行政書士試験の試験科目は?

行政書士試験の試験科目は?

目次

試験科目

行政書士試験は、全60問、300点満点の試験です。
その内訳は、

[法令科目]
基礎法学 2問
憲法 5肢択一 5問
多肢選択 1問
行政法 5肢択一 19問
多肢選択 2問
記述式 1問
民法 5肢択一 9問
記述式 2問
商法・会社法 5肢択一 5問
[一般知識] 全て5肢択一
政治・経済・社会 7問
個人情報保護・情報通信 4問
文章理解 3問

となっています。

問題形式はそれぞれ、

  • 5肢択一……5問の肢から正解肢を1つ選ぶ選択問題
  • 多肢選択……20個の選択肢から、正解を4つ選ぶ問題
  • 記述式……40字程度にまとめる記述の問題

となっています。

それぞれの科目について、もう少し詳しく見ていきましょう。

法令科目

法令科目は行政書士試験の本丸!

行政書士試験の法令科目とは、憲法、基礎法学、民法、行政法、商法・会社法を指します。世の中には、もっと多くの法律がありますが、その全てが出題されるわけではなく、その中から行政書士として必要な知識を担保する法律として、これらが選ばれています。

行政書士試験には法令科目と一般知識がありますが、より重要である法令科目の方が問題数も配点も多くなっています。
それぞれの問題数と配点は次の通りです。

  • 法令科目……問題数:46問、配点:244点
  • 一般知識……問題数:14問、配点:56点

基礎法学

出題数 配点
2問 8点

「基礎」と付きますが、決して簡単ではありません。
基礎法学とは、その名の通り法律全般の基礎的な内容を問う問題です。ただ、扱う範囲が非常に広く、法学の成り立ち的なところも含まれ、かなりマニアックな論点も出題されます。

「この知識がどう役に立つの?」と疑問に思い、ここで嫌になってしまう受験生も少なくありません。

さらに、基礎法学は試験問題の最初に出題され、「最初の問題で受験生の気持ちをくじくような長文、難問・奇問」が出題されると言われている行政書士試験の、その部分を担っています。

憲法

出題数 配点
5肢択一……5問
多肢選択……1問
28点

憲法は、全ての法律、司法、行政の指針を示しています。つまり、法律を学ぶには憲法を知らないわけにはいきません。勉強の順番としては、基礎法学の次に学ぶべきでしょう。

行政書士試験の憲法は、主に判例の試験になります。判例とは、過去に裁判所が示した判断のことです。憲法そのものは、法律の様に細かい規定がある訳ではないので、「憲法的に考えてどうか」と、裁判が判断した判例が出題の主軸になります。

民法

出題数 配点
5肢択一……9問
記述式……2問
76点

憲法が国と国民のあり方を示したものであるなら、民法は国民と国民の間の利害や権利を調整するための法律です。そのため、憲法に比べると、とても具体的で細かい法律だと感じるでしょう。行政書士試験の中でも重要な科目です。

実際の生活とも密着した法律なので、問題も条文を当てはめて具体例として考えさせる問題が多いです。暗記だけでは太刀打ちできないので、しっかりとした問題演習が必要です。

行政法

出題数 配点
5肢択一……19問
多肢選択……2問
記述式……1問
112点

行政法は、行政書士試験において最も重要な科目です。配点も、全体の3分の1以上あり、行政法が出来なければ、合格は遠のくでしょう。

行政法とは、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法の総称です。それぞれの法律について出題されています。
いずれも国・行政庁と国民、または国と地方自治体との間の権利や利害関係を調整するための法律です。

民法に比べて、あまり身近に感じず、条文も硬いイメージなので難しく感じる人も多いと思いますが、暗記で対応できる問題が多いので、まじめにコツコツ勉強する人にとってはそれほど強敵ではありません。

商法・会社法

出題数 配点
5肢択一……5問 20点

商法とは、商取引におけるルールを決めた法律で、会社法はそこから会社組織についての部分を抜粋したような法律です。会社法は商法の特別法に当たります。特別法は一般法に優先するので、まず会社法を適用して会社法に規定が無い場合は商法が適用されます。
この2つは、まとめて勉強したほうが理解しやすいでしょう。

しかし、行政書士試験の中で最も難しいと言われている科目でもあります。その理由は、出題範囲が広いことと、出題数が少ないので過去問の積み重ねがあまりないからです。掴みどころがなく、点が取りにくい科目です。

一般知識

意外な強敵

行政書士試験に特徴的な科目が「一般知識」です。つまり、一般教養に関する問題です。法律系資格で一般知識問題が出るのは行政書士試験くらいのものです。
しかも、決して簡単ではありません。法令科目ばかり勉強していると、一般知識でつまずいて不合格になることも珍しくありません。注意が必要な科目です。

一般知識は、

  • 政治・経済・社会
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

のように、大きく3つに分類できます。

政治・経済・社会

出題数 配点
7問 28点

もっとも出題数が多い分野です。試験範囲が広く、対策が取りにくい科目でもあります。日本国内の政治等だけでなく、世界の情勢も出題されます。
時事問題のほか、歴史や用語の意味なども出題されるので、広い範囲の対応が必要になります。

情報通信・個人情報保護

出題数 配点
4問 16点

一般知識科目の中で、唯一の法律系問題です。特に個人情報保護は、個人情報保護法からの出題になるので、対策が絞りやすい科目です。
情報通信は、例年最新の通信手段や暗号化方式などが出題されます。時事問題と近いですが、用語の意味を正確に理解していないと歯が立ちません。

文章理解

出題数 配点
3問 12点

国語の問題です。大学受験くらいのレベルです。
要旨を問う問題、並べ替え、穴埋めなどが出題されます。出題傾向が固まっているので、一般知識問題の中では最も対策しやすいでしょう。この3問は確実に取っておきたい問題です。

多肢選択

配点が高く、全部正解でなくても点がもらえる

出題数 配点
3問 24点

多肢選択とは、20個の選択肢の中から正解の4つを選ぶ形式の科目です。全ての法令科目で出題されるわけではなく、憲法から1問、行政法から2問出題されます。長文の穴埋め問題です。

穴に入る言葉の候補は選択肢に示されているので、一見簡単に思えます。しかし、20個の選択肢は、それぞれ似たものであるうえ、4つに対して20の選択肢があるので迷ってしまいます。問題文も長いので、簡単な問題ではありません。

多肢選択は1問8点の配点ですが、2点×4個という構成になっています。そのため、4つのうち正解したものだけ得点がもらえます。例えば、3つ正解できれば6点です。
5肢択一問題は、4点か0点なので、それに比べると多肢選択の方が点が取りやすいと言えます。

記述式

記述式

マークシート問題とは違った対策が必要

出題数 配点
3問 60点

行政書士試験には、解答用紙に40字程度の解答を書きこむ「記述式」と言われる科目があります。問題文を読んで、適用される法律を判断し、その結果どんな結論になるのかなどを40字程度にまとめて回答する問題です。

全ての法令科目について出題されるのではなく、行政法と民法から出題されます。行政法が1問、民法が2問出題されます。1問20点で、全部で60点の配点です。法令試験の中で、かなりのウェイトを占めます。

0点か20点かの問題ではなく、部分点もあります(ただし、公表はされていません)。

まとめ

行政書士試験科目について、様々な角度から情報をまとめてきました。試験に挑むには、まずどんな科目が、どう出題されるのかを知ることがスタートです。
行政書士試験は、マークシートだけでなく記述問題もあるので、記述対策も必要になります。

独学でチャレンジする場合、「記述まで独学でできるかな?」と考えてみることも必要だと思います。例年7月に試験が公示されますが、そこから準備を始めたのでは遅くなってしまいます。早め早めに勉強をスタートしましょう。