資産運用や投資に強い資格

人生100年時代ともいわれ、さらに年金だけでは生きていくのに2,000万円不足するともいわれる現代の日本。そんな日本で生きていくには、将来を見据えた資産運用や投資が重要なポイントとなります。しかし資産運用や投資は何でも試せばいいというものではありません。

適切に行うにはやはり専門知識が必要です。そんな専門知識を身に着けることができる資格に関していくつかご紹介していきましょう。

将来のためにも今から準備を

2020年現在、現役世代として働いている方、そしてこれから社会人として働き始める方にとって、老後への不安は非常に大きいものがあります。頼りにすべき年金は支給されるかどうかする不透明であり、また支給されたとしても年金だけでは到底生きていけないような統計も発表されています。

そんな将来の不安に対して、「今考えても将来どうなるかわからないのだから意味がない」と目を背けるのはあまりおすすめできません。実際将来のことは、将来になってから考えてもお手遅れになってしまっていることがほとんどだからです。

そんな将来に対する不安を取り除くには、現役世代である今のうちに準備を始めることです。将来不安なく生きていくためには資金が必要であり、そんな老後資金を貯めるには、今の収入だけでは足りないという方がほとんどでしょう。

そこで考えたいのが投資などの資産運用です。この資産運用は、大切なお金をかけるものですから、しっかりと知識を身に着け、間違えないように行うのが重要。そこで老後資金のためなど、将来のための投資に関して、専門的な知識が身に付く資格をいくつかご紹介しましょう。

ファイナンシャルプランナー

正式名称 ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類 国家資格
分野 金融
認定団体 厚生労働省
試験形式 筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格 FP3級:誰でも受験可能

FP2級:以下のいずれかに該当する人
1)3級FP技能検定の合格者
2)FP業務の2年以上の実務経験者
3)厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
4)日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人

FP1級:以下のいずれかに該当する人
1)1級学科試験の合格者
2)CFP資格審査試験の合格者
3)CFP認定者
試験日 FP2級〜3級の試験日:年に3回(5月・9月・1月)に実施
FP1級の実技試験日:年に3回(2・6・10月)実施
受験料 FP3級
学科:3,000円
実技(個人資産相談業務):3,000円
実技(保険顧客資産相談業務):3,000円

FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円

FP1級
学科:8,900円
実技(資産相談業務):25,000円
※各非課税
受験者数(2019年8月) 16,852人
合格者数(2019年8月) 6,806人
合格率 FP3級:学科試験70〜80%、実技試験80〜90%
FP2級:学科試験40〜80%、実技試験50〜60%
FP1級:学科試験10%、実技試験70〜80%
フォーサイト合格率(2019年8月 FP2級) 83.7%
偏差値 38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

資産運用のスペシャリストを目指す

投資という点で、もっとも有効性の高い資格は何といってもファイナンシャル・プランニング技能士、つまりファイナンシャルプランナー(以下、FP)としての資格でしょう。その人の家族構成や収入、ライフスタイルに合わせ、的確な資産運用に関するアドバイスを行える資格ですから、投資に関する専門知識が必要となる資格になります。

FPの資格は、顧客に対してアドバイスを行えるという資格ですが、顧客に対して行えるということは、当然ながら自分自身の資産運用に関しても転用できるということ。投資を行うにはぜひ取得しておきたい資格の代表といっていいでしょう。

税制から保険制度の知識まで幅広く習得可能

FPの資格試験では、税金、法律、保険制度など幅広い分野から出題が行われます。この資格を取得できるということは、投資に必要な税金制度や法律制度に関する知識が十分に備わっているということにもなります。

これらの知識はあらゆる投資の分野で生かされるため、不動産投資、株式投資など、あとは自身の興味がある分野で投資をできるということになります。

投資で失敗をしたくないという方は、まず真っ先にこのFP資格取得に関して検討することをおすすめします。

年金アドバイザー

正式名称 年金アドバイザー3級
資格種類 民間資格
分野 金融
認定団体 -
試験形式 2級 記述式
3級 5答択一式
4級 3答択一式
受験資格 特になし
試験日 2級 3月の最初の日曜日
3級 3月の最初の日曜日・10月の最終日曜日
4級 3月の最初の日曜日
受験料 2級 6,480円
3級 4,320円
4級 3,240円
受験者数(平成30年) 7,425人
合格者数(平成30年) 2,644人
合格率(平成30年) 35.6%
偏差値 43
年金アドバイザーについて詳しくはこちら

将来設計を描くには重要な資格

自身の将来設計を考える場合、多くの方は年金収入を中心に検討するかと思います。しかしこの年金というものは、どの年金に加入しているか、どの程度収めているか、何歳から受給をするかなど制度が複雑になっています。

さらに少子高齢化のあおりを受け、毎年のように改正が行われていることもあり、一般の方でこの年金に関して深く理解している方はほとんどいないような状況になってしまっています。

そんな年金のスペシャリストとなるのが年金アドバイザーです。年金アドバイザーは各種年金の制度などについて熟知しており、将来設計の基礎となる年金に関して理解を深めることができます。

年金アドバイザーには1~4級までありますが、有用性という点で考えると3級以上は取得しておきたいところです。

社会保険労務士の資格を目指す

年金アドバイザーは、一般的に銀行や信用金庫の窓口業務担当者が取得を目指す資格です。窓口に訪れる顧客の投資などに関してアドバイスを行う際、年金に関する知識が必要なためです。つまり自身の投資に関して考える場合も、まずは収入の基礎となる年金に関して理解している点で非常に役立ちます。

年金アドバイザーは投資をする際の条件を考える場合に役立つ資格です。投資自体に関しての知識が欲しい場合は、FPなどの資格と併せ持つことでより有利な投資が可能となります。また、年金アドバイザー2級以上はかなり取得難易度も高まります。2級以上を目指すのであれば、難関資格といわれている社会保険労務士の資格を目指すのもおすすめ。

社会保険労務士の資格は投資や私生活だけではなく、独立開業という道も選択できる資格になりますので、将来の道の選択肢のひとつとして取得する意味がある資格といえます。

日商簿記

正式名称 日商簿記検定
資格種類 公的資格
分野 会計・財務
認定団体 日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式 筆記
受験資格 学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日 簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料 簿記3級:2,850円
簿記2級:4,720円
簿記1級:7,850円
受験者数(第151回) 49,766人
合格者数(第151回) 6,297人
合格率 簿記3級:平均30〜40%
簿記2級:平均20〜40%
簿記1級:平均10%
フォーサイト合格率(第151回) 35.5%
偏差値 2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

現状の財政状況から将来を見据える

何かに対し投資をする場合、まずは何といっても現状の自身の財政状況を把握しておく必要があります。そんな現状の財政状況を正確に、より詳細に判断できるのが日商簿記の資格です。

日商簿記の資格を持っていると、普段つけている家計簿の内容についても、より細かく分析ができるようになり、自身の財務状況に関してもより細かく理解することができます。現状の財務状況を細かく正確に判断することで、どの程度投資に予算を回せるか、無理が来ない範囲を正確に把握できるようになるでしょう。

日商簿記2級とFP2級で現状も将来も

日商簿記の資格を、投資に直接役立てるのであれば2級以上の取得を目指しましょう。日商簿記2級以上になると、商業簿記、工業簿記などより専門的な知識が身に付き、中小企業などの財務諸表から、その企業の財務状況を推測できるだけの力がつきます。

科の力をもっていれば、株式投資などで役立つ場面も。企業は株主の財務諸表開示請求にはこたえる義務があるため、株式を所有している企業の財務状況を知ることができます。この情報を株式投資に役立てることはできるでしょう。

ただし、直接投資に役立てるには、機械が限定されてしまいます。日商簿記2級以上の資格と同時にFPの資格を所有することで、投資に対しより強力な武器を持つことができます。

現状と合わせて将来の財務状況を推測するのであれば年金アドバイザーなどの資格を取得するのもいいでしょう。日商簿記の資格と年金アドバイザーを併せ持つことで、現状のみならず将来的な財務状況を確認でき、より適切に投資を楽しめるようになるでしょう。

宅地建物取引士

正式名称 宅地建物取引士
資格種類 国家資格
分野 不動産
認定団体 国土交通省
試験形式 マークシート
受験資格 学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日 毎年10月の第3日曜日
受験料 7,000円(非課税)
受験者数(平成30年) 213,993人
合格者数(平成30年) 33,360人
合格率 15.6%
フォーサイト合格率(平成30年) 70.8%
偏差値 55
宅地建物取引士・宅建士について詳しくはこちら

不動産のスペシャリストに

一見投資とは直結しないように思えるのが宅地建物取引士の資格でしょう。不動産取引の現場においては必須とされる人気資格であり、不動産取引の際の重要事項説明は、宅地建物取引士にしかできない独占業務ということになります。

個人で行う投資について考えると、不動産投資という方法があります。一般的にはマンションやアパートなどを所有し、それを貸し出すことで家賃収入を得る投資方法です。この不動産取引は、購入する不動産の見極めや、手放すタイミングなどの判断が重要になります。

こうした判断を行うには、不動産に関する知識が必要になります。その知識を得られるのが宅地建物取引士の資格です。宅地建物取引士の資格は不動産取引の専門資格ですので、不動産の権利関係の知識が豊富です。

資産運用に直接関係しない部分でも、仮に実家や自宅などの不動産を所有している場合はその価値判断を冷静に判断できますので、大きなアドバンテージといえるでしょう。

不動産取引や遺産相続の際に役立つ

不動産投資というと、不動産を購入するだけではなく、自宅の転売という場面も考えられます。自宅をもっともいいタイミングで売却し、自宅を移ることで収入を得るのも不動産投資の一つといえます。

また、遺産相続の際も、遺産の中に不動産がある場合、その権利関係の知識が豊富なため、非常に役立つ資格といえるでしょう。

マンション管理士

正式名称 マンション管理士
資格種類 国家資格
分野 不動産
認定団体 国土交通省
試験形式 マークシート
受験資格 年齢・性別・学歴など資格の制限はなし
試験日 試験日:例年11月の最終日曜日
受験料 9,400円(非課税)
受験者数(平成30年) 12,389人
合格者数(平成30年) 975人
合格率 7.9%
フォーサイト合格率(平成30年) 37%
偏差値 62
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管理組合のアドバイザーに

宅地建物取引士と同様に不動産関係の資格としてはマンション管理士の資格も投資に役立つシーンがあります。マンション管理士とは、マンションの住民で作る管理組合に対し、適切なアドバイスを行える資格になります。

管理組合のアドバイザーですので、マンションの大規模修繕の計画や、修繕積立金、管理費などに関して、冷静にチェックできるだけの知識が身に付きます。

自身がマンションを所有している場合は、自身のマンションの管理組合の運営で力になれますし、不動産投資などでマンションの一室を購入した際も、管理組合においてその知識を役立てることができます。

不動産投資を考えている人には心強い資格

マンション管理士の資格は、マンションの建築構造や維持管理に関する知識が豊富なため、マンションなどの不動産投資を行う際に非常に役立ちます。どの物件を購入するかを判断する場合、特に知識のない方は間取りや利便性などで判断しますが、マンション管理士の資格を持っていれば、さらに建築構造や修繕歴、修繕計画なども参考の上冷静に判断できます。

不動産投資で結果を残すには、価値の高い物件を見つけ出すことが非常に重要です。さらにその建物の価値を長くキープすることで、長期間価値の高い物件を所有することができます。建物の価値を保つために必要なのが修繕計画ということになります。ここを判断材料にできるのは非常に有利ということになります。

まとめ

投資をする場合に有利になる専門知識を身に着けるために、資格を取得するのは非常に理にかなった考え方です。さらに突き詰めて考えれば、自身の投資計画に見合った資格を取得するのがいいでしょう。

現状すぐにでも何かしらの投資を行いたいと考えているのであれば、日商簿記2級などを取得し、どれだけ投資に資金を回せるかを冷静に判断しましょう。将来的に投資を考えているのであれば、将来の財務状況を考えるためにも年金アドバイザーなどがいいでしょう。資金面であまり不安がなく、不動産投資などを考えているのであれば、不動産系である宅地建物取引士やマンション管理士の資格がいいでしょう。

FPの資格や投資に関しては専門知識が多く、どのタイミングであっても投資を行うには有利になる資格です。

自身の現状などを考え、どの資格を狙うかを検討してください。

現状と将来を考えどんな資格を取得するかを考える
・現状に余裕を持たせたいのであればまずは日商簿記2級、現状に問題はないが将来的に不安であればFP2級や年金アドバイザー、ある程度将来を楽観視できる状況であれば不動産投資に向けてマンション管理士や宅建などがおすすめです。