実務家密着取材

直撃インタビュー
行政書士 關口勝生さん

行政書士   關口勝生 さん

1972年東京都生まれ。中央大学経済学部を卒業後、リース会社に入社し、仙台に配属。1996年に退社し、タイへ遊学。1997年に帰国後、大手ユニフォームメーカーに勤務。2001年度の行政書士試験に合格後、2003年に登録。会社を退職した2007年に行政書士として独立し、「關口行政書士事務所」開業。2010年には名刺やブログ等のツールを最大限活用する自身の人脈形成テクニックをまとめた「人脈術 サラリーマンも『自分名刺』を持ちなさい」を出版。現在は、会社設立を中心に各種事業のサポートを行う傍ら、士業・コンサルタント・起業家向けのセミナーを定期的に開催している。

關口行政書士事務所のホームページは下記です。
URL : http://www.sekiguchikatsuo.com


独自ネットワークの人財・知財をフル活用
顧客のステージに合わせる伴走型の行政書士

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、關口行政書士事務所の關口勝生さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


業務は多岐に渡っていますが、主に会社設立・許認可・生活法務の三本柱で行っています。顧客としてはIT関係、建築・不動産、飲食店、美容室等の経営者が多いですね。私は業務の中では、「会社設立に関するサポート業務が一番自分に合っている」と確信しています。ご依頼を受けた書類を作成して、「はい終わり」というものではなく、お客様の立場に立ち「お客様が求めている情報を適切に提供できる行政書士でありたい」と考えています。そのため、東京と名古屋で『起業セミナー』などを定期開催し、各種許認可の申請方法、法人設立の流れを紹介しています。さらに私は開業当初より幅広い人脈ネットワークの形成に取り組んできました。お客様のニーズに沿った各業界のプロをご紹介し、起業支援だけでなく業務支援も並行して行っています。


「人脈塾」という著書も出版している關口さん

「人脈塾」という著書も出版している關口さん


行政書士の資格を取るまでの経緯について教えてください


そもそも大学に入った理由は、「安定路線のサラリーマン人生」を志向していたからです。しかし、卒業後入社したリース会社で地方配属となり、縁もゆかりもなかった仙台の地で生活しているうちに、会社員の生活に疑問を感じ始めました。そこで、一度リセットするつもりでタイへ遊学したのです。1年後に帰国し、再就職した大手ユニフォームメーカーで、心機一転サラリーマン生活を始めました。社長と直属の上司の言うことが違ったり、会社員生活は理不尽なことがつきものでした。さまざまな問題に直面しましたが、最終的には「自分がトップに立たない限り解決しない」と感じ、独立を決意しました。行政書士という職業を知った直接のきっかけは、独立したいと思っていた矢先に読んだ漫画です。行政書士事務所を舞台に活躍する登場人物たちの姿をみて憧れました。そして「独立するなら、法律を駆使して社会的弱者を救済する職業を選択したい」と思い、会社に勤務しながら独学で資格の勉強を始めました。


開業されてから、どのように仕事を進められたのでしょうか?


行政書士の試験に合格したのは2001年で、登録は2003年です。実際に開業した2007年まで少しブランクがあるのは、いざ独立、という段になって二の足を踏んでしまったためです。しかしその結果、一つの会社に10年勤めることで会社の仕組みや社会のルールを理解することができました。その一方で、開業したものの行政書士としての経験、人脈は全くゼロの状態でした。そこでまず最初にしたことは、ホームページとブログの開設です。それからオリジナル名刺を作成しました。サラリーマン時代の営業経験を基に、集客のためには自分の名前をアピールし、私という人間の存在を多くの方に知っていただくことが重要だと考えたからです。ホームページ・ブログ・名刺の連動はかなり効果的でした。お客様からいただく仕事を通じて経験を積み重ね、私は短期間のうちに事務所経営を軌道に乗せることが出来ました。


見開きで裏表カラーのオリジナル名刺は大好評

見開きで裏表カラーのオリジナル名刺は大好評


お仕事の魅力、やりがいはどんな時に感じますか?


時間や場所に融通がきくため、自由に工夫して仕事ができるということにやりがいを感じています。逆に言うと、自分が主体となり、率先して動かなければ何も始まりません。行政書士の業務は幅広くありますが、本来の仕事だけをやっていればいい、というわけではありません。私は行政書士という枠にとらわれず、経営者としての視点を持つように心がけています。「どのようなサービスを提供できるのか」を常に念頭に置き、お客様に貢献できる人間でありたいと考えておりますので、「ありがとう」という感謝の言葉が一番の励みになります。また、公私ともに異業種のネットワークを持つことが大事だと考え、実践していますが、私という存在を介して人や仕事がつながり、化学反応を起こしていくのをみると、本当に嬉しくなりますね。


「人と人とのつながりが一番大事」

「人と人とのつながりが一番大事」


仕事をスムーズに進める上で大事にしていることは何でしょうか?


お客様の話は出来るだけ丁寧に耳を傾けるようにしています。相手をよく理解して信頼関係を築けるように心を配ります。お客様に「心地よい存在」と思っていただくため、出来る限り細やかにご要望を伺います。仕事と直接結びつかない社内の事情、家族のお話等を聞くこともありますが、相手とのコミュニケーションは大事です。その上でお客様に適切なサービス、情報提供ができるようにしています。私が参加している異業種交流団体の理念に、『Givers Gain』“与える者は与えられる”というものがありますが、真理だと思います。私の知識、経験、情報、人脈をまずこちらから相手に与えることを心掛けてから、スムーズに仕事が運ぶようになりましたね。


『Givers Gain』を理念とした異業種交流メンバーとの朝食会にて

『Givers Gain』を理念とした異業種交流メンバーとの朝食会にて


私自身、会社勤めの傍ら独学で勉強して資格を取得しました。法律業務の経験・人脈ゼロからスタートしましたが、士業で大事なのは、業種に限らず幅広いネットワークを持つことだと思います。知識や経験は後からでも身につけることができます。一日も早く行政書士になって活躍してください。一緒に頑張りましょう。


行政書士   關口勝生 さんの、ある1日


ある日のスケジュール

4:30

起床

メールチェック

6:45

外出

朝の異業種交流会に参加

9:00

同上

交流会メンバーと運営ミーティング

11:00

移動

 

11:30

昼食

社労士・税理士・司法書士など
士業仲間とパワーランチ

14:00

外出

中小企業診断士の顧客を訪問

16:00

帰社

事務書類の作成

18:00

外出

飲食店経営者と会食

22:00

 

オーナーとして運営に携わるバー「olim」へ

24:00

帰宅

ブログの更新

25:00

就寝