保育士が知っておきたい預かり保育と一時保育の違いについて

預かり保育と一時保育の違い

「預かり保育」とは幼稚園が行なう延長保育のことを指します。

園に通う子どもの保護者が何らかの理由で所定時間内にお迎えに行けないときに延長して預かる時間延長の保育のことです。一方良く「延長保育」と混同して認識されているのが「一時保育」です。この一時保育は延長保育とは違う形態のものです。

ここでは、預かり保育とはどういうものなのか、良く間違われる一時保育との違いを中心に分かりやすく解説していきます。

目次

預かり保育とは、幼稚園が行なう延長保育

「預かり保育」とは幼稚園が行なっている延長保育の一貫になります。通常、幼稚園の預かりは月曜日~金曜日の9:00~15:00頃までです。園によっては水曜日は半日、などもあり様々です。

この通常保育の時間帯以外で子どもを受け入れることを預かり保育と呼んでいます。預かり保育の時間帯も様々ですが、よく見られる時間帯は以下です。

預かり保育 預かり保育 7:00~ 園の始業時間(8:30)の前に延長して預かります。
登園 登園 8:30~ 登園後は外遊び
朝の会 朝の会 10:00~ お当番を決める朝の会。その後、制作や音楽遊び、運動など週案に沿った主活動
昼食 昼食 12:00~ お弁当を食べます
午後活動 午後活動 12:45~ 園庭や室内などで遊びます。
降園 降園 14:00~ 迎えに来た家族と降園
課外保育 預かり保育(課外保育) 用事で時間までに迎えに間に合わない子どもを延長で預かります。
保育終了 預かり保育終了 19:00 保育終了

こちらのスケジュールはある幼稚園で行なわれている延長保育を含んだ1日の流れになります。

また、必ず預かり保育を実施しているわけではなく、預かり保育を行っていない園もあります。幼稚園で預かり保育を希望する場合、保護者は入園前に預かり保育が実施されているのか確認する必要があります。

現在では共働きの家庭が増加していることもあり、多くの幼稚園でこの「預かり保育」を実施しているのが現状です。

混乱しやすい保育園が行なう一時保育との違い

保育園が行なう一時保育との違い

保育園が行なっているサービスに、預かり保育(延長保育)と混同されやすい「一時保育」という言葉があります。違いを確認しておきましょう。

以下は、預かり保育と一時保育の簡単な違いを表にしたものです。

預かり保育と一時保育の違い
預かり保育 一時保育(一時預かり)
実施場所 幼稚園や認定こども園 保育園や認定施設
利用者 園を利用している在園児のみ、園を利用していない人は利用不可 普段、園を利用していない人でも利用可能(規定あり)
利用日 通常保育の後に時間を延長して預かる(申請が必要) 申し込みをした日時
利用方法 各園の規定あり(利用可能日のみ) 事前申し込みで施設により異なるがおおよそ月2~9日(規定あり)

大きな違いは「預かり保育」は幼稚園や認定こども園といわれる施設において行なわれる保育で、「一時保育」は主に保育園や認定施設において行なわれる一時的な保育というように区別されます。(一部の幼稚園では一時保育を行なっているところもあります)

また、預かり保育は、利用している園の在園児に限られているのに対し、一時保育では園に在籍していない乳幼児でも預かってもらえるという違いがあります。

保育者においては、保育園に勤務するか、幼稚園に勤務するかでこれらのかかわりが違ってくるということも認識しておく必要があります。

それぞれの違いを確認した後は、実際の「預かり保育」の内容に関してみていきたいと思います。

預かり保育で行なう保育とは?

預かり保育で行なう保育とは

「預かり保育」で行なわれる保育の内容は園により様々で、一概にひとくくりに出来ません。ただしほとんどの幼稚園では、クラス分けをせず各年齢を合同で一斉保育を行っている場合が多いようです。

自由遊びで過ごす方針の園もあれば、英語クラス、ダンスクラスなど特別の時間を設けている園もあります。

先に例としてあげた幼稚園の1日のタイムスケジュールでは、早朝の延長保育の場合は、通常の登園時間に各クラスの子どもが登園してくるまでは園児は合同で遊び、それを早朝当番の保育者たちで見ます。

午後に預かり保育に参加している子どもたちは預かり保育の部屋に移動して迎えが来る時間まで合同で遊びながら過ごします。この時には遅番担当の保育者が子供を見るといった具合です。

預かり保育が利用できる人は、在園児のみ

利用できる人は、在園児のみ

幼稚園での「預かり保育」は誰でも利用できるわけではありません。

利用できるのは在園児のみで、その園を利用していない人は基本預かり保育には参加できません。また預かり保育にも申し込みは必要で、保護者が園に申請をして利用します。

普段は保育施設を利用していない保護者が、急な用事が出来て一日だけ預かってほしい、出産で誰も見る人がいないのでその時期だけ預かってほしいというような場合に利用できるのは、保育所が行っている一時保育になります。

「預かり保育」は、全ての園で実施されているわけではない

全ての園で実施されているわけではない

少し前までは、子どもを夕方まで預かってくれるのは保育園で、幼稚園は午後の早い時間に降園していくというイメージでした。

しかし様々な生活様式の変化や時代の変化とともに大家族は減少し、共働きの核家族が増加してきました。こうした時代の背景をとらえて国は、子育てに関する新制度実施に当たり、共働き家庭の幼稚園利用の希望にも応えられる様に新たな制度を設けました。

国が保育時間の延長に関してまとめた統計では、共働きの家庭では、1日9時間から10時間程度の開所が望まれており通勤時間なども含めると1日11時間程度の開所時間が望まれるという報告書も上がっています。

このような背景から子育て支援の新制度として保育時間の延長いわゆる「預かり保育の実施」が行われるようになりました。

幼稚園はこの新制度に加入することで「施設型給付」を受けることができます。つまり新制度に加入している幼稚園は「必ず」預かり保育を実施しているということになります。

保護者側は事前に申請することにより「預かり保育」が利用できます。この制度、公立の幼稚園については新制度の対象施設となっていますので、100%「預かり保育」が実施されています。反対にその新制度に加入していない幼稚園では預かり保育は実施していないということになります。

私立幼稚園においてはこの新制度に加入するか否かは各園に任されており強制ではないため、預かり保育を行っていない幼稚園もあるということを認識しておきましょう。

まとめ

ここまで、預かり保育とは何かということに関してお話してまいりました。

預かり保育は、幼稚園が既存の開園時間以外で子どもを預かる延長保育のことを指し、預かり保育を利用できるのは在園児のみだということ。また、幼稚園が「預かり保育」を実施するに至ったのには、政府が時代の流れとともに変化した家庭環境にあわせて新制度を導入した、ということがありました。

ここまで、預かり保育に関しての様々な事柄も併せてご理解いただけたのではないでしょうか。