狙って取得がおすすめ!文系学生におすすめの資格9選

理系の学生は基本的には学んだ分野でおおよそ将来の道が定まります。

建築学科や土木学科の方は建築業界や不動産業界に進むケースが多いですし、化学学科の方は製薬会社や化学薬品会社などが進路になるでしょう。

しかし文系の学生の方は、学んだ学問と就職先の業種が一致しないケースが多くなります。そんな文系学生こそ、学生時代に資格を取得しておくのがおすすめです。

なぜ文系学生に資格が必要なのか?取得するとすればどのような資格がいいのか?など、文系学生におすすめしたい9つの資格をジャンル別に紹介しましょう。

目次

文系学生に資格取得は必要か?

文系の学生は理系の学生と違い、就活の上で学部による差が出にくいという特徴があります。そこで考えたいのが資格の取得です。

学んだ学部で差がつかないのであれば、持っている資格でライバルと差をつける。これが少なからずとも就活で有利に働くケースが考えられます。

また資格を目指すことで、どんな分野の知識が自分に合っているかを知るきっかけにもなるかもしれません。資格の勉強はその資格に関する専門知識を学びます。それまで自分でも気づかなかった、自分に向いている分野が見つかるかもしれません。

特に学生の方におすすめするのは、学生時代の方が自由になる時間があるから。社会人になると毎日の仕事が忙しくなり、なかなか自分の時間が確保できなくなります。

「資格は就職してから」と考えている方も、前倒しして学生時代から資格取得を目指した方が、勉強時間も確保しやすく、短期間で取得が目指せるでしょう。

文系学生が在学中に資格を取得する3つのメリット

上記のポイントを含め、資格取得による具体的な3つのメリットを紹介していきましょう。

メリット① 就活でのアピール材料になる

出身学部による特徴や差が出にくい文系の学生は、理系の学生以上に就活では「人間性」や「将来性」をチェックされます。

こういった状況で資格を取得しているということが有利に働く可能性があります。

資格を取得しているということは、「将来的なことを考えている」という印象を与えますし、学校の勉強以外に計画的に勉強をして資格を取得したという事実は「真面目で努力家」という人間性の証明にもなります。

メリット② 自身の将来をイメージしやすくなる

資格取得を目指す勉強の中で、自分に向いている分野がなんとなくでも分かると、自分の将来像をイメージしやすくなります。

単に就職してサラリーマンとして定年を迎えるという選択肢だけではなく、いろいろな経験をステップとし、将来どのように働きたいのか、どのような生活をしたいのかがイメージしやすくなるでしょう。

メリット③ 就職後の収入アップが見込める

現実的なメリットで大きいのは、就職後の収入アップが見込める点です。資格を持っていることで重要な仕事を任されるなど、昇進や出世が早くなる可能性があります。

そこまでは見込めなくとも、単純に資格を持っていることで、資格手当が支給される可能性もあります。月々の金額は少なくとも、年収で考えると大きなプラスとなり、将来的には収入に大きな差が出てくるでしょう。

文系学生におすすめする資格3パターン

単純に資格と言ってもその種類は非常に多く、まだ学生の方としてはどんな資格を選んで取得すればいいのかが問題となるかもしれません。

そこで、特に文系の学生の方におすすめの資格を、資格の特徴別に分けて3パターン紹介していきましょう。

パターン① 就活で有利になる可能性がある資格

まずはやはり就活で有利になる可能性がある資格です。もちろん資格を持っていれば必ず就職できるというわけではありませんが、資格を持っていた方が多少なりとも有利になる可能性はあります。

そんな可能性がある資格を選ぶのがひとつの方法です。

パターン② 仕事でも私生活でも活用できる資格

文系の学生の中には、将来どんな仕事をしたいのかまだ決めかねている方もいらっしゃるかと思います。そういった方におすすめしたいのが、仕事でも私生活でも役立つ資格の取得です。

仕事で活用する場は少なくとも、その資格のために身に着けた知識が、私生活の部分で役立つ資格はおすすめの資格といえるでしょう。

パターン③ 将来的に独立開業ができる資格

近年働き方改革という言葉が使われるようになり、どのように働くか、どのように人生を充実させるかは就活においても重要なポイントとなっています。

将来的に自分が理想とするワークライフバランスを実現するには、自分ですべてを調整できる独立開業というところに行き着きます。

自分の将来のために独立開業を目指する資格を選ぶのも一つの方法でしょう。

就活におすすめ資格① 証券外務員

正式名称一種外務員資格試験・二種外務員資格試験
資格種類公的資格
分野金融
認定団体日本証券業協会
試験形式CBT(Computer Based Testing)方式
受験資格特になし
試験日一種・二種:毎日(土日祝日・年末年始を除く)
受験料一種・二種:10,323円(税込)
受験者数(2022年度)一種:4,533人
二種:2,413人
合格者数(2022年度)一種:3,198人
二種:1,700人
合格率(2022年度)70.5%
フォーサイト合格率(2022年度)-
偏差値一種:54
二種:47
証券外務員の詳細情報

ここからは実際に文系学生の方におすすめできる資格を9つ厳選して紹介していきます。この9つの資格を、上記の3つのパターンに分けて紹介していきます。

最初に紹介するのが証券外務員の資格。この資格は金融商品などを販売する方は取得していなければいけない資格です。

資格には特別会員資格や正会員資格、さらに一種、二種といろいろな種類がありますが、文系の学生の方が目指すのは正会員資格。一種か二種かは取り扱う金融商品によって変わりますが、全般を扱えるのは一種資格となります。

おすすめの理由Ⅰ 金融業界を目指す方は取得必須

証券外務員という名称を見てもわかる通り、証券会社に務める方は当然のように取得している資格です。さらに証券会社に限らず広く金融業界で働く方は取得が推奨される資格であり、特に窓口業務などで顧客対応をする方は、持っていなければいけない資格となります。

そのため、金融業界に就職後、その企業から資格取得を推奨されるケースもあり、金融業界を目指すのであれば、時間のある学生のうちに取得しておくのがおすすめです。

おすすめの理由Ⅱ 比較的短期間の勉強で取得できる

証券外務員資格をおすすめする理由としては、取得難易度の低さもあります。

一般的に初学者の方が、独学で目指す場合でも50~100時間程度の勉強時間で取得できる資格ですので、無理をせず取得できるのもおすすめのポイントです。

金融業界を目指している方は、就職後取得を推奨される可能性が高く、学生時代に取得しておくことで、就活でも有利になる可能性が考えられます。

就活におすすめ資格② 宅地建物取引士

正式名称宅地建物取引士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日2023年10月15日(日)
13時~15時
受験料8,200円(予定)
受験者数(2023年度)233,276人
合格者数(2023年度)40,025人
合格率(2023年度)17.2%
フォーサイト合格率(2023年度)76.1%
偏差値55
宅地建物取引士・宅建士について詳しくはこちら

主に不動産業界で活躍するのが宅地建物取引士の資格です。

不動産取引の現場において、重要事項説明を行うという独占業務を持っているため、不動産取引が発生する業種では必須の資格となります。さらに資格取得のために身に着ける知識は、不動産業界だけではなく金融業界などでも活用できるという資格です。

おすすめの理由Ⅰ 収入アップを目指せる

上記の通り宅地建物取引士には独占業務があり、特に不動産業界では高収入が目指せます。宅地建物取引士は人気資格であり、取得することで身につく知識が業務に好影響を与えることも多いため、資格手当を支給している企業も少なくありません。これだけでも十分収入アップの要素といえます。

もうひとつ、不動産業界の特徴的な面でも収入アップが目指せる資格となります。不動産業界の営業職は、歩合制を採り入れている企業が多いのが特徴。歩合制ですから、成績を残せば大きな収入を手にすることも可能です。

この不動産の営業職にとって必要となるのが宅地建物取引士の資格です。

おすすめの理由Ⅱ 転職をする際にも有効な資格

上記の通り宅地建物取引士の資格は、不動産業界の営業職にとっては必須ともいえる資格。そしてこの不動産業界の営業職というのは、中途採用の求人が非常に多い職種でもあります。

将来的に何らかの理由で転職をすることになっても、この資格があればその選択肢は多く、また高収入の仕事を見つけることも可能になるでしょう。

就活におすすめ資格③ 中小企業診断士

正式名称中小企業診断士
資格種類国家資格
分野法律
認定団体日本経営士協会
試験形式筆記試験
受験資格1次試験:特になし
2次試験:第1次試験合格者
試験日1次試験 8月上旬頃の2日間
2次試験 10月下旬
口述試験 12月中旬
受験料1次試験 13,000円
2次試験 17,200円
受験者数(2022年)1次試験:17,345人
2次試験:8,712人
合格者数(2022年)1次試験:5,019人
2次試験:1,625人
合格率(2022年)1次試験:28.9%
2次試験:18.7%
フォーサイト合格率(2022年)60%
偏差値67
中小企業診断士について詳しくはこちら

中小企業診断士とは、中小企業の経営診断や経営アドバイスもできるような知識を持っていることを証明する資格。

資格自体に独占業務はないものの、非常に人気の高い資格であり、難関資格としても知られています。

おすすめの理由Ⅰ 経営や経済に関する深い知識があることをアピールできる

中小企業診断士資格を取得するには、経営学や経済学など、実際に企業運営をする歳に必要となる知識が問われる資格です。

つまりこの資格を持っているということは、企業というものがどういうものかをしっかりと理解できているという証明となり、採用する側としても安心して採用できる可能性が高くなります。

おすすめの理由Ⅱ 難関資格を取得したという実績が評価につながる

中小企業診断士試験は、一次試験に加え二次試験もあり、合格率は5~10%程度と非常に難しい試験となります。

こういった難関資格を取得していることは、就活でも有利になる傾向があります。難関資格を取得しているということは、それだけしっかりとした勉強計画を立て、その計画に沿って地道な努力を続けたということになります。

社会人としても真面目に努力を続けられる人材であるというイメージを与えることができますので、就活でも大きな力となるでしょう。

私生活でも使える資格① ITパスポート

正式名称ITパスポート
資格種類国家資格
分野IT
認定団体経済産業省
試験形式四肢択一式
受験資格特になし
試験日随時
受験料5,700円
受験者数(2022年度)231,526人
合格者数(2022年度)119,495人
合格率(2022年度)51.6%
フォーサイト合格率(2022年度)96.2%
偏差値45
ITパスポート検定について詳しくはこちら

続いて仕事の上でも私生活でも活用できる資格を紹介していきます。最初に紹介するのがITパスポートの資格です。

ITパスポートの資格は、情報処理技術者試験と呼ばれる国家試験の中のひとつの区分。ITを利用する際に持っているべきITの基礎知識や、IT上のマナーなどが身についていることを証明する資格となります。

おすすめの理由Ⅰ ITリテラシーの高さを証明できる

現状どの業界のどの企業でも、IT技術をまったく導入していない業界や企業というものはほぼありません。つまりITパスポートという資格は、業種や職種を問わず、すべての企業で有効に活用できる資格ということになります。

ITを利用するうえで知っておきたいセキュリティ管理の知識や、IT技術の基本的な仕組みなど、社会人と知っておきたい知識が身につく資格となります。

おすすめの理由Ⅱ IT全般のセキュリティなどの知識が身につく

ITを利用するのは何も仕事の現場だけではありません。メールやSNS、インターネットの閲覧などもITを利用していることになります。

つまりITとは私生活でも活用する機会が多く、ITパスポートで身に着ける知識は私生活でも十分に役立つことになります。

また、ITパスポート試験をきっかけに情報処理技術者試験に興味がわいた方は、さらに上の区分の資格を取得するのもいいでしょう。さらに上の区分の資格を取得することで、IT業界への転職などもしやすくなるでしょう。

私生活でも使える資格② ファイナンシャル・プランニング技能士2級

正式名称ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類国家資格
分野金融
認定団体厚生労働省
試験形式筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格FP2級:以下のいずれかに該当する人
・3級FP技能検定の合格者
・FP業務の2年以上の実務経験者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
・日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人
試験日FP2級〜3級
年に3回(5月・9月・1月)に実施
受験料FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円
受験者数(2023年1月)FP2級
学科試験 29,466人
実技試験 23,994人
合格者数(2023年1月)FP2級
学科試験 16,537人
実技試験 14,283人
合格率FP2級
学科試験56.12%
実技試験59.53%
フォーサイト合格率(2023年1月)FP2級
学科試験:93.8%
偏差値38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

ファイナンシャル・プランニング技能士とは、いわゆる「FP」と呼ばれる資格。顧客の資産運用などにアドバイスできる資格であり、1~3級の資格があります。

仕事でも活用できるという点を考えると、2級以上の取得を推奨。2級の資格があれば、保険会社やコンサルティング会社などでも活用しやすい資格となります。

FP2級の資格には受験資格があり、大学在学中に2級受験と考えた場合、FP3級の資格取得などが必要になりますので、計画的に勉強を進めるようにしましょう。

おすすめの理由Ⅰ 資産運用や投資などに関する知識を証明できる

FP2級の資格を取得するには、各種税制や金融知識、さらに保険制度や年金制度、さらに相続や不動産関連の知識までが必要となります。

仕事の面で考えると、金融業界や保険業界などが中心となり、そのほかにも不動産業界やコンサルティング業界などでも活躍する資格となります。

身に着ける知識が比較的実務に直結する知識となるため、いろいろな業界で活躍できる資格といえるでしょう。

おすすめの理由Ⅱ 自身の将来設計でも活かせる知識が身につく

FP2級の資格は、資産運用や投資、将来設計の相談に乗るために実用な知識が身につく資格。当然この資格を取得するために身につく知識は、自身の人生設計においても活用できる知識となります。

若いうちから将来をしっかりと見据えて生活できることは将来的に大きなプラスとなるでしょう。

私生活でも使える資格③ 日商簿記2級

正式名称日商簿記検定
資格種類公的資格
分野会計・財務
認定団体日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式筆記
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料簿記2級:4,720円
簿記3級:2,850円
受験者数(2023年2月)簿記2級:12,033人
簿記3級:31,556人
合格者数(2023年2月)簿記2級:2,983人
簿記3級:11,516人
合格率(2023年2月)簿記2級:24.8%
簿記3級:36.5%
フォーサイト合格率(2023年2月)簿記2級:86.4%
簿記3級:87.5%
偏差値2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

就職先としてデスクワークを目指している方を中心にぜひ取得しておきたいのが日商簿記の資格です。

日商簿記の資格は1~3級に加え初級の資格がありますが、文系の大学生の方におすすめしたいのは2級以上。受験資格はないので、いきなり2級から挑戦することができます。

2級となると中小企業の経理担当者となることができ、商業簿記の知識に加え工業簿記の知識も身に付いているということになります。

おすすめの理由Ⅰ 経理などデスクワークを目指す方は取得推奨

日商簿記2級の資格は、業種を問わず全ての企業で活用できる資格です。特に経理などデスクワークを目指したいという方は、ぜひ取っておきたい資格といってもいいでしょう。

もちろん就活で有利になるだけではなく、もし将来転職をすることになっても、日商簿記2級の資格を持っていることは大きなプラスとなります。

さらに言えば、日商簿記2級の資格を取得できるようになれば、その知識で企業の財務諸表を読み取る力が身につくことに。デスクワーク以外の部署でもその知識を活用できるため、就職後、仕事を円滑に進めるためにも有用な資格です。

おすすめの理由Ⅱ 理想的なマネーリテラシーが身につく

簿記の資格を取得するということは、お金の出入りに関してしっかりとしたリテラシーが身につくということ。これは仕事の上だけではなく、自身の私生活においても大きなプラスです。

私生活の中で家計簿をつける、将来的な資産設計を考えるなどの場面でも、身に着けた知識を活用できますのでおすすめです。

独立開業を目指せる資格① 行政書士

正式名称行政書士
資格種類国家資格
分野法律
認定団体総務省
試験形式筆記試験
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日令和5年11月12日(日)
午後1時~
受験料10,400円
受験者数(令和4年度)47,850人
合格者数(令和4年度)5,802人
合格率(令和4年度)12.13%
フォーサイト合格率(令和3年度)54.1%
※バリューセット2
偏差値62
行政書士について詳しくはこちら

最後に独立開業を目指せる資格も紹介しましょう。これから就活をするという方にとって、独立開業ができる資格をすすめるのも変な話に聞こえるかもしれませんが、意外と就活に役立つケースもあります。

最初に紹介するのが行政書士の資格。行政書士とは、官公署などに提出する書類の作成を代行することができるようになる資格。この資格は基本的に行政書士として独立開業をしないと業務ができない資格です。

ここまで紹介した資格と比較してもやや難易度は高く、初学者の方が独学で挑む場合、1000時間ほどの勉強時間が必要になると言われています。

では、この行政書士資格をおすすめする理由を紹介していきます。

おすすめの理由Ⅰ 民法など法律知識の高さを証明できる

行政書士試験に合格するためには、民法や商法など幅広い法律知識が必要です。つまり行政書士資格を持っているということは、それだけ豊富な法知識を持っていることが証明されることになります。

最初に書いた通り、文系の学生は、就活においてライバルとの違いを見せるのが難しい部分があります。そんな中、行政書士資格を持っているというのは大きなアピールポイントになるでしょう。

おすすめの理由Ⅱ 将来的には独立開業も可能

上記の通り、行政書士資格を取得し、行政書士としての業務を行うには、行政書士法人に所属するか、自分で独立開業をしないといけません。

行政書士法人の求人というのはあまり多くはなく、独立開業が基本と考えて間違いありません。

独立開業をするということは、自分が理想とするライフワークバランスで働けるということ。とはいえ仕事が来なければその希望も叶いません。

行政書士資格に起源はありませんので、学生時代のうちに資格を取得し、社会人として働きながら人脈を広げて将来の独立を目指すのがおすすめです。

独立開業を目指せる資格② 司法書士

正式名称司法書士
資格種類国家資格
分野法律
団体法務省 東京法務局
試験形式筆記・口述試験
受験資格制限なし
試験日筆記試験・7月上旬
口述試験・10月下旬
受験料8,000円
受験者数(2023年度)13,372人
合格者数(2023年度)695人
合格率(2023年度)5.2%
フォーサイトの合格率(2023年度)15.4%
偏差値78
司法書士について詳しくはこちら

続いて紹介するのも独立開業が基本となる司法書士資格です。司法書士は不動産や法人などの登記を代行したり、場合によっては少額訴訟の代理人ともなれる資格です。

司法書士の資格は行政書士よりもさらに難易度が高く、独学で目指すには3000時間ほどの勉強時間が必要と言われており、さらに例年の合格率が5%という難関資格です。

おすすめの理由Ⅰ 難関資格を取得した努力がアピールポイントになる

大学在学中に司法書士試験に合格するのはなかなかハードルの高いこと。それを成し遂げたということは、それだけでも就活でのアピールポイントとなります。

難関資格を取得したということは、それだけ目標に対して努力を続けることができる人間であり、将来のことも考えて行動できる人間であるという好印象を与えることになるでしょう。

大学生の方が就活において頭を悩ます項目の一つとして、面接試験で聞かれる「ガクチカ」問題があります。特に2020年以降大学に通っていたという方は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、このガクチカにあたる活動ができなかったという方も多いでしょう。

難関資格合格に向けて努力したということは、ガクチカの質問に対しての回答ともなるでしょう。

おすすめの理由Ⅱ 独立開業が将来の選択肢に入る

司法書士の資格も、行政書士資格同様に有効期限はないため、比較的時間に余裕がある学生時代から勉強をはじめるのがおすすめ。

もちろん将来的には独立開業も可能ですし、独立前に社会人として働きながら、ほかの資格も合わせて取得しつつ、さらに人脈を広げておけば、独立開業をしたときの不安も少なくなるでしょう。

さらに認定司法書士となれば、少額訴訟の代理人になることも可能。さらに仕事の幅が広がり、安定した収入が見込めるでしょう。

独立開業を目指せる資格③ 社会保険労務士

正式名称社会保険労務士
資格種類国家資格
分野法律
試験実施団体全国社会保険労務士会連合会(厚生労働大臣から事務を委託)
試験形式筆記
受験資格学歴
・4年制大学で一般教養科目の学習が終わった人
・4年制大学で62単位以上を習得した人
・短期大学か高等専門学校を卒業した人
・就業年限が2年以上
 かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了

資格
・司法試験予備試験に合格した人
・行政書士の資格を持っている人
試験日2023年8月27日(日)
受験料15,000円※非課税
受験者数(2023年度)42,741人
合格者数(2023年度)2,720人
合格率(2023年度)6.4%
フォーサイト合格率(2023年度)26.4%
偏差値65
社労士・社会保険労務士について詳しくはこちら

最後に紹介するのは社会保険労務士の資格です。社会保険労務士は、雇用する側と労働者の間に発生する問題の解決に携わる資格。雇用に関する法律知識や、社会保障制度などに関する豊富な知識が必要になります。

社会保険労務士試験の難易度は行政書士と同程度。独学で800~1000時間の勉強時間を必要とする難関資格です。

おすすめの理由Ⅰ 企業内でも活用できる資格

ここまで紹介してきた行政書士や司法書士は、企業に勤務している間はその業務を行うことができない資格です。しかし、社会保険労務士の資格は、企業に勤務しながらも活用できる資格。そのため採用する企業側も即戦力として考えて貰える資格です。

企業に就職し、その企業内で社会保険労務士としての業務に就くことができれば、将来的に独立する場合にも大きな経験となります。

おすすめの理由Ⅱ 独立開業も可能な資格

社会保険労務士資格ももちろん独立開業が可能な資格。もちろん社会保険労務士資格だけでも十分ですが、他の資格と併せ持つことで、業務の幅も広がるでしょう。

おすすめは行政書士や司法書士、さらに税理士やFP2級といった資格も相性がいいと言われています。

こうしたほかの資格も視野に入れつつ、しっかりと人脈を気づいてから独立するのがいいでしょう。

資格取得を目指す文系学生の疑問に回答

文系の学生の方で、これから就活が始まるため、その前に資格を取得するかどうか悩んでいるという方には、資格の取得がおすすめです。とはいえ取得するメリットやその他の問題点など、学生の方にはいろいろな疑問があるかと思います。

そんな疑問に答えていきましょう。

Q1 資格を持っていないことのデメリットは?

資格を持っていなことのデメリットはあまり感じにくいかもしれません。というのは、多くの文系の学生の方が資格を取得しないからです。

つまり資格を取得しないと、ほかの学生と同じように就活に挑むというだけで、大きなデメリットとは言えないかもしれません。

しかし、資格取得には一定のメリットがあります。このメリットを享受できないことがデメリットとも言えるでしょう。

就活前に資格を取得するメリットは、まずは似たような経歴のライバルと一定の差がつけられるということ、さらに資格の勉強をすることで、自分の得意分野や、自分に合う分野を見つけることができるかもしれないというメリットがあります。

そして現実的な部分では、就職後に収入アップができるかもしれないというメリットもあります。

Q2 どんな資格からチャレンジすべき?

資格を取得するといっても、どんな資格がいいのか分からないという方も多いでしょう。この記事では「就活に役立つ」、「私生活でも使える」、「独立開業が可能」という3つのポイントを紹介しました。

それであまりイメージが湧かないという方は、まずは比較的難易度の低い、取得しやすい資格から狙ってみるのがおすすめです。

Q3 資格取得は就活でどのくらい有利になる?

文系の学生の方が資格を取得したからと言って、必ず希望の就職先に就職できるわけではありません。

もちろん持っていないよりは持っている方が有利にはなるかと思いますが、そこまで大きな力はないので覚えておきましょう。

就活でも活かせる資格と考えるのであれば、まずは自分が狙っている業界で有効になる資格を選ぶのがおすすめ。どの業界か決まっていないという方は、日商簿記2級など、業界問わずに活躍できる資格を狙いましょう。

ガクチカ対策として資格取得を目指す場合は、その業界で役立つのはもちろん、できるだけ取得の難しい資格の方が効果は高いかと思います。

まとめ

文系の学生が学ぶ学問は、理系の学生ほど専門性が高くなく、特に就活においてはその学部や学科が大きなプラスにならないといわれています。

そんな文系の学生が、エントリーシートの時点で他者との差をつけるのであれば資格の取得を目指すというのは悪い選択肢ではありません。

どんな資格を選ぶかには個人差がありますが、おすすめする資格のポイントは、「就活で役立つ」か「私生活でも役立つ」か「将来独立開業ができる」資格。こうした資格をねらってみましょう。もちろんこれに限らず、自分の進みたい道や将来をイメージして選ぶようにしましょう。

資格取得には興味があるものの、まだどの資格がいいのかハッキリしない方は、まずは比較的取りやすい資格から挑戦し、自分に合っている資格や分野を探してみましょう。