【食物アレルギー】保育士基礎知識|食品リスト25品目と8つの症状

食物アレルギー

アレルギーといわれるものにはいろいろな種類があります。その中で保育の現場でかかわる割合が大きいアレルギー疾患は、「アトピー性皮膚炎」「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」そして「食物アレルギー」になります。

食物アレルギーは、保育士試験でも取り上げられる大切な項目の1つであり、近年特に保育現場において知っておかなければならない重要な項目の1つとして位置付けられています。なぜなら、食物アレルギーの約10%程度がアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があり、とても危険だからです。

子どもの命を預かる観点からも慎重で適切な対応が求められるため、ぜひ知っておいていただきたい知識になります。

目次

食物アレルギーとは特定の食品に含まれる「たんぱく質」が原因

食物アレルギーとは、ある特定の食品に含まれる「たんぱく質」が原因で引き起こされるアレルギー反応のことを指します。本来アレルギー反応とは、体の中を外敵から守るための働きであり体内を正常な状態に保つための反応です。しかし反応しなくてもよい無害なものに対して過剰な免疫(めんえき)反応を起こし、有害だと捉えてしまうことで起こると考えられています。

乳幼児期の食物アレルギーの3大アレルゲンといわれるものは「卵」「牛乳・乳製品」「小麦」になります。これ以外にもアレルギーを引き起こす食品はありますがその原因は「たんぱく質」だということが分かっています。

ただし、乳幼児期の食物アレルギーは子どもの成長とともに改善されることが多いといわれているので個々の子どもに合わせた対応を心がけてあげることが大切になってきます。

食物アレルギーを起こす食品27品目

アレルギーを引き起こすといわれている食品は、現在のところ27品目があります。(この基準は今後も見直しをされていくことになっています)

以下はわかりやすく表にまとめたものになります。

食物アレルギーを起こす食品27品目
卵 乳 小麦小麦
落花生落花生 えびえび そばそば
かにかに いくらいくら キウイフルーツキウイフルーツ
くるみくるみ 大豆大豆 バナナバナナ
やまいもやまいも カシューナッツカシューナッツ 桃
ゴマゴマ さばさば さけさけ
いかいか 鶏肉鶏肉 りんごりんご
まつたけまつたけ あわびあわび オレンジオレンジ
牛肉牛肉 ゼラチンゼラチン 豚肉豚肉

消費者庁食品表示では、過去の発症数などから食物アレルギー症状のおこることがわかっており、加工食品などに表示することが必要と位置づけられている食品として計27品目を提示しています。

とくに発症者数や症状の重症度が高く、表示する必要性の高い食品7品目を「特定原材料」として表示することを義務づけています。そして義務づけてはいないが表示を推奨するものとしてその他20品目を「特定原材料に準ずるもの」としています。

表示されているこれらの食材に関しては、注意が必要です。まさかこの食品の中に・・・というようなものに含まれていたりします。特に市販されている総菜、菓子類、缶詰等を使用する際には、この原材料が含まれていないかチェックが必要です。

特に気をつけたい特定原材料7品

上記27品目食物アレルギーの食品リストの中でも特に注意が必要とされ、表示が義務づけられている「特定原材料の7品目」については以下になります。

卵 乳製品乳製品 小麦小麦 そばそば
卵白に含まれる「オボムコイド」という成分がアレルギーの主原因 生乳はもとより、調整乳、乳製品にも表示義務がつけられている パン・パスタ・うどんなど広く使用されている。乳児期からの早期摂取によるアレルギーが増加している ほんの少しのそば粉でも強いアレルギー反応を起こす場合は離乳食時期から与えない
ピーナッツ(落花生)ピーナッツ(落花生) エビエビ カニカニ
激しいアレルギー反応が起こる場合がある要注意製品 呼吸器系に強いアレルギー反応が起こる場合があり注意が必要 重症の場合は激しいアレルギー反応が出る。触っただけで蕁麻疹が出る場合も

これら7品目のアレルギーを引き起こす食品に関しては、強い症状があらわれる場合があるため特に乳幼児期には注意が必要です。

食物アレルギーによる症状8タイプと注意点

食物アレルギーによってあらわれる主な症状を8タイプを見ていきます。

湿疹 便秘 下痢 じんましん
湿疹 便秘 下痢 じんましん
食べると比較的早い時間で現れるのでわかりやすい 見逃してしまいがちな症状。他の症状と併発することもある 嘔吐と同様消化器系の症状の1つ
下痢と嘔吐は同時に起こる場合もある
湿疹同様に皮膚症状だが痒みが伴う
ショック症状 嘔吐 鼻水 ゼーゼー(呼吸)
ショック症状 嘔吐 鼻水 ゼーゼー(呼吸)
重症だとアナフィラキシーショックを引き起こす場合もある 下痢と同様消化器系の症状
呼吸器系や皮膚症状と併発する場合もある
風邪の流行時期など見逃しがち。他の症状との併発も同時にチェックが必要 喘息のような「ゼーゼー」という呼吸器系の症状。重症だとショック症状を引き起こす

乳幼児期は消化機能が未熟ということもあり、たんぱく質を上手に分解できません。そのため体内では、卵や乳製品を有害なものとして体内から追い出そうとしてさまざまな症状が起こってしまうのです。

よく見られる症状を上げましたが、単体の症状だけでなく「下痢と嘔吐」や「じんましんとゼーゼー」といったように、同時に複数の症状が出る場合もあります。

保育時の注意点

保育時の注意点

出典:「平成30年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書」(消費者庁) (https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/pdf/food_index_8_190531_0002.pdf) (令和2年8月18日に利用)
上記出典内のグラフをを加工して作成

上記は、2019年度の食物アレルギー全国実態調査結果(消費者庁)をもとにグラフに表したものになります。

このグラフからもわかる通り、やはり7大品目である卵・牛乳(乳製品)・小麦によるアレルギーが半分以上をしめています。現在、食物アレルギーの人的エラーを防ぐため各園ではそれぞれ工夫しながら保育を行っています。

保育者だけではなく、食材を扱う調理担当者など園全体で防止策をとることが望ましいとされています。ここでも一例をあげておきます。

  • 材料等の置き場、調理する場所は、紛らわしくないようにする。
  • 食物アレルギーの子どもの食事を調理する担当者を明確にしておく。
  • 材料を入れる容器・食物アレルギーの子どもの食器、また、トイレの色や形も明確にわかるようにする。
  • 除去食・代替食は普通食と形見た目が明らかに違うものにする。
  • 配膳カードを作成し、調理、配膳、食事提供までの間に2重3重のチェック態勢をとる。

園全体で取り組むことが大切で、そのうえで保育士はアレルギーを持っている子どもに最新の注意を払います。

牛乳・乳製品を例にとってみると、おやつなどでよく使われているヤクルトなども乳製品になります。

ふりかけなども卵が使われていることがあり、レトルトの肉団子やハンバーグなどの場合もつなぎに卵が使用されているのもが多く、おせんべいなどの菓子類にも卵が一部使用されている場合があります。

牛乳のアレルギーがひどい子の場合には自分は飲まなくても誰かに牛乳をこぼされて触れてしまう、牛乳パックを触ってしまうなどでも症状が発生してしまうこともあり注意が必要です。

アレルギーを持っている子供にはこのように日常の中に常に原因となるものが多く存在しています。保育者はこれらを常に意識して、どの子どもにどのアレルギーがあるのかを把握しておくことが求められます。

アレルギーを持った子が急患で病院にかかるときなどにも薬や注射の成分に牛乳や卵、ゼラチンなどと同様のアレルゲンが含まれている可能性もあります。保育士はその点でもしっかりと把握し、付き添う場合には医師に事前にきちんと伝えることも大切になってきます。

しかしながら、たんぱく質は子どもの体にとって重要な栄養素でもあります。極端に制限しては成長に悪影響を及ぼすことにもつながります。医師と保育者と保護者との連携で症状が軽い子どもに対しては様子を見ながら少しずつ与えていくこともまた考えていかなければなりません。

まとめ

ここでは近年多く見られる乳幼児の食物アレルギーに関してお話してまいりました。

アレルギーを起こす可能性のある食品は意外にも多くあること、また、細かい注意を払うことの重要性に加え保育士個人だけではなく保育園全体で取り組んでいくことが求められているということもあわせてご理解いただけたのではないでしょうか。