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試験講評

令和2年度 国内旅行業務取扱管理者試験の解説

2020/09/07

今年の国内旅行業務取扱管理者試験は、9月6日に行われました。 受験された皆様、お疲れさまでした。

今年は新型コロナウイルスの影響で旅行業界には逆風が吹いています。しかし、この点で出題形式や内容、また難易度などは影響がなく、昨年までとほぼ同様で、例年通りの試験が実施されました。
以下、科目ごとに見ます。

1.旅行業法及びこれに基づく命令

25問中のほとんどが、該当する記述を1つ選ぶ形式でした。昨年は「すべて選んでいるものはどれか」という形式が多く見られましたが、今年はかなり減ったようです。
この1つ選ぶ形式はあいまいな知識であっても、他の選択肢と比較して答を選ぶことができますので、正解率は上がるでしょう。
旅行業法は、出題のテーマ(条文)が限られるため、意外な出題が少ないことが特徴です。ほとんどの選択肢は過去に出題されたことのある記述や、その類似の記述です。
やはり事前の準備としては、テキスト等で基本的な内容を把握して、直前に多くのテーマについて問題を解いておけば、合格基準は確保できる内容でした。

2.旅行業約款、運送約款及び宿泊約款

約款の問題の特徴は、一つの問題に3つくらいのテーマがあるため、頭を切り替えなければならないので、集中して問題を読まなければなりません。また、条文の文言だけでなく、具体的な場面を想定した出題も見られます。
それでも、出題項目は例年ほぼ同一で、確実な知識を基に選択肢を絞り込んでいれば、正答率が上がるでしょう。今年も、一定の学習期間があれば高得点も十分ありうる問題でした。
2番以降のその他の約款は、準備にあまり多くの時間がありませんが、これまで出題された項目が中心ですので、直前に過去の出題について目を通しておけば2~3問の正解は可能でしょう。

3.国内旅行実務

今年の配点は、運賃・料金が48点(12問)、観光地理が52点(26問)でした。 運賃・料金の内訳は、まず貸切バスが3問出題されました。今年も平成26年の「告示」に関する出題で、「時間や距離の端数処理」は必須の知識ですからこれは落とせません。ただ、各種料金や割引に関する出題は、知識が正確でないと得点できないでしょう。
次に宿泊とフェリーが各1問。この2つの分野は、出題される項目がある程度決まっていますので、「小児の宿泊料金、時間外追加料金、大人が同伴する場合の幼児の運賃」など、過去問を通じてマスターしておけば得点源になります。最近は総合管理者試験でもフェリーの分野が出題されています。
その次のJRに関する出題が最も多く、5問出題されました。内容は「乗継割引、差額が発生する新幹線の乗継、払い戻し」という定番の出題が中心です。基本的ですが、多岐にわたり、中には計算をしないと選択肢の正誤が判断できないものもありました。習得には時間のかかる分野ですので、この点が合否の分かれ目になりそうです。
最後は航空に関する分野が2問で、今年も全日本空輸の運賃規則の問題でした。
個別の運賃(ANA VALUEとANA FLEX)の規則を覚えていなければ自信をもって解答するのは難しいようです。

観光地理は、前半に有名な観光地に関する出題が多く、問題文を丁寧に読めば正解できる問題が多かったようです。地理を苦手とする方が多いですが、最近は基本的な問題が多いように感じます。
ただ、後半の組合せ問題は、簡単とは言い切れません。今年も世界遺産の構成要素や「葛西海浜公園」など意外な出題がありました。やはりこの分野は50%を超える正解率を当面の目標として、それをクリアすることを心がけるべきでしょう。

今年も問題の前半が運賃・料金で、これにどの程度時間をかけてよいか迷ったかもしれません。人によっては、最初に観光地理を短時間で済ませて、落ち着いて運賃・料金を解いた方がよいでしょう。(この後、総合管理者試験を受験する予定の方は、どのような解答の順序がご自分に向いているのか決めておくとよいと思います。)

4.国内旅行業務取扱管理者試験を受けて最後に

合格基準は、例年合格発表時に公表されますが、各科目60%で一定しています。
今年もおそらくそうなると思います。これを意識して効率的に偏りのない学習を進めてきた方々は、よい結果が得られると思います。
この後、総合管理者試験を受験する皆さまは、これに海外実務が加わります。
時間の多くはこの科目にかけると思いますが、国内実務は少し傾向が変わります。航空運賃の制度、JRの特急料金などは、最近の問題を見直して、必要な知識の再整理をお勧めします。