診療報酬請求事務能力認定試験とはどんな試験?試験の合格ラインは?

診療報酬請求事務能力認定試験とはどんな試験?試験の合格ラインは?

「診療報酬請求事務能力認定」試験の受験を検討している方の中には、「試験の難易度はどのくらいなの?」「どういう問題が出題されるの?」「教材は何を用意すればいい?」と、お悩みの方もいるのではないでしょうか。特に社会人や主婦の方は、仕事や家事との両立も気になるところかと思います。

そこで今回は、診療報酬請求事務能力認定試験の試験勉強を始める前に、知っておきたいポイントをご紹介します。試験内容、合格ライン、難易度、必要なテキスト・問題集、直近の過去問など、効率的に勉強したいあなたに役立つ情報をお届けします。

目次

診療報酬請求事務能力認定試験とはどんな試験?

診療報酬請求事務能力認定試験は、数ある医療事務の資格の中で、最も医療機関からの評価が高い試験です。医療事務の花形ともいわれる、レセプト作成・点検をメインに出題されます。

「医診療報酬請求事務能力認定」の試験情報
受験資格 年齢、学歴、国籍等に関係なく誰でも受験できます
試験日 年2回(7月、12月)の日曜日または祝日
試験地 札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、東京都、横浜市、新潟市、金沢市、静岡市、名古屋市、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡市、熊本市、那覇市
受験料 【医科】【歯科】ともに9,000円(税込)
※2018年12月試験から、受験料が9,000円に値上げされました
受験科目 医科・歯科に分かれ、それぞれ学科・実技を実施
試験時間 3時間
試験内容 【学科】(5者択一、20問)
  1. 医療保険制度等・公費負担医療制度の概要
  2. 保険医療機関等・療養担当規則等の基礎知識
  3. 診療報酬等・薬価基準・材料価格基準の基礎知識
  4. 医療用語及び医学・薬学の基礎知識
  5. 医療関係法規の基礎知識
  6. 介護保険制度の概要
【実技】(診療報酬請求事務の実技)
  1. 外来1枚
  2. 入院1枚
※診療報酬点数表、その他の資料の持ち込みは自由
合格率 医科:30.1%、歯科:38.3%
合格ライン(第48回) 医科
学科:75点以上(100点満点)
実技:85点以上(100点満点)

歯科
学科:80点以上(100点満点)
実技:80点以上(100点満点)

※試験回によって若干の変動あり
申込期間 試験案内・願書用紙の受付けは、試験日の3.5カ月前
受験手数料及び願書の受付期間は、試験日の2.5カ月~1.5カ月前
試験結果の発表 試験月の翌々月末までに、全受験者に文書で通知
申込方法 「郵送申込」「インターネット申込」から選べる
公式サイト 「日本医療保険事務協会」

出典:「日本医療保険事務協会」

診療報酬請求事務能力認定試験の合格率・合格ライン・難易度は?

医療報酬請求事務能力認定試験の合格率は?

診療報酬請求事務能力認定試験の合格率は約30%。ほかの医療事務の資格は合格率が60~70%なので、かなり難しい試験と考えてよいでしょう。第40回以降の合格率は以下のようになっています。

受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
医科 歯科 医科 歯科 医科 歯科
第40回 5,665 72 5,737 1,670 26 1,696 29.5 36.1 29.6
第41回 8,130 143 8,273 2,608 51 2,659 32.1 35.7 32.1
第42回 5,529 66 5,595 1,845 23 1,868 33.4 34.8 33.4
第43回 8,038 143 8,181 3,107 49 3,156 38.7 34.3 38.6
第44回 4,581 82 4,663 1,339 28 1,367 29.2 34.1 29.3
第45回 7,232 123 7,355 2,840 42 2,882 39.3 34.1 39.2
第46回 4,688 70 4,758 1,479 25 1,504 31.5 35.7 31.6
第47回 7,019 95 7,114 2,152 36 2,188 30.7 37.9 30.8
第48回 3,894 53 3,947 1,618 19 1,637 41.6 35.8 41.5
合計 374,180 9,913 384,093 112,446 3,794 116,240 30.1 38.3 30.3

診療報酬請求事務能力認定試験の合格ラインは?

診療報酬請求事務能力認定試験の合格ラインは、試験回の平均点によって変動します。 医科は「学科」が70点前後(100点満点)、「実技」が80点前後(100点満点)となっています。

診療報酬請求事務能力認定試験の難易度は?

診療報酬請求事務能力認定試験は、算定方法について診療報酬点数表全般からまんべんなく出題されるため難易度は「高め」です。 そのため医療機関からの評価はとても高く、「就職・転職に有利な資格」といわれています。

診療報酬請求事務能力認定試験に出る問題を過去問でチェック!

診療報酬請求事務能力認定試験では、以下のような問題が出題されます。

学科問題

1. 難易度:A 時間の目安:10秒 出題年H28夏
特定疾患療養管理料は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病とする患 者について、プライマリケア機能を担う地域のかかりつけ医師が計画的に療養上の管理を 行うことを評価したものであり、許可病床数が 200 床以上の病院においては算定できない。
答え:× 
解説:許可病床数が200床以上の病院では算定できません。

2. 難易度:A 時間の目安:10秒 出題年H29冬
往診を求められて患家へ赴いたが、既に他医に受診していたため、診察を行わないで帰った場合の往診料は、療養の給付の対象として扱うことができる。
答え:×
解説:この場合往診量は保険請求できないため、費用は患者負担となります。

3. 難易度:A 時間の目安:10秒 出題年H29冬
検査料について、2回目以降は所定点数の100分の90に相当する点数により算定することとされている場合における「所定点数」とは、当該項目に揚げられている点数及び当該注に揚げられている加算点数を合算した点数である。
答え:〇
解説:診療点数早見表 検査料の一般事項

実技試験

診療報酬請求事務能力認定の出題傾向を教えて!?

学科試験は、過去の試験問題から分析すると、医療保険制度・療養担当規制・基本診療料が大部分を占めています。

なかでも1回の試験で3~4問は出ている医療保険制度は、全体の概要をしっかりと理解しておくことが重要です。試験当日は、参考書などを会場に持ち込むことができますが、ある程度の知識はつけておくようにしましょう。

実技試験では、外来カルテ症例問題が少しずつ難しくなっています。傾向としては41~43回が病院、38~40・42・44~47回は診療所の症例が出題されています。外来レセプトも入院レセプトも、過去問をできるだけ多くこなし、時間配分や解答のコツを身につけておくことが大切です。

診療報酬請求事務能力認定試験、勉強に必要な教材は?

診療報酬請求事務能力認定の試験勉強に必要な教材は、テキスト・過去問題集・診療点数早見表の3点です。

もし、テキストを読んでいて専門用語がよくわからない場合は、医療事務の用語辞典も1冊用意しておくとよいでしょう。最近は、インターネットでわからない用語をすぐに調べることができますが、ネット上には正しい情報と誤った情報が入り混じっています。その点、用語辞典はわからない言葉と遭遇したときに、さっと正しい意味が確認でき、就職・転職したあとも役立つのでとても便利です。

診療報酬請求事務能力認定試験、合格に必要な勉強時間は?

医療事務未経験の人が1日1時間勉強したとすると、独学であれば6カ月~1年(400~500時間)、通学や通信教育であれば3~4カ月(200~250時間)程度かかるといわれています。

もちろん、勉強の進め方によって個人差が出るので、これはあくまでも平均的な数字です。あなたに合った勉強法を選び、勉強時間を短縮していきましょう。

どんな勉強法(独学・通信講座)があるの?

診療報酬請求事務能力認定試験に合格するためには、まず自分に合った勉強法を決めなければいけません。

これは、目的地に「歩いて行くか」「電車で行くか」「自家用車で行くか」を決めることと似ています。選ぶ手段によってかかる時間も労力も変わってくるので、自分にどの勉強法が向いているかを慎重に考えていきましょう。

ちなみに、試験の勉強法には「独学・通学講座・通信講座」の3タイプがあります。

ただ、全国的に見ると診療報酬請求事務能力認定の通学講座は少ないので、ここでは独学と通信講座の2タイプについてご紹介します。

診療報酬請求事務能力認定試験に「独学」で合格する!

独学は、自分のペースで経済的に学習ができる勉強法です。

テキスト・問題集を購入し、勉強計画を立て勉強を進めていきます。費用は教材費だけなので、通信講座と比べて格段に安く5,000~8,000円程度。ただ、医療事務は専門性の高い分野のため、未経験から合格を目指す方にとっては、長くつらい道のりになりそうです。

一方、医療事務の知識がある方にとっては、自由度が高くお財布にもうれしい魅力的な勉強法といえるでしょう。

独学のメリット 独学のデメリット
  • 自分のペースで試験勉強ができる。
  • 費用が安い。
  • 専門的な内容のため、医療事務未経験者は理解しづらい。
  • 挫折しやすい。
  • わからなくても質問ができない

診療報酬請求事務能力認定試験に「通信講座」で合格する!

通信講座は、自分のペースでいつでもどこでも試験勉強ができる勉強法です。

最近は、テキスト・DVD講義・eラーニングなどの教材が充実し、「勉強しやすく続けやすい通信講座」が増えています。通信講座に向いているタイプは、「仕事と家事をこなしながら、効率よく勉強したい」という方です。価格は、5~8万円。最近は、メールやSNSを使ったサポートも充実しているため、これまで通信講座の欠点だった「すぐに疑問点を解決できない」という問題も解消されてきました。

通信講座のメリット 通信講座のデメリット
  • いつでもどこでも受験勉強ができる。
  • テキスト・CD・DVD・eラーニングなど、自分に合ったコースが選べる。
  • メールや電話による質問受付、添削などのサポートが受けられる。
  • やり遂げる意思の強さが求められる。
  • 独学よりは費用がかかる。

まとめ

今回は、医療事務の最高峰資格「診療報酬請求事務能力認定」試験を受験する前に知っておきたい、試験内容・合格ライン・難易度・勉強時間などのポイントをご紹介しました。

診療報酬請求事務能力認定は、合格率30%と難易度の高い試験ですが、実務未経験者の就職に有利な資格として知られています。資格は、自分の市場価値を向上させる有力なツールです。現在、医療事務への就職・転職を検討している方は、これを機に取得を考えてみてはいかがでしょうか?