【かんしゃく】は自己主張、保育士が必要なかかわり方と3つの注意点

かんしゃく

かんしゃくとは、子どもが自分の気持ちを表現するときの行動の1つです。

幼児、特に言葉が少しずつ出始めてくる2歳からおおよそ4歳ないし5歳程度までに良くみられる、「泣き叫ぶ」「ものに当たる」などの行動のことを指します。

また自閉症や発達しょうがいの傾向がある「気になる子」と言われる子どもに多い自傷行動などもかんしゃくと呼ばれています。

自分の気持ちを相手に伝える手段として「言葉」という物がありますが、この「言葉」がうまく出てこないため自分の気持ちを相手に伝えられない。
伝わらないもどかしさでイライラする、という「感情」の表れが「かんしゃく」という形となって表れるのです。

保育者として大切なポイントは、このような行動は子どもが成長していく中で、一つの通過点という風にとらえてあげ、見守り、理解してあげることです。

また、保育の現場で良く言われる「気になる子」の中には、このかんしゃくが特に強く表れる子どもがいます。

  • お友達と少し体が触れただけで泣きじゃくる。
  • 気に入らないことがあると物に激しく当たってみたり、オモチャなどをたたきつけたり投げつけるなどの行動をとる。
  • 自分自身の体をたたいてみたり、壁に頭をぶつけたりという自傷行動をとる。

この様な特に強いかんしゃくが表れる子どもには、1:1で保育士と個別での対応が必要になってきます。

しかしそれ以外であれば概ね、言葉で気持ちが伝えられる様になる5歳以降から徐々に子どものかんしゃくという行動は少なくなってきます。

ここでは「かんしゃく」とはどういうことなのかを見ていきたいと思います。

目次

「かんしゃく」とは、どんな時に起こる行動を指すの?

「かんしゃく」とは、どんな時に起こる

保育の現場で良く見かけるかんしゃくには、大きく分けて以下の3つのパターンがみられます。

①思い通りにならない時
②気持ちが伝わらない時
③疲れる、眠くなる、上手にできない時

例えば、「お片付けの時間になったがもっと遊びたいので片付けたくない」「食事に嫌いな食べ物が出てきて食べたくない」等です。

①(思い通りにならない)と②(気持ちが伝えられない)の感情は共通する事が多いです。言葉で気持ちを上手に伝えられないため相手に理解されず、自分の思うとおりに行かないということです。

言葉が出てこない幼児にはよく見られる事例であり、気持ちが表現できる様になれば解決することがほとんどです。

③に関してはお腹がいっぱいになり眠くなってイライラするという生理現象にちかいもの、また同じ作業に飽きて疲れてきてイライラしたとき、ブロックなどでうまく作れずにイライラしたときなどにもかんしゃくを起こします。

この辺りも個人差はありますが幼児によく見られる行動です。イライラして激しく泣いているときは落ち着くまで見守ってあげることが大切です。なぜなら、激しく泣いているとき、子どもは興奮気味なので何を言っても耳に入りません。

放置するのではなくそっと見守ったり、時には抱きしめてあげたりして子どもが落ち着くのを待ちましょう。

その後、タイミングを待ってどうしてそのようになってしまったのか保育士が子どもの「心」を整理し子ども自身に理解させてあげる必要があります。

かんしゃくを起こした子供との関わり①|原因を見極める

原因を見極める

保育士のサポートで大切なことは、子どもがかんしゃくを起こしたときに叱らないことです。

「何か思い通りにならないことがあったのか?」「子どもにとって嫌なことがあったのか?」「それとも眠いのか?」
必ずかんしゃくを起こした原因があるはずですから、それを見極めることが大切になってきます。

かんしゃくは感情表現です。子どもは周りに「こうしたいのだ!」と言葉ではなく行動によって表現しているので、保育士はその気持ちを理解することが必要になってきます。

理解したら次の段階では、どのようにかかわっていくかということが大切になってきます。そのあたりを一緒に考えてみましょう。

かんしゃくを起こした子供との関わり②|気持ちに寄り添う

気持ちに寄り添う

かんしゃくを起こした原因がわかったら、その時の子どもの気持ちに寄り添うことが大切になってきます。

一番は、子どもの気持ちを理解して受け入れてあげることです。遊びたい気持ちからかんしゃくを起こしている場合などは、「もっと遊びたかったね」と言ってまず子どもの心を理解してあげる。でも時間だから片付けないといけないのだと促す。

例えば、片付けないといけないオモチャがボールだった場合、わざとボールを転がし「あれあれ、ボールが転がっちゃった、○○ちゃん拾ってきて」と言って一緒にボールを拾いに行き少し遊んだ後、遊びの延長でボールを籠の中に片付けさせる。

やりがちな行動の1つが「お片付けだから遊んでいてはダメでしょ」と正面から叱ってしまうことです。

少し見方を変えて「叱る」のではなく、「遊びたい」という気持ちを理解しながら、子どもの意識をタイミング良くずらしてあげながら気持ちを変化させる。

子どもに「お片付け」を自然な形で促して「ボールさんバイバイ、また明日ね」などと言いながら「ほら○○ちゃん、上手にお片付けできたね」と言ってお片付けしたことを褒めてあげる。

つまり「お片付けしない」ことを怒られるのではなく「お片付けができた」ことを褒められる状態にしてあげることで、この子どもは「片付けができた」「褒められた」という成功体験を味わうことになり、嫌だった「片付け」も楽しいという気持ちに変化していくのです。

かんしゃくを起こした子供との関わり③|言葉できちんと語りかける

言葉できちんと語りかける

言葉で気持ちを表現できずにイライラしてかんしゃくを起こす場合などは、保育士が子供の心を言葉で語りかける(代弁してあげる)ことがとても大切です。

たとえ、言葉の話せない幼児であっても、その時の気持ちをきちんとした文章で語りかける(代弁する)ことにより、必要な言葉を理解していきます。

友達が使っているオモチャが欲しくてかんしゃくを起こしていたのであれば、「ブロックが使いたかったの?お友達が使っているオモチャが使いたいのなら、○○ちゃんに貸してって言ってみようか」といった具合です。

子どもの気持ちを代弁し、次にどのようにすれば良いのかというルールを話してあげることを繰り返していくうちに、子どもは徐々に「言葉」と「ルール」を覚えていきます。

保育の現場ではこのように常に「どうしたかったのか」そして「その場合はどうすればよいのか」言葉とルールをセットで理解させていくことが大切な仕事の1つとして要求されます。

まとめ

ここまで子どものかんしゃくに関してお話してまいりました。

保育の中で起こる「かんしゃく」には

①思い通りにならない時
②気持ちが伝わらない時
③疲れる、眠くなる、上手にできない時

言葉の発達が未熟で自分の考えを相手に上手に伝えられないために起こることが多く、また疲れたり、眠くなったり等の時にも見受けられるということを例に挙げてお話ししてまいりました。

また、かんしゃくを起こした子どものサポートとして大切なポイント3点も解説しました。

①必ず原因があるのでそれを見極める
②子どもの心を理解し寄り添う
③子どもの心を言葉できちんと代弁し伝える

子どもには個人差があり、かんしゃくの度合いもかなり幅があることをしっかりと理解した上で、個々にあわせた対応をすることが望ましいです。

保育者が日々の生活の中で見えてくる子どもの個性と照らし合わせながら、今回ここにあげたサポート例を保育の取り組みの参考にしてみて下さい。