令和6年度 総合旅行業務取扱管理者試験の解答速報・試験講評

2024/10/28

10月28日(月)のおよそ14時30分から16時40分の間に公開していました解答速報に誤りがありました。
なお、現在は修正を行ったものとなっています。
上記期間に解答速報のご確認を行われた皆様にはご迷惑をおかけし申し訳ございませんが、あらためてご確認いただきますようお願いいたします。

10月27日(日)に実施されました、令和6年度 総合旅行業務取扱管理者の解答速報・試験講評を公開いたします。

解答速報

旅行業法及びこれに基づく命令
(各4点×25問)
(1) (2) (3) (4) (5)
a d c d a
(6) (7) (8) (9) (10)
c d b b a
(11) (12) (13) (14) (15)
b,d a b,c,d a,b,c b,c
(16) (17) (18) (19) (20)
a,c a a,d a,b,d a,b,c,d
(21) (22) (23) (24) (25)
a,b,c,d b,c a,b a,c a,b,c
旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
(問1〜問20:各4点×20問、問21〜問30:各2点×10問)
(1) (2) (3) (4) (5)
a b c d b
(6) (7) (8) (9) (10)
a c d c b
(11) (12) (13) (14) (15)
c d a,b,c b,c,d b,c,d
(16) (17) (18) (19) (20)
a,c a,b,c b,c,d c,d a
(21) (22) (23) (24) (25)
a b a b a
(26) (27) (28) (29) (30)
a b b a b
国内旅行実務(問1〜問20:各2点×20問、問21〜問32:各5点×12問)
(1) (2) (3) (4) (5)
a b c a d
(6) (7) (8) (9) (10)
a c c c d
(11) (12) (13) (14) (15)
b d b c b
(16) (17) (18) (19) (20)
c d d a a,c
(21) (22) (23) (24) (25)
c a d b c
(26) (27) (28) (29) (30)
d b a a d
(31) (32)
b c
海外旅行実務
(問1〜問24,問45〜問52:各5点×32問、問25〜問44:各2点×20問)
(1) (2) (3) (4) (5)
d b c a c
(6) (7) (8) (9) (10)
c d b,c b a
(11) (12) (13) (14) (15)
a,c a a,b,c a a,b,c
(16) (17) (18) (19) (20)
c b d c a,b,c
(21) (22) (23) (24) (25)
d c b c b
(26) (27) (28) (29) (30)
b a a b b
(31) (32) (33) (34) (35)
b b a d a
(36) (37) (38) (39) (40)
a d b a a
(41) (42) (43) (44) (45)
d c a,c b,c c
(46) (47) (48) (49) (50)
b d a c a,b,c
(51) (52)
a,c b,c

試験講評

本年度試験は、昨年度よりはやや易化しました。難易度ABCの3レベルに分類した場合、特に実務科目において、「超」の付くCレベルが減少しています。反面、全体にBレベルが増えていますので、Bレベルの正答率が合否を分けることになるでしょう。

法令はほぼ例年並の難易度で、約款はやや難化しています。一方、国内旅行実務と海外旅行実務は若干易化した印象です。例年通りCレベルもありますが、サービス問題と言えるほどの易しい問題も目立ちました。

以下、科目ごとに、難しい問題を中心に印象を述べます。なお、以下は試験終了直後の時点での評価であり、今後の問題分析により評価が変動することがありますのでご了承ください。

1.旅行業法及びこれに基づく命令

テーマごとの出題バランスは例年と変わりません。多肢選択問題は昨年と同様、歴代最多の15問が出題されました。多肢選択問題は消去法が使えないので、難度が高くなります。しかし個々の選択肢は基本レベルが多く、一つ一つ落ち着いて正誤を判断すれば難しいものではなかったでしょう。

難しいものでは、問14のb、問18のa、問22のbとdなどの判断で悩まれたかも知れません。問14のbは滅多に出題されない事項で、逆に問18のaは迷いやすい代表格です。問22のbは、「公衆」に見やすいように掲示しなければなりません。また、問23と問24も迷う選択肢があります。

その他の問題は、おおむね平均レベルの難易度です。全体では例年より易しいレベルでした。

2.旅行業約款、運送約款及び宿泊約款

全体の出題傾向は例年と変わりません。しかし多肢選択問題が昨年より1問増え、過去最多の7問に増加しました。読み間違いやうっかりミスを誘うものが目立ち、科目全体ではBレベル問題が増えました。問5のdは、「当該期日の翌日」が正しく、見落としがちです。
問8のaは、なぜ誤りなのか気付きにくい規定です。問12は、募集型企画旅行と受注型企画旅行の違いを明確に把握できているかどうかが問われます。

その他、問10、問11、問13、問15、問17などにも難しい選択肢が含まれますが、できれば大半は正答したいレベルです。

各種約款では、難問はありませんでした。問30は改正されたばかりの規定です。総合的に、例年よりやや難しいレベルです。

3.国内旅行実務

例年通り、地理分野から20問(40点)、運賃料金分野から12問(60点)が出題されました。全体ではBレベル問題が多く、Cレベルは減ったので、昨年よりやや易化しました。

①国内観光地理
例年のように定番問題が多い中で、かなりな難問もありました。問4の地図問題は実に久々の出題です。内容は大定番の湖ばかりですが、地理感覚が求められます。白地図を活用した人は強かったでしょう。
問1は、安芸=広島県で、選択肢中広島県に所在するのは竹原のみです。問3は難しいと思いますが、「重要伝統的建造物群保存地区」がヒントです。問10は石山寺にヤマを張っていた人が多かったと思いますが、すっかり裏をかかれた問題です。
問7、問10は地元の人が強い問題でしょう。今年世界遺産に登録された「佐渡島の金銀山」は、まったく擦りもせず、がっかりした人も多かったと思います。

②国内運賃料金
珍しく、宿泊料金問題が2問出題されました。その分、JR問題が例年より1問減少しています。問21は易しいですが、問22では、宿泊税に年齢制限がないことに注意が必要です。
バス、フェリーはやや難しい内容でした。国内航空では、例年の日本航空のほか、久々に全日空についても出題されました。しかし2問とも易しいレベルです。
1問減少したJRですが、いきなり問27で難問が出されました。新幹線と並行する在来線の取り扱いは、平成10年度試験以来の出題です。新所原-豊橋間は往復となるので別乗車券、豊橋-沼津間は全区間片道の通し運賃となります。問31はやや難かしい印象ですが、一葉で発行された料金券は、払戻し手数料も1つの列車として計算します。問28、問30、は易しいレベルで、問32の時刻表問題も分かりやすかったと思います。

4.海外旅行実務

分野ごとの出題バランスは例年と変わりませんが、分野により難易度の差が大きくなりました。均してみると、昨年よりわずかに難度が下がったといえるでしょう。

① 国際航空運賃
第1問と第2問で、難易度の差が大きくなりました。第1問では、DOH(ドーハ)が中東にあり、復路の経路はEHであることがポイントです。問2のbでは、366,000円という運賃額は資料編の運賃表にありませんが、この額には国内アッドオン運賃(16,000円)が含まれています。
また、問1、問2が正解できないと問3も正解できません。問4も、各肢の判読に少し時間がかかります。一方、第2問は易しい問題でした。問7ではHOUがHIPです。

② 旅券法、出入国手続等
いずれもAレベルの問題で、大きな得点源となりました。その中では、問9で代理人の区分や制限が問われ、整理ができていないと難しかったかも知れません。問13〜問16も、特に難しい選択肢はなく、易しいレベルでした。
問14のbのように酒税が問われるときは、ワインが最も税額が低いと覚えておけば問題ありません。

③ 語学
本年は、本文合致、語句穴埋めなどであり、設問内容は例年と変わりません。特段の難問はなく、全体に易しいレベルでした。本文合致を問う各設問は、段落ごとに内容が問われているので、まず選択肢を読んで、該当する段落を読み取るとよいでしょう。最初から全文和訳に挑むと思わぬ時間を消費します。
問18の計算問題は英語の問題らしからぬものですが、支払い・払戻し問題も定番の一つです。問19は、介助犬等について述べられているので、同行が認められる意味でadmittedが正解です。
問24はツアー中のマナーについて述べられているのでRefrainが正解ですが、余り聞きなれない単語だと思います。

④ 海外観光地理
例年、マニアックな地名・名称の出題が目立ちますが、本年はCレベル問題がありませんでした。その中でBレベル問題を挙げると、問27、問29、問31、問36、問40.問42〜問44などが挙げられます。残り半分強は定番レベルの問題でした。
問39の写真問題は、ぜひとも覚えておきたい有名な橋ばかりです。例年難問となる美術・絵画問題は、問41は易しく、問44は難しかったと思います。
地理は難易度を問わず、とにかく解答だけは素早くできるのが特徴です。難問にこだわらず早めに切り上げて、他の問題に解答時間を使いましょう。

⑤ 旅行実務
第10問は、本年も難問が多くなりました。しかしここでも、Cレベル問題はなく、ほとんどがBレベルです。時差計算など解答に時間がかかるものがありますが、ここでの失点は大きいので、何とか乗り越えたい分野です。問45は、フェニックスはアリゾナ州の都市で、同州はDCTを実施していないことを知らないと難問。しかし消去法で正答できたかも知れません。
問46では、ITCでメキシコシティを見つけるのが大変ですが、都市名が明記されているのは逆にありがたいことです。問52のアライアンス(航空連合)とエアラインコードは把握が難しいです。

5.おわりに

冒頭に書きました通り、今年は国内旅行実務・海外旅行実務でやや難度が下がりました。難問もありますが、今年も定番といわれる問題が圧倒的です。
やはり過去問題を解き、コアとなる知識をより多く理解吸収することが大切です。意図的な難問は必ず出題されます。Cレベルはやむを得ないとしても、Bレベルでどれだけ正答率を上げられるかが、合格への大きなカギです。
後日、日本旅行業協会から正解と合格基準が公表されます。合格基準は例年どおり、各科目について満点の60%以上(海外旅行実務のみ120点以上、その他の科目は60点以上)の正答率となるでしょう。全科目受験者の合格率は昨年の7.9%を上回り、2ケタに届くと予想します。

※解答速報はフォーサイト独自のものであり、正解を保証するものではありません。また、情報を予告なく更新することがあります。
※解答速報・試験講評に関するご質問はお受けしておりませんので、予めご了承ください。
※この解答速報・試験講評の著作権は株式会社フォーサイトが有し、無断転載及び無断転用を禁じます。