電子レセプト請求とは?

医療機関では毎月、医療費を請求するためにレセプトを審査支払機関へ提出しています。レセプトが提出されると、審査支払機関にてレセプト内容の審査を受けたのち審査支払機関から医療機関に医療費が支払われます。このように「医療機関が審査支払機関に医療費を請求する」ことは、診療報酬請求とよばれ、医療事務が行う業務の重要なもののひとつとなっています。
この診療報酬請求において、レセプトの電算化が原則すべての医療機関で義務になりました。義務化により電子レセプト請求は一般的なものとなりましたが、マニュアル通りに電子レセプト請求の操作はできるけれど、意外と電子レセプト請求について詳しく知らない、という人もいるでしょう。
そこで本コラムでは、電子レセプト請求について解説しています。請求方法の違いや電子レセプト請求によるメリット、さらには電子レセプト請求の返戻があった場合の再提出の方法も解説しましたので、ぜひ参考にしてください。
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電子レセプト請求とは
ここでは電子レセプト請求とは、どのような請求なのかを説明します。まずは、電子レセプトについて見ておきましょう。
そもそも電子レセプトとは
電子レセプトとは、厚生労働省によって定められた規格・記録条件仕様に基づいて「レセプト電算処理マスターコード」を使用してテキストで電子的に記録されたレセプトのことです。
原則、すべての医療機関において電算化が義務になっており、レセプト電算処理システムの構築により、ほとんどの医療機関が電子レセプトでの請求をおこなっています。社会保険診療報酬支払基金によると、今では紙レセプトでの提出は数パーセントほどになっているようです。
電子レセプト請求の方法
電子レセプトでの請求の方法としては、電子媒体(CDやFD)やオンラインがあります。
電子媒体での請求をする場合には、CDやFDなどの電子媒体にレセプトデータを記録して、審査支払機関に持参したり郵送したりして提出します。ちなみにレセプトデータのCDやFDなどの電子媒体への記録は、レセコンから簡単にできるようになっています。
オンラインでの請求の場合は、安全なネットワークに接続してレセプトデータを送信することで提出できるようになっています。レセコンや電子カルテシステムが入っているパソコンを使う医療機関もあれば、別のパソコンでおこなう医療機関もあり、最初に通信回線の手続きや通信機器などとの設定をしておくことで可能となります。(オンライン請求については別コラムにて詳しく解説します。)
電子レセプト請求をおこなう医療機関のメリット
電子レセプト請求をおこなうメリットは、医療機関や医療事務にとって非常に大きいものです。具体的なメリットをいくつか挙げますので、見てみましょう。
- 患者情報や診療内容といったレセプトデータの内容を提出前に機械的にチェックでき、記載漏れや入力ミスを減少。より正確なレセプトに。
- レセプトの印刷や「編綴」の手間がかかる紙レセプトに対して、電子レセプトなら手作業の手間や所要時間を大幅に軽減できる。医療事務の業務効率化に。
- 提出用の用紙やインクが不要になるため、経費削減に。
- 用紙やインクの在庫管理の手間の軽減に。
電子レセプト請求をおこなうことで、時間的にも労力的にも経済的にもメリットがあることがわかります。上記で述べたメリット以外にも、電子レセプト請求をおこなうことによる医療機関や医療事務にとってのメリットはたくさんあるでしょう。
電子レセプト請求をした場合、返戻は?再提出の方法は?
最後に、電子媒体やオンラインでの電子レセプト請求をした場合、返戻レセプトはどうなるのかも見てみましょう。加えて再提出の方法についても解説します。
基本的には電子レセプト請求をおこなっても、紙で返戻レセプトが郵送されてくる形となっています。またオンライン請求の場合は、紙レセプトが郵送されてきますが、返戻レセプトのデータのダウンロードも可能です。
返戻された紙レセプトは、手書きで修正を加えて郵送で再提出します。郵送で再提出するときも、社保と国保に分けてそれぞれに送る必要があります。さらにオンライン請求の場合は、紙レセプトの返送はもちろん、社保に限ってはオンラインで返戻レセプトを提出することが可能となっています。(国保は紙レセプトの返送のみです。)