第一項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。

4 当事者又は参加人は、第一項の調書及び前項の報告書の閲覧を求めることができる。

(聴聞の再開)

第二十五条 行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条第三項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。

(聴聞を経てされる不利益処分の決定)

第二十六条 行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第二十四条第一項の調書の内容及び同条第三項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。

そして、重要なポイントがもう一つあります。

行政不服審査法との関係についてですが、行政庁又は主宰者が、聴聞手続きの規定に基づいてした処分については、行政不服審査法による審査請求ができません。

つまり、例えば、行政手続法第20条3項に基づき、当事者又は参加人が補佐人と一緒に出頭しようとしたところ、主宰者が不許可とした場合等に、行政不服審査法に基づく不服申し立てをすることができないということです。

一方で、行政事件訴訟法に基づく聴聞処分や不利益処分の取消訴訟は提起することができます。ややこしいですが、聴聞処分自体の取消しは可能ということです。

(審査請求の制限)

第二十七条 この節の規定に基づく処分又はその不作為については、審査請求をすることができない。

弁明の機会の付与とは?

「弁明の機会の付与」は、既に述べたとおり、聴聞手続きに該当する場合以外の処分の際になされる手続きです。審理方式については、行政庁が口頭ですることを認めた場合を除いて、弁明書を提出して行います。当事者は、証拠書類等を提出することができます。

通知方式について、行政庁は、名宛人に対して、弁明書の提出期限(口頭による弁明を行う場合にはその日時)までに相当な期間を定めて、①予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項②不利益処分の原因となる事実③弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明を行う場合には、その旨と出頭すべき日時及び場所)を書面により通知しなければなりません。

弁明の機会の付与手続きには、聴聞手続きにおける①掲示と②代理人に関する規定が準用されています。それ以外の規定の準用はないため、利害関係人の参加や、文書の閲覧請求権、調書や報告書の参酌義務等は保障されていません。また、行政不服審査法に基づく審査請求も可能です。

(弁明の機会の付与の方式)

第二十九条 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。

(弁明の機会の付与の通知の方式)

第三十条 行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項

二 不利益処分の原因となる事実

三 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)

(聴聞に関する手続の準用)

第三十一条 第十五条第三項及び第十六条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。

この場合において、第十五条第三項中「第一項」とあるのは「第三十条」と、「同項第三号及び第四号」とあるのは「同条第三号」と、第十六条第一項中「前条第一項」とあるのは「第三十条」と、「同条第三項後段」とあるのは「第三十一条において準用する第十五条第三項後段」と読み替えるものとする。

聴聞と弁明の機会の付与との違いまとめ

これまで紹介してきた聴聞と弁明の機会の付与手続きの主な違いについて、以下表にまとめました。

聴聞 弁明の機会の付与
審理方式 口頭審理 書面審理(※)
通知方式 書面 書面
通知に伴う教示 必要 不要
代理人の選任 可能 可能
参加人の参加 可能 不可能
文書等の閲覧 可能 不可能
審査請求 制限あり 制限なし

※行政庁が必要があると認めた場合には、口頭審理

まとめ

行政手続法の意見陳述の機会における「聴聞」と「弁明の機会の付与」についてご理解いただけましたでしょうか?

行政書士試験においては、聴聞手続きと弁明の機会の付与手続きが必要とされる場合の条文や、反対にこの2種類の意見陳述の機会が不要な場合の条文、聴聞手続きにおける主宰者や当事者等と行政庁の権能、弁明の機会の付与手続きにおける準用規定や聴聞手続きとの相違点を中心に、しっかりと抑えていただきたいと思います。

この記事の監修者は
福澤繁樹(ふくざわ しげき)

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【出身】千葉県
【経歴】明治大学法学部卒。行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士。行政書士みなと合同事務所にて開業・日々業務を行っている。千葉県行政書士会所属。
【趣味】料理を作り、美味しいお酒と一緒に食べること
【受験歴】2000年の1回目受験で合格
【講師歴】2001年7月1日からフォーサイトで講師をスタート
【刊行書籍】「行政書士に3ヶ月で合格できる本」(ダイヤモンド社)
【座右の銘】見る前に跳べ
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