レセプトのオンライン請求とは?メリットや手続き・操作手順を解説|わかりやすく医療事務解説

オンライン請求とは

医療機関は、毎月の医療費を請求するためにレセプトを作成し、審査支払機関に提出しています。そして審査支払機関によるレセプトの審査を経て、ようやく医療費の支払いがなされます。このような医療費の支払いを請求することを診療報酬請求といい、医療事務の業務として非常に重要なものです。

この診療報酬請求について、昔からの紙レセプトでの請求から、電算化が義務となり現在は電子レセプト請求が一般化しました。特に最近では、CDなどの電子媒体での請求から、オンライン請求に切り替える医療機関も増えています。

目次

オンライン請求とは?

オンライン請求とは、保険医療機関と審査支払機関、審査支払機関と保険者など安全なネットワーク回線でつなぎ、診療データを受け渡す仕組みを利用した請求方法です。

毎月、医療機関は医療費を請求するために作成したレセプトを審査支払機関に提出していて、これを診療報酬請求といいます。この診療報酬請求について、レセプトのやり取りはこれまで紙媒体やCDなどの電子媒体を利用した電子レセプト請求をおこなっていましたが、加えて、ネットを使ってレセプトデータの授受ができるようになりました。このネットを使ってレセプト請求することをオンライン請求といいます。

社会保険診療報酬支払基金のデータによると、オンライン請求を利用する医療機関は全体の7割程度まで増えています。(2020年3月処理分)

参考:社会保険診療報酬支払基金「オンラインによる請求への移行のご案内ー電子媒体で請求されている保険医療機関及び保険薬局の皆さまへー」

医療機関にとってオンライン請求をおこなうメリットとは?

医療機関にとってオンライン請求をおこなうメリットについて見てみましょう。オンライン請求をおこなうことにより、

  • 紙レセの印刷・CDなどの電子媒体が不要で郵送の手配の手間やコストカットに
  • レセプト提出する前のエラーチェックで返戻を減らせる
  • レセプト請求の受付時間の延長(毎月5~7日8~21時/8~10日8~24時)
  • 紙・電子レセプト郵送時の破損・紛失の恐れがない

など、紙レセプトや電子媒体による請求をするよりも多くのメリットがあります。紙レセプトや電子媒体での請求をする場合、用紙やCDの在庫管理が必要になったり、梱包~発送の手間もかかったりとコストがかさみますが、オンライン請求ではそのコストを省くことができます。

また後ほど説明しますが、オンライン請求では提出する際のエラーチェック機能により、レセプトデータの確認・修正が可能となり、返戻レセプトをいくらか減らすことができます。

さらにレセプトを送信できるのは、毎月5~7日は8~21時、8~10日までは8~24時で、10日が土日祝日でも関係ありません。紙レセプトや電子媒体を郵送して請求するよりも、オンラインで請求するほうが受付時間に余裕があるうえ、郵送中の破損・紛失など事故の恐れを避け安全に請求できるのです。

電子レセプト請求のコラムで挙げたメリットと被る部分もありますが、受付時間延長や郵送時の事故のリスクについてみるとオンライン請求のメリットは大きいことがわかるでしょう。

オンライン請求の方法

オンライン請求を開始するための手続き、さらにオンライン請求するときの流れや手順等を解説します。

オンライン請求を開始するには?手続きや電子証明書について

オンライン請求を開始するためには、まずオンライン請求に対応したレセコンやオンライン請求用のパソコンを準備し、ネットワーク回線の手続きをおこないます。

そして、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に以下の届出書類を提出することが必要です。

  • 「電子情報処理組織の使用による費用の請求に関する届出」(支払基金と国保連合会)
  • 「電子証明書(発行・失効)依頼書 」(支払基金のみ)

届出書類の提出後、送られてくる設定ツールや電子証明書などを用いて、レセコンやオンライン請求用のパソコンに設定作業等を行い、オンライン請求システムに繋がるか動作確認します。使用するレセコンや電子カルテの業者によっては、この設定作業などをやってくれることもあります。

ちなみに上記の「電子証明書(発行・失効)依頼書 」により電子証明書を取得しますが、この電子証明書については3年ごとの更新が必要です。

オンライン請求までのレセプト作成の流れ

オンライン請求の手順に入るまでのレセプト作成の流れについて簡単にみておきましょう。といっても、基本的な流れは他の請求方法と変わりません。

日々の診療入力 ⇒ レセコンでレセプトデータ作成 ⇒ 点検・修正 ⇒ 医師に確認

オンライン請求をするにしても、紙レセプト請求やCDなどの電子媒体による電子レセプト請求をするにしても、日々の診療入力やレセプトデータの作成など請求の操作までにやることは同じです。

詳しくは「レセプト」のコラムをぜひ参照してください。

オンライン請求の手順

ここでは作成したレセプトデータをいよいよ送る、オンライン請求の手順を簡単に解説します。

流れとしては、下記の通りです。

  1. ネットワークに接続
  2. 社保か国保か選択
  3. オンライン請求システムにログイン
  4. データの送信
  5. 受付・事務点検ASPでエラーがあれば修正・再送信
  6. データの請求確定
  7. ログアウト
  8. ネットワーク切断

ネットワークに接続後の操作画面は、とくに難しくないので、慣れれば誰でも操作可能です。

データの送信をして、受付・事務点検ASPでエラーがあった場合には修正と再送信を繰り返し、エラー件数をなくしてから、データの請求確定に進みます。(エラーの内容によってはエラーを残したまま請求確定に進むことも。)これで、基本的なオンライン請求の操作は完了となります。

オンライン請求ではエラーチェックが可能!受付・事務点検ASPとは

オンライン請求の手順のなかで、出てくる受付・事務点検ASPについても解説します。受付・事務点検ASPとは、審査支払機関の事務点検プログラムを利用して、レセプトデータの提出前のチェックができる機能のことです。

患者氏名や保険情報などの事務的な誤りなどをチェックしてくれ、返戻の減少にも寄与する大変便利な機能です。

レセプトデータ送信時に、「ASPあり」か「ASPなし」を選択でき、ASPありでエラーが出た場合には、該当箇所を訂正して再度送信するという流れになります。

オンライン請求をした場合の返戻は?再提出の方法は?

オンライン請求でレセプトを提出した場合、返戻レセプトの対応や再提出はどのような方法になるのでしょうか。

オンライン請求システムにて返戻ファイルCSV形式でダウンロードできます。ダウンロードしたレセプトデータに修正・加筆したら、オンラインで返戻レセプトの提出も可能です。(現在は社保のみ)

基本的にはオンライン請求していても紙レセプトで返戻されますので、手書きで修正を加えてから、郵送で再提出することができます。もしも返戻レセプトをオンラインと紙の両方で再提出してしまった場合は重複請求となりますので、注意してください。

まとめ

医療機関が毎月必ずおこなう診療報酬請求では、紙レセプトから、電算化が義務となり現在はCDなどの電子媒体による電子レセプト請求が一般化しました。最近では、CDなどの電子媒体での請求から、オンライン請求に切り替える医療機関も増えています。

とくに新規開業する診療所では、当たり前のようにオンライン請求が導入されています。これから医療事務として仕事をしようと考えている人であれば、オンライン請求については事前に知っておいて損はありません。

医療機関にとって、紙レセプトや電子媒体による請求よりオンライン請求をおこなうメリットは大変大きいですから、本コラムで解説したオンライン請求するときの手続きや流れ、手順等もぜひ参考にしてください。

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