行政書士合格プロジェクト、2017年の無謀な目標が叶って夢のよう

性別男性
年代40代
試験年度2017年(29年度)
エリア埼玉県
勉強時間1000時間
勉強期間10ヶ月間
職業正社員(サラリーマン)
勉強法選択肢,参考書
商品テキスト
受験回数初学者(1回目)
学習スタイル独学,通学
eラーニング使用回数
※eラーニングの使用回数となり、実際の学習時間とは異なります。
 2017年の目標を「行政書士試験 合格」としたものの、合格に向けてやるべきことは、全くイメージ出来ない。法律について、全くの初学者なのだから当然の話である。
 
しかしながら、このときは、目標を変えることに思いが至らない。今にして思えば、2017年は相当に無謀なチャレンジをすることになる。

 法律は初学者だが「行政書士試験 合格」を一つのプロジェクトとして捉えれば、仕事と同じくプロジェクト管理の手法からアプローチすれば良い筈だ。 

仕事だと思えば、プロマネ(=プロジェクトマネージャー)として、多少無茶なプロジェクトでも、実現させる自信はある。使えるリソースは自分自身だけだが、リソースの自分を、プロマネの自分がマネジメントすると考えれば、やるべきことも何となくだがイメージが出来る。

 プロジェクトである「行政書士試験 合格」について、プロジェクトの概要をA4一枚にまとめると、概ね以下のような構成となる。(因みに、A4一枚で簡潔にまとめなければ、概要とは言わない)

1 ゴール
2017年度 行政書士試験 合格

→ 最後までぶれないように、期間、目標、結果を明確に決定する

2 目的
1) 生涯働き続けることが出来る職業的基盤を創る

2) 現職を辞しても慌てないよう、バックアッププランを用意する

3) 自分の頑張る姿を見てもらうことで、子供達に何かを感じてもらいたい

→ 動機にあたるもの故、言い回しは腹落ち出来るよう、以降適宜更新

3 コスト
¥1,800,000 / 総額

1) 人件費 自分自身をコストとして ¥3,000 / 時間単価 で計上

2) 実費 受験料、受講料、学習教材 その他実費

→ コストのないプロジェクトなどあり得ない。無理にでも設定するべき

4 KPI
500H / 学習時間 ※唯一の指標

→ 進捗を管理するためには、期間を通じる何らかの指標が必要

5 スケジュール
模擬試験日程、本試験日程、合格発表日程など、自分の行動予定に係るもの

→ 日付に落とすことが出来るものは、全て確定させ、他の予定(仕事、家庭など)との競合は、予め排除する

6 To Do
教材申込、模擬試験申込、本試験申込など、学習以外のTo Do

→ マイルストーンを達成するために必要なアクションを記述する

 このA4一枚の中身について少々説明すると、まずコスト総額を180万円と決めたのは、行政書士開業初年度の収入を、仮に360万円(=30万円 / 月)と決め、この半分をゴール達成のために投下することが出来る金額と考えるからだ。 

逆から言えば、初年度360万円の収入のために、180万円以上の金額を投下することは、投資としてペイしない。 

行政書士試験に合格することは、自分の将来への投資なのだから、まずは単純に投資としてペイさせることが必要である。

 コストについて更に言えば、しっかり学習した上でも合格率(=プロジェクトの実現可能性)が10%程度であることを考えれば、最低限、実費部分は18万円(=180万円 / 総額の1/10)とする必要がある。

 学習時間については、¥3,000/Hを時間単価と設定する。 単に決めの問題なので ¥2,000/Hでも、¥4,000/Hでも良いのだが、自分自身の時間単価として妥当感のある ¥3,000/Hとする。
 
この時間単価で学習時間に500Hを費やすと、150万円が人件費(=自分の時間をコストとして考える)。 使うことが出来る総コストは、180万円なので、学習時間を150万円という金額に置き換えて考えても、違和感はない。
 
自分が学習に費やす一時間毎が ¥3,000 のコストであると意識すれば、自ずと目の前の一時間に集中することも出来る。 限られた自分の時間を、無料とするわけには行かない。

 残る30万円が、実費として使うことが出来る金額となるが、通常のプロジェクトにおいては、当初はバッファを見て予算を組み立てるので、初期に予算化してよいのは30万円の内、20万円程度になると思う。 先述の通り、実費の目安を18万円と考えているので、この金額感も妥当なものに感じられる。

使うことが出来る実費を18万円と決めると、授業料だけで20万円を超える通学教育は、選択肢から外れる。
 
行政書士試験は、法律初学者が独学でなんとか出来る試験だとは、全く思えないので、独学も選択肢から当然に外れる。 結果、取るべき選択肢は、通信教育のみとなる。

 通信教育における選択においても、コスト(=教材費など)と期待される効果(=合格率)による判断行うべきだ。 (結果、フォーサイトが最もパフォーマンスが高いように感じられたので、こちらを選択。 文字に比べ、画像を覚える方が得意なので、画像として覚えやすいフルカラーのテキストが決め手となる。)

 KPIは、より具体的に複数設定するべき(例えば、各科目の到達度など)だと思うが、各科目の違いなどは、皆目検討がつかない。 自分自身で理解出来ない事柄は、KPIに相応しくないので、自身で簡単に進捗を管理することが出来る、学習時間だけをKPIとする。

 A4一枚にまとめてみると、案外と簡単に目標達成出来るように思えるが、管理者の視点で、合理的と思われる内容を記載したのだから、それはそれで当然である。

 一方、リソースとしての自分の苦労は、このA4一枚が出来た時から具体化することになるが、語りだすと長くなるので、こちらは割愛させて頂きたいと思う。 

因みにフォーサイトの「学習手帳」には、かなり細かくその日の学習状況を記載して管理、週次で振り返りを行ったことは、付記したい。

 以降は、このA4一枚のアップデートを繰り返すことで、学習精度も少しずつ上がるようになる。

プロジェクト最終日となる2017年11月12日(日)の本試験当日午前11時半、試験会場となる獨協大学へ到着。
 
驚くほどの数となる受験生。駅の構内放送は「本日近隣大学で資格試験実施のため、帰り時刻で混雑が予想されますので、お帰りのキップは予めお求め下さい。」と、まるで休日のTDLのようだ。 

大学に向かう歩道で、資格受験校のチラシを配布する人は「直前学習教材をお配りしています~」と、大きな声で会場に向かう受験生の波に正対している。これらのチラシを積極的に受け取る受験生が散見されることが、少々不思議でもある。

 人波の中、正直、自分がものすごく場違いなところにいる気がする。そして、その思いは試験会場に入ると、一層強くなる。

 使い込んだ参考書を熱心に読み込む人、繰り返し何かを書きなぐる(多分、出訴期間などの忘れ易い数字項目を書いている)人、スマートフォンを見つめる人(こちらも多分、学習教材を見ているのだろう)など、試験会場で何もしていない人などいない。 

皆さん最後の一瞬まで無駄にしないというが如くである。

この試験会場のなかで、十人中九人が落ちる試験など、自分が突破出来るとは思えない。弱気の虫が騒ぎ出す。 「(今年はともかく)来年は受かるかな?」これが、本試験直前の偽らざる自分の気持ちである。

2018年1月31日、合格を確認。
当初は、無謀とも思えた2017年の目標である「行政書士試験 合格」は、無事完遂。

家人の「あなたって(案外)すごいのね」とのお褒めの言葉が嬉しかった。
2おめでとう

※プライバシー保護の観点より、筆者のお名前は仮名となります。



◀合格体験記へ戻る