診療報酬請求事務能力認定試験とは何か? 資格取得のメリットや勉強のコツなどを紹介

更新日:2022年2月21日

ノートと電卓とグラフ

「診療報酬請求事務能力認定試験とは何?」「合格するには何が大切?」などと気になっていませんか。こちらは公益財団法人である日本医療保険事務協会の主催です。要点をしっかりと押さえれば合格の可能性を高められます。

資格取得によって経験者相当の待遇や資格手当などの可能性もあるでしょう。以上から医療業界でのキャリアアップにふさわしいといえます。

今回は診療報酬請求事務能力認定試験に興味がある方のために、資格取得のメリットや勉強のポイントをまとめました。記事を読めば基本的な心がまえができるでしょう。

目次

診療報酬請求事務能力認定試験とは?

診療報酬請求事務能力認定試験は、民間資格のひとつです。医療事務の界隈では有名で、同類の資格試験としてはレベルが高いとされます。まずは概要を見ていきましょう。この章を読めば、基本的なイメージをつかめます。

医療業界における民間試験のひとつ

診療報酬請求事務能力認定試験は、日本保険事務協会が主催している民間資格です。医療事務でのキャリアアップを目指す人にとっては、もっとも高い目標とされます。

今回紹介する資格は、医療事務系の資格としてはハイレベルです。レセプト点検、レセコン入力などの専門業務を視野に入れているのが理由に挙がります。資格取得により対応可能な業務の範囲が広がるので、就職や転職活動では有利に働くでしょう。

合格率の相場は約30%といわれています。試験問題を予測し、要点を抑えれば、決して難しくありません。ただし学科試験では医療保険や医学知識など幅広いジャンルから出るので、バランスのとれた対策がカギになります。

診療報酬の認定試験は、医療事務系資格としてはレベルか高いので、入念な学習計画が重要です。

試験概要

診療報酬請求事務能力認定試験では、受験科目として医科と歯科のどちらかから選びます。資料事務の経験者なら、実際に働いている場所から決めましょう。ちなみに受験科目は医科と歯科ともに同じ日程で開催されます。

試験分野は学科と実技に分かれており、3時間のうちに両方解かなければいけません。学科はいわゆる筆記試験です。実技でやるのは、診療報酬請求事務の実際の対応です。どちらも合格点に満たないと資格を手に入れられません。

筆記試験の対策に力を入れるのが重要ですが、実技対策の時間も作りましょう。1回の試験で筆記だけでなく実技にも答えるという、珍しいタイプの資格試験です。

日本医療保険事務協会の公式サイトでは、学科試験の出題内容が明らかになっています。出題範囲をチェックし、過去問やテキストから要点を押さえましょう。診療報酬の認定試験では、医療事務の専門知識を幅広く問われます。

主な問題

学科試験では医療業界の法律や、事務で必要な知識など幅広く問われます。医科と歯科によって出題内容は変わりますが、本質的に問われる知識は変わりません。

具体的には医療保険や公費負担、診療報酬といった医療事務がかかわりやすい知識が問われます。他にも医療用語や医学といった、業界の基礎知識も学ばなければいけません。さらに医療保険・介護保険といった制度など、法的な知識も問われます。

実技では診療報酬の事務における対応力がカギになります。外来と入院レセプトに分かれているのが特徴です。実技に関してはレセプトをたくさん書き、感覚を養いましょう。このように医療事務に関連するルールや知識を解いていくのが、認定試験の特徴です。

類似資格「医療秘書」との違い

診療報酬請求事務能力認定試験とよく似た資格に「医療秘書」があります。こちらは医療職のアシスタントという意味です。

診療報酬の認定試験は、レセプトの専門家を目指す形です。一方で医療秘書はレセプトに限らず、医療の現場において幅広いサポートを進めます。

たとえば医療機関における電話や来客対応など、コミュニケーションも多くなります。他にも医療従事者のスケジュールを管理したり、情報を伝えたりするなど、仕事の流れをスムーズにする橋渡しにもなるのです。

加えて診断書や紹介状といった書類作成も、医療秘書が担当します。このように医療現場における総合的な対応力を問われます。

診療報酬の認定試験はレセプトのプロに特化しているので、医療秘書より知識や業務の範囲が狭いでしょう。

受験におすすめのタイプ

診療報酬請求事務能力認定試験を知っていても、受けようか迷う方もいるでしょう。この章では同資格に向いている人物像を3つ紹介します。自身がいずれかに当てはまる可能性を確かめてみましょう。

医療事務を目指している方

診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務を目指している方に向いています。合格率が30%なので、未経験としてこれから目指す方にもチャレンジしやすいからです。

資格取得で医療業界に自身を売り込みやすくなります。採用担当者に知識を買われるだけでなく、将来的なキャリアアップにもつながるでしょう。以上から診療報酬の認定試験に合格すれば、人生を切り開くきっかけになります。

資格手当による月収、年収アップも望めます。医療に限らず、多くの業界では有資格者を重視するからです。患者や同業者にとっても、有資格者が資料を作ってくれれば安心できるでしょう。以上から医療事務志望者にとっては、診療報酬請求事務の試験には受かっておきたいところです。

医療事務としてキャリアアップを目指したい方

医療事務の仕事を始めている方でもキャリアアップを目的に資格を目指せます。資格取得により将来的にさらに高度な仕事をまかせてもらえたり、資格手当によって収入が増えたりするからです。

医療事務の経験を生かすことで、 診療報酬請求事務能力認定試験の勉強を進めやすくなるでしょう。現場で学んだ知識のおかげで、要点を押さえやすくなります。スラスラと勉強が進めば、資格取得へのモチベーションも上がるでしょう。

収入面でもメリットがあります。資格手当による年収の増加によって、社会的なステータスの上昇を望めるからです。以上から診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務の経験者におすすめでしょう。

業務範囲を広げたい方

診療報酬請求事務能力認定試験は、業務範囲を広げたい方におすすめです。レセプトの専門知識を学べるのが大きいでしょう。

資格取得により、医療事務としてできることが広がります。とくにレセプト業務をこなすことで、医療機関側から貴重な人材とみなしてもらえるでしょう。専門的な業務に就くことで、使命感を得られるのもポイントです。

レセプト業務ができるようになれば、保険者に診療報酬を請求できるようになります。診療報酬は医療機関側の利益につながるので、大きな使命感を望めるでしょう。このように業務範囲が広がることで、やりがいを見出せます。その第一歩として認定試験への合格は重要です。

診療報酬請求事務能力認定試験が難しい理由

診療報酬請求事務能力認定試験は、医療事務系としてはレベルが高いといえます。レセプト業務をはじめ、専門的な知識を多く問われるからです。資格試験として難しいとされる具体的な理由を、3つに分けて解説します。

医療事務従事者のスキル向上が目的だから

診療報酬請求事務能力認定試験が難しいのは、医療事務で働く人のスキル向上を目指しているからです。試験問題でもレセプトの実技が含まれているなど、専門的な知識を多く求められます。

レセプトは医療事務の仕事として重要度が高いのが特徴です。診療報酬の明細はお金にかかわるので、間違いがあってはいけません。正しい形で診療報酬を求め、医療機関の利益とするには、正確な知識が求められます。

以上から認定試験に合格すれば、専門的な知識がある人材として、医療機関から重要視されるでしょう。未経験で合格すれば即戦力としての活躍も期待されます。認定試験の難易度は高いといえますが、合格によって業務範囲が広くなるでしょう。

出題内容が本格的だから

診療報酬請求事務能力認定試験は、出題内容が本格的とされます。レセプトの実技だけでなく、学科試験で問われる知識も幅広いからです。

試験の合格点として実技試験は高めに設定されています。レセプト業務には正確性が求められるため、正しく知識を使えているかをチェックされるのです。こうした厳格な仕組みが、認定試験の難易度を引き上げているのでしょう。

以上から認定試験では、他の医療事務関連資格よりも細かい知識を求められます。レセプト業務だけでなく医療の基礎知識や関連法など、幅広く勉強しなければなりません。

資格手当の可能性があるから

診療報酬請求事務能力認定試験が難しいとされるのは、資格手当の可能性も関係しています。手当が出るほど重要視される資格として、ハイレベルな知識を求められるのです。

一方で医療事務の初学者でも、認定試験合格により、実務経験者相当のスキルを認めてもらえます。医療現場では即戦力になりますが、そのぶん難しい業務をまかされます。あらゆる仕事をソツなくこなすには専門的な知識が必要なので、資格試験としての難易度が上がるのです。

診療報酬請求事務能力認定試験は民間資格ですが、資格手当の可能性があります。そのぶん複雑な知識を求められるので、難しいと感じる方も多いでしょう。

試験合格に必要なアイテム3つ

試験合格に必要とされるアイテムを3つ紹介します。テキストのような他の資格でも見られるものだけではありません。診療点数早見表や医事関連法の本のように、知識を補強するツールが重要です。勉強の準備としてぜひ用意しておきましょう。

診療点数早見表

診療報酬請求事務能力認定試験を受けるには、診療点数早見表を準備しましょう。診療報酬を求めるうえで重要なデータが揃っているからです。

認定試験で問われる知識の多くも、早見表でチェックできます。とくに実技試験ではレセプトに関する情報を使いこなさなければなりません。練習でレセプトを書くときにも、診療点数早見表が参考になるでしょう。

診療点数早見表は毎年アップデートを受けて刊行されています。常に最新の情報を手に入れられるのがメリットです。医療事務に関係する試験を受けるなら、早めに手に入れておきましょう。

試験対策問題集

他の試験と同じく試験対策問題集は重要です。本番と似た感覚で問題を解いていくことで、知識を定着させやすくなります。正解の背景も知ることで、復習しやすくなったり、要点をつかんだりできるでしょう。

とくに過去問題集を手に入れれば、知識のブラッシュアップが可能です。過去の本番で出された問題が、当時の試験日の構成どおりに出題されます。以上から模試のような感覚で問題を解いていけます。時間配分を覚えたり、知識を定着させたりするのに有用でしょう。

診療報酬請求事務能力認定試験に向けて、知識の補強が欠かせません。問題集は知識を増やすうえで手っ取り早いといえます。

医事関連法の本

診療報酬請求事務能力認定試験に向けて、医事関連法の本も手に入れておきましょう。事務の仕事ではさまざまな法律が絡みます。業務上のトラブルを避けるために、関連法の本での勉強が重要です。

こうした本は、診療点数早見表にはない知識をフォローできます。学科試験でも医療に関係した法律が出題されるのが特徴です。法的な認識で取りこぼさないためにも、医事関連法の本を読んでおきましょう。

医療事務ではさまざまな法律を生かしながら、仕事を進めなければなりません。あやふやな対応をしないためにも、医事関連法の本で自信をつけましょう。

勉強に大切な心がまえ

診療報酬請求事務能力認定試験を受けるにあたり、重要な心がまえを解説します。勉強を始めるときは基礎学習の解説書を使いましょう。他にもスケジュールを決めたり、学習内容を練習問題で生かすなど、さまざまな工夫が重要です。ここでは3つの大切な心がまえをまとめました。

基礎学習の解説書を使おう

診療報酬請求事務能力認定試験の勉強では、基礎学習の解説書から始めましょう。認定試験の参考書もありますが、いきなりそれを使うと難しいといえます。具体的には医療事務の経験がないと、わからない情報が多すぎるのです。

合格のために専門的な知識のマスターは大切ですが、いきなり難しいものを選ぶと挫折します。初学者は基礎知識が多く詰まったテキストを選びましょう。やさしい解説のおかげで、医療事務を知らない人でも理解を進めやすいからです。

基礎知識の徹底が、難しい問題をたくさん解くきっかけになります。そのため医療事務に詳しくない初学者は、基礎学習用の参考書から読んでみてください。

スケジュールを決める

医療事務関連にかぎらず、資格試験の勉強ではスケジュールが重要です。本番までにやるべきことを確認し、すべてが終わるまでにかかる期間を想定しましょう。

診療報酬請求事務能力認定試験は、独学なら400~500時間かかるとされます。実際の業務どおりにレセプトを書く実技の難しさや、医療関連の知識を幅広く問われるからです。400時間なら、1日3時間の勉強で約4~5カ月はかかります。

遅くとも本番の4カ月前から準備を始めましょう。さらに合格だけでなく、定期的な中間目標も決めてください。中間目標に向けて頑張る習慣が続けば、モチベーションが切れる可能性を抑えられるからです。

試験本番だけでなく中間目標を見据えて、時期に応じてやるべきことを実践しましょう。

テキストの学習内容を練習問題に生かす

テキストで学んだ内容は、練習問題に生かしましょう。知識を覚えるだけでなく使うことで、頭の中に定着するからです。一度学んだだけでは知識としてなじみにくいため、テキストや過去問などで問題を解きましょう。

学んだことを生かすには、例題を解いたり、同じ参考書を繰り返したりすることが重要です。例題を解くことによって、ただ知識を詰め込むだけでなく、問題の解き方がわかります。1冊の参考書を繰り返すことで、復習の効果が出て、知識を覚えやすくなるでしょう。

診療報酬請求事務能力認定試験では、実技もあるため、レセプト作成の練習も重ねてください。レセプトでは1問にさまざまな知識を使うからです。練習用のレセプトをたくさん作っておくことで、あらゆる問題に対応できます。

以上からテキストで学びっぱなしにせず、問題を解いてみることで知識の定着を目指しましょう。

診療報酬請求事務能力認定試験の主な対策

診療報酬請求事務能力認定試験の対策を紹介します。医学通信社の公式サイトにガイドラインがあり、出題傾向を見られます。これを確かめながら、要点をつかんでいきましょう。また正誤を見分ける力をつけるなど、認定試験ならではの対策も重要です。

ガイドラインから出題傾向を探る

診療報酬請求事務能力認定試験に臨むなら、まずはガイドラインを見ましょう。

医学通信社の公式サイトでは、ガイドラインの一環として出題傾向が紹介されています。題目別に過去の出題数を確かめられるしくみです。前回の年度や第1回からの合計において出題数が多いほど、重要視できます。

出題数の多いところは、とくに試験で落とせない部分です。他の分野よりも少し集中的に勉強すれば、得点力を高められるでしょう。頻出問題に気を配ることで、本番でわかる問題を増やせます。

診療報酬の認定試験では、ガイドラインから出題傾向を探れます。こちらを参考にしながら、集中して学ぶべきところを見極めましょう。

正誤を見分ける力をつける

学科試験では正誤を見分ける力が重要です。4つの文章の正誤の組み合わせを答えとする問題が多く、選択肢の文章を正確に読み取らなければなりません。選択問題を何問も解くことで、正解を見分ける力を養えます。

試験勉強の段階から、問題文の解釈力を高めましょう。問題から論点を抽出して、正しそうなものには○をつけます。正誤がわからないものには△をつけましょう。△を集中的に検討し、正誤の組み合わせを決めるのが理想です。

認定試験では、選択肢の正誤の組み合わせを選ぶ問題が多数です。知識を正しくつけていれば、正誤がわかりやすくなるでしょう。短時間で多く答えられ、得点力につながります。

参考書持ち込みOKでも油断しない

診療報酬請求事務能力認定試験では、参考書の持ち込みが認められています。しかし持ち込みができるからといって、油断してはいけません。

試験中にわからない問題があれば、参考書やメモなどをチェックできます。しかしまったく勉強しないで臨むと、正解の証拠を探したり、資料を見返したりする回数が多くなるでしょう。問題や解答用紙から目を離す時間が長くなり、タイムロスにつながります。

以上の結果、試験本番では時間切れも考えられます。それを防ぐには、参考書やメモを見ないで答えられる問題を増やすことです。以上から持ち込みOKの試験でも、通常と変わらず対策を徹底しましょう。

実技試験の対策

実技試験の対策も重要です。レセプトの内容を答えるので、さまざまな知識を働かせなければなりません。正確な知識を生かすうえで、入念な対策を進めましょう。

具体的にはたくさんの例題をこなします。過去問や参考書でも、レセプトの実技試験の問題が見られるのです。さまざまな例題を解いていけば、対応力を鍛えられます。感覚が整えば、本番でどのような問題が出てきてもこなせるでしょう。

実技試験では点数表から施設や職員の状況を読み取ったり、カルテの情報からレセプトを作ったりします。情報のミスがあると、医療機関の信頼に影響します。業務での成功を重ねるうえでも、試験勉強の段階から実技のトレーニングを重ねてください。

試験合格者の声を聞いてみる

診療報酬請求事務能力認定試験で正しい準備を進めるには、合格者の声も聞いてみましょう。医学通信社の公式サイトで、試験合格者の口コミがあるからです。合格に向けてやったことや、本番への臨み方など、参考になるものを見られます。

試験合格者の実体験は重要な情報です。試験勉強中の生活や学習時の心がけ、本場でミスをしないための注意点などを学べます。できれば複数人の口コミを読みましょう。そこから自身でもマネできると思ったことを実践してください。

試験合格者のコメントは、これから本番に臨む方々の励みになります。資格を求める人の生き方として参考になるでしょう。

法改正への対応に注意

診療報酬請求事務能力認定試験では、法改正に関連した問題も登場します。医療や保険関係の法律が改正されると、ルール変更への理解力が受験者に求められるでしょう。改正前後のどちらのタイミングで勉強するかでも、対応方法が異なります。法改正への対応方法をまとめました。

法改正前に学習を始める場合

法改正対象の分野を、ルールが変わる前に学習する場合は、点数改正の情報をリアルタイムで得られます。ひとつの分野において、1年の間に変わるルールより変わらないものが多いからです。

しかし関連法の改正によって、学習済みの知識の一部を修正しなければなりません。この手間がデメリットになります。本番までに法改正に気づかないリスクもあるので、定期的な情報チェックが重要です。

法改正対象の分野をルール変更前に勉強していた場合は、改正しないぶんの知識定着はそのままにできます。改正部分があれば、特別なメモにまとめて定期的に見返しましょう。

法改正後に学習を始める場合

まだ勉強していない部分が法改正された場合は、知識の修正を要しません。診療報酬にしても新しい点数に従って学習できます。

新点数対応のテキストを使っていれば、知識修正がいらないのでアドバンテージになるでしょう。ただし法改正を待って勉強しないと、本番までに要点を学ぶタイミングを逃すでしょう。

法改正を前提に入れないで最初にスケジュールを決めるのがおすすめです。勉強前の科目が改正されることで、知識修正がなくて幸運と思うぐらいがちょうどよいでしょう。

診療報酬請求事務能力認定試験合格のメリット

診療報酬請求事務能力認定試験に合格すれば、さまざまなメリットをもらえます。正社員なら資格手当をもらえたり、優遇条件に当てはまったりするチャンスです。レセプト入力を中心に、幅広い業務で役に立つでしょう。ここでは3つに分けてメリットを解説します。

正社員なら資格手当をもらえる

正社員で医療事務に従事していれば、資格手当をもらえます。診療報酬に関する認定試験合格には専門的な知識を要するからです。合格によって実務経験がある人並みの知識を認められ、報酬アップにつながるでしょう。

資格手当による収入は、生活面でもメリットになります。収入増加分は自分へのごほうびに使ったり、少しだけ生活水準を上げたりできるからです。以上を考えても資格手当というメリットは大きいでしょう。

優遇条件に当てはまることも

診療報酬請求事務能力認定試験に合格することで、医療機関にとっての優遇条件に当てはまる可能性があります。具体的には未経験者でも、経験者と同格に扱われるかもしれません。いきなり幅広い業務を任されることになりますが、やりがいを感じられるでしょう。

以上から資格取得により、医療事務としての就職・転職市場で有利になります。資格をアピールできるだけでなく、合格に向けた勉強を粘り強く通した経験を評価されるかもしれません。資格取得による優遇条件への該当は、社会的なステータスを認められることになります。

レセプト点検やレセコン入力に役立つ

診療報酬請求事務能力認定試験への合格は、複雑な業務に役立ちます。具体的にはレセプト点検やレセプトコンピューターの操作に、勉強で積み重ねた知識を生かせるでしょう。これらの業務は重要度が高いといえますが、勉強の経験によってスムーズにこなせます。

医療事務の実務でスムーズに動ける場面が多くなれば、現場でできる人と評価されるでしょう。診療報酬の請求によって外部とのコミュニケーションも多くなり、社会的な使命感も感じられます。

幅広い仕事を進めてやりがいを感じたいなら、診療報酬請求に関する試験への合格を目指しましょう。

パートやアルバイトでは少しの時給アップだけ

診療報酬請求事務能力認定試験に合格しても、パートやアルバイトでは時給が少し上がる程度です。上昇相場は約30円にとどまるので、アドバンテージを感じにくいでしょう。

これでは収入が上がったと実感しづらいといえます。資格取得後は正社員を目指すのがセオリーです。正社員なら月に約5000円~1万円の手当が出ます。社会的な立場の違いは大きいでしょう。

診療報酬請求事務能力認定試験の合格後の有力な就職先

診療報酬請求事務能力認定試験に合格したあとは、就職先を探すことも重要です。ここでは資格を生かしやすい就職先の代表例を紹介します。医療機関だけでなく、レセプト点検に関係する機関もあるので、この記事で視野を広げましょう。

医療機関

医療事務の多くは、医療機関に勤めます。病院やクリニックなど、医療行為のある場所ならどこでもレセプトの知識が通用するでしょう。医療機関で資格をアピールすれば、貴重な人材と認めてもらえる可能性があります。

とくに医事課に入れば、レセプト担当が重要です。診療報酬請求をはじめ、業務上のデータを整えることで、組織全体の役に立つでしょう。医療事務関連の資格を持っていれば、即戦力として幅広い業務をまかせてもらえます。

レセプト審査機関や二次点検機関

レセプト審査機関や二次点検機関でも、診療報酬請求事務能力認定試験の合格歴が役に立ちます。国保や社保のように、レセプト点検を担う会社が、有資格者を求めるからです。こうした組織を就職先とすれば、即戦力と見てもらえるでしょう。

国保や社保などはレセプトチェックによって医療機関と提携しています。複数の医療機関とのコミュニケーションによって、やりがいを感じられるでしょう。資格試験の知識を生かすことで、医療業界を支えられるのです。

まとめ

診療報酬請求事務能力検定試験は民間資格ですが、取得により社会的ステータスの上昇を望めます。レセプト関連の業務に精通できるので、実務で役に立ちやすいでしょう。

勉強のポイントは、学科試験での文章の正誤を見分ける力です。加えて実技試験でのレセプトの問題処理能力を鍛えましょう。どちらもバランスよく学ぶことで、合格に近づけます。

医学通信社では診療報酬に関する認定試験のガイドラインで、頻出問題をチェックできます。こちらをきっかけに要点を見分け、得点力を上げましょう。

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