後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは?先発医薬品との違いや処方のメリットについても解説

後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは?先発医薬品との違いや処方のメリットについても解説

後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは?

本コラムでは、後発医薬品あるいはジェネリック医薬品とも呼ばれる低価格の薬について解説します。後発医薬品を処方するメリットや、後発医薬品の処方を推進する背景についても説明します。

後発医薬品の処方に関連して、診療報酬請求事務にも関わる算定項目があるため、本コラムを読んで後発医薬品について正しく理解しておきましょう。

目次

そもそも後発医薬品とは?

後発医薬品とは、先発医薬品の特許が切れた後に発売された医薬品のことです。

医療事務の仕事をする中で、後発医薬品については患者から聞かれることもあるので、後発医薬品について詳しく解説します。先発医薬品との違いについても触れていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは?

そもそも医療用医薬品は、先発医薬品と後発医薬品とに分かれており、後発医薬品とは先発医薬品の特許が切れた後に発売された医薬品のことを指しています。欧米ではgeneric name(一般名)で処方されることが多いためジェネリック医薬品とも呼ばれることが多く、こちらの呼び方を聞いたことがある人も多いでしょう。

ちなみに後発医薬品の薬剤名称は、販売名に統一の名称に続けて「会社名」となっています。医療事務として働く場合、初診の患者に対して「後発医薬品を希望するかどうか」を質問することが多いです。患者から「後発医薬品ってなに?」と聞かれた時のためにも、知っておくべき事柄です。

先発医薬品との違い

後発医薬品と先発医薬品にはなにか違いはあるのでしょうか?

後発医薬品に含まれている有効成分や効果効能、用法用量は先発医薬品と原則同一です。先発医薬品と同等の効き目があるか様々な試験をパスし、厚生労働省の認可を受けて製造されています。

薬によっては、新しい技術により味や飲みやすさが改善されていることもあり、さらには飲み間違いを防ぐ工夫がされたものも多くなってきています。価格は、先発医薬品よりも後発医薬品のほうが安いです。

後発医薬品を処方するメリット

後発医薬品を処方するメリットには、先発医薬品よりも低価格で金銭的負担が軽減されることが挙げられます。

高血圧の患者に処方される薬剤を例に、先発医薬品と後発医薬品とで薬価を比較します。それぞれの薬価を見てみましょう。

先発医薬品 ノルバスク錠10mg
薬価61.30円
後発医薬品 アムロジピン錠10mg「NP」
薬価26.30円

(薬価は2020年3月時点 薬価改定で変わることがあります)

薬価は1錠あたりで、差額は35円、後発医薬品は先発医薬品の半額以下になっています。とくに高血圧の薬のように毎日服用する薬なら、1ヶ月換算すると差額がより大きいものであると実感できるでしょう。

先ほども説明したように、後発医薬品は先発医薬品と同じ効き目です。同じ効き目にも関わらず、先発医薬品よりも後発医薬品のほうが低価格であるため、患者は支払う負担金が軽減されるという大きなメリットを享受することができるのです。

後発医薬品が安い理由

ここまでみてきたように、先発医薬品に比べて後発医薬品のほうが安いです。しかし安いからと言って、品質が劣るわけではありません。では、後発医薬品のほうが安いのにはどのような理由があるのでしょうか。

後発医薬品の開発には、新薬(先発医薬品)の開発よりも短い期間ででき、費用も少なく済みます。そのため、後発医薬品は先発医薬品よりも安いのです。

新薬(先発医薬品)の開発には、およそ9~17年もの歳月と、数百億円~数千億円もの投資が必要とされているといわれています。また後発医薬品の開発には、数億円程度かかるといわれていますので、先発医薬品には莫大なコストがかかっていることとわかるでしょう。

後発医薬品の処方推進

厚生労働省によると後発医薬品の使用割合は65.8%(2017年9月)となっており、2020年9月までに80%を目指しています。

国は後発医薬品の処方を推進している理由や背景、そしてその現実についても見てみましょう。

後発医薬品の処方推進の理由は国の医療費削減

国が後発医薬品の処方を推進しているのは、国の医療費削減が目的です。後発医薬品の使用は、患者の窓口負担額の軽減のみならず、国の負担する医療費も削減することができるのです。

高齢社会である日本では、年々医療費が増加しており、国が負担しています。世界でも優れた日本の皆保険制度を維持していくためには、低価格の後発医薬品への切り替えが医療費削減のためには必要不可欠なのです。

先発医薬品を指定して処方することも

後発医薬品の処方が推進される中、現実として先発医薬品を指定して処方することも少なくありません。最終的な処方内容の判断は、もちろん医師が行いますが、患者が強く希望した場合には、先発医薬品を処方することもあります。

原則として、後発医薬品に含まれている有効成分や効果効能、用法用量は先発医薬品と同一ですが、「安い薬は効かないのでは?」と後発医薬品の効き目への不安などが主な理由となっているようです。これは後発医薬品の推進における問題点となっています。そのため、患者への後発医薬品についての説明をしっかりしていくことが大事です。

医療事務が知っておくべき一般名処方加算

後発医薬品の処方に関して、医療事務が知っておくべき一般名処方加算についても少しみてみましょう。

後発医薬品がある医薬品について、処方せんに成分名で処方されたものが含まれる場合、処方せん料に加えて算定できる項目があります。それが一般名処方加算です。

後発医薬品の処方を進めるため2012年に新設され、現在は一般名処方加算1と一般名処方加算2があります。一般名処方加算は、厚生労働省から出された一般名処方マスタをもとにしてレセコンや電子カルテ上で自動的に算定されることが多いですが、それぞれの算定要件も詳しく把握しておきたいですね。

まとめ

後発医薬品とは先発医薬品の特許が切れた後に発売された医薬品のことで、ジェネリック医薬品とも呼ばれ、低価格であることがメリットの薬です。

新薬(先発医薬品)の開発よりも短い期間ででき、費用も少なく済む後発医薬品は、患者の金銭的負担の軽減だけではなく、国の医療費削減にも役立っています。

先発医薬品を指定して処方することも少なくないため、医師や薬剤師からの説明はもちろんですが、医療事務として正しく患者に案内できるよう後発医薬品については詳しく知っておく必要があります。

また後発医薬品の処方に関連して、一般名処方加算という項目で診療報酬請求事務にも深く関わるため、後発医薬品についての正しい知識を得ておくのが望ましいでしょう。