ITパスポート試験で合格候補に何とか残れた原因

私は現在53歳で、30年に渡りコピー複合機の販売に携わってきましたが、いわゆるIT業界に居ながら、恥ずかしながらITの知識は殆ど無く、コピー複合機の販売一筋で何とかやって参りました。

これからの会社の方向性として、情報セキュリティ分野に力を入れていこうという方針もあり、情報セキュリティマネジメントの資格取得を目指すにあたり、先ずはその手前にあるITパスポートを取得しようと思い今回の受験に望みました。

フォーサイトさんの通信講座を申し込んだものの、なかなか本気で勉強に取り組む気になれず、10月の情報セキュリティマネジメント試験も近づいてきた7月の上旬、やっと尻に火がついて真剣に勉強を始めました。

普段の平日は朝の5時過ぎに起床し、5時30分～6時20分までの約50分、休日は妻と子どもが外出してくれる日は4～5時間程勉強時間する事ができました。最初の約2週間で早回しの講座の受講が完了し、その後は、過去問をじっくり解く勉強だけで、それ以外(問題集など)は取り組む時間が無く出来ませんでした。

過去問は大体60点台後半位は取れていたので、まあまあ合格できるのかな?という感触はありました。

そしてついに8月6日、受験日を迎えました。

京急川崎の駅から程近い会場でしたが、僅かな距離も歩くのもしんどい程の猛暑日でした。

会場で試験官の説明の後、いよいよ12:15～試験開始です。

最初の問題からまあまあ順調に回答を進めていくことが出来、「今日は中々調子が良いぞ。今日はいけるかも!」などと内心では好感触を感じつつ、試験開始から約20分程が過ぎ、問題も25問ほど解いたその時、トラブルが発生しました。

何としたことか、回答をクリックしてもパソコンが反応せず、「暫くお待ち下さい。プログラムを終了しますか?」との表示に「ここでプログラムを終了したら終わってしまうじゃないか!」と暫く待っても復旧の兆しは無く、それでも粘って待つこと3分程、今度は画面にエラーコードが表示され完全に機能停止状態。

ここに至って挙手をし試験官(若い女性)に状況を見てもらうと、「暫くお待ち下さい。ともう一人のベテランの男性試験官に相談にいったのですが、なかなか戻ってきません。

3～4分の後戻ってきた若い女性の試験官より、こちらの空いているお席に移動をお願いします。試験は続きより回答が可能です。
と言われるがまま、案内された席に移動し受験番号その他の入力後、改めて仕切り直しで回答に臨みました。

しかし、驚いたことに続きと言われたはずの問題が5問程前の箇所からの回答となっており、又ここからの回答か・・・と重複の問題も慎重にクリアしつつ回答を続けていきました。

ところが、その日のトラブルはそれで終わりではありませんでした。

それから10分程すぎた時、何とまた同じ現象が移動した先のパソコンで発生したではありませんか。

マウスでクリックするだけなのに、私の操作に問題があるとは思えないのですが、何故私だけこのようなトラブルに巻き込まれてしまうのか・・・。

仕方なくまた、挙手をして試験管に見てもらうと、前回と同じく暫く待たされた後、他の空いている席を案内されました。

続きからのはずの問題も前回同様5問程前からの重複での回答です。

集中力が途切れそうのなるのをじっとこらえて、回答を続けていると・・・暫くして何と又同じ事態の発生。

3度目の頃には他の受験者も同様のトラブルが2～3箇所で発生している様子で、2人の試験官ともにトラブルの対処で必死の様子。

もう、事ここに及んで集中力は切れ、モチベーションも完全に下がった状況で、今回は無理かも・・・。と諦めモードに突入していました。

その後、結局、計6回のフリーズトラブルによる席の移動で(他の受験者でも多くて2～3度の様子)、6回目の頃には試験官も「又、、ですか・・・」と言わんばかりに憔悴した様子が見て取れました。

会場の前方の壁にかけてある時計の針は2時10分を指しており残り時間も後5分の状況で問題は20問近く未回答がありました。

しかし、PCはロスタイムを加味してか45分ほど残っていたため試験官に確認したところ、PCの時間を優先して下さいとの案内。

ホット胸を撫で下ろし、残り時間で回答を解き終わった後も曖昧だった箇所の見直しをじっくりと行いPCの残り時間ぎりぎりまで粘りました。

時計の針は3時を指していました。

もちろん会場に残っているのは私一人です。


最後に意を決して終了ボタンを押すと、程なくして結果の画面が表示されました。


ストラテジ系　470点
マネジメント系　660点
テクノロジ系　560点

総合評価点　600点


暫く唖然として、画面に釘付け状態の私に試験官が「どうされましたか?」と恐る恐る私に声をかけてくれました。

「これは合格ということでよろしいんでしょうか?」
との私から問いに、

試験官は
「各分野がそれぞれ規定の点数を満たしており、総合評価点も600点ですので、合格候補となります」との回答。

「は?合格候補・・・ですか?」
意味が理解できない私に

「不正などがないかどうかの判定の後に正式には官報にて合格が発表されますので、それまでは暫くお待ち下さい」
との事。

会場を後にした後も納得がいかなかったので、IPAに電話で今日の状況の報告と共に試験の結果について確認しました。

IPAからの回答では正式には9月14日にホームページで発表されるとの事でしたが、点数的には合格である事は間違いないとの事。

しかしながら、あれだけの通信トラブルがあったので、もしかして、試験の点数にも影響があるのではと一抹の不安は拭えませんが、とりあえず正式な発表を待つしかありません。

ただ、もし、あの状況で、最後まで見直しもせず、諦めて帰っていたら、間違いなく今回不合格だった・・・。

そう思うと、ぞっとしました。

今回、トラブル続出でかなりのアゲインストの中での受験となりましたが、最後の最後まで諦めないことの重要性をつくづく学ばせていただきました。


なかなか遭遇できない貴重な経験をさせていただけた事に今では感謝しています。


最後にフォーサイト様には大変素晴らしい教材をご提供いただけた事にこの場をお借りして感謝申し上げます。


本当に有難うございました。