社労士が申請代行可能な「障害者手帳」とは?手続きの流れやメリットを解説

社労士が申請代行可能な「障害者手帳」とは?手続きの流れやメリットを解説

「障害者手帳」とは?

障害年金を専門とする社労士の業務のひとつに、「障害者手帳の申請代行」があります。このページをご覧いただいている読者の皆さんの中には、現状、「障害者手帳」といってもピンとこない方も少なくないと思います。しかしながら、年金の専門家である社労士は障害年金についてはもちろん、それに関連する障害者手帳について正しく理解しておく必要があります。

このページでは、これから社労士を目指す皆さんに向け、一足早く「障害者手帳」の制度概要や取得するメリット等について解説します。

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目次

「障害者手帳」とは?異なる3種類を解説

障害者手帳とは、障害を持つ方がその旨を公的に示すためのものです。障害者手帳を有していることで、社会的に障害の状態に合った配慮を受けることができるようになります。障害者手帳には「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があり、障害の種類によって異なる名称の手帳が交付されます。

身体障害者手帳

「身体障害者手帳」は、文字通り、身体上の障害を示すものです。具体的には、視覚障害や肢体不自由などの障害が「一定以上の程度のものであること」「永続すること」の要件を満たす場合に交付されます。障害の程度については、身体障害者福祉法施行規則別表第5号「身体障害者障害程度等級表」で1級から6級の等級に定められるもの、7級の障害が2つ以上重複するものが、手帳交付対象となります。

なお、身体障害者手帳には、等級のほかに「第1種」「第2種」の種別があり、障害の状態に応じて交通機関の運賃割引に係る支援内容が異なります。

参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)」

療育手帳

療育手帳は、知的に障がいがある方を対象とした障害者手帳です。名称は、各自治体によって「愛の手帳」や「みどりの手帳」等異なる場合があります。

療育手帳は、障害の程度が重度から軽度までの1度~4度に該当することが交付の要件となります。また、身体障害者手帳同様、手帳には、等級のほかに「第1種」「第2種」の種別があり、交通機関の運賃割引に係る支援内容が異なります。「第1種」は療育手帳1度~2度、及び療育手帳3度+身体障害者手帳1~3級、「第2種」は愛の手帳3度~4度に該当する際に交付されます。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、全ての精神疾患を対象とし、状態の程度に応じて1級~3級の間で認定されます。具体的には、統合失調症や鬱病、躁鬱病などの気分障害、てんかん、薬物やアルコールによる急性中毒又はその依存症等が挙げられます。

なお、精神障害者保健福祉手帳は他の種類の障害者手帳と異なり、種別の区分がありません。JR運賃に係る割引制度の設定はありませんが、他の交通機関が独自に精神障害者に対する割引制度を設けている例があります。

障害者手帳を取得するとどうなる?

障害者手帳を取得するとどうなる?

障害者手帳は、障害者の自立と社会参加の促進を図るために交付されるものであり、交付によるメリットは多岐に渡りますが、一方でデメリットも存在します。障害者手帳の申請を検討する上では、その両方に留意する必要があります。

障害者手帳を取得するメリットとは?

障害者手帳の取得により、障害者自身が社会的に様々な優遇措置を享受できるようになります。具体的な例としては、

  • 就労に際し、「障害者雇用枠」で雇用され、職場において配慮を受けながら勤務できる
  • 各種料金の割引や助成制度が受けられる
    具体的には、医療費の助成や公共料金・携帯電話料金などの割引がある
  • 所得税や相続税、贈与税といった税制面での優遇措置が講じられる

障害者手帳を提示することによって受けられる優遇措置や助成制度は、国が一律に定めるものの他、自治体や事業者が独自に設定するものもあります。

障害者手帳の取得はデメリットにも注意

一方で、障害者手帳の交付が改めてご自身の心身の状態と向き合うきっかけとなり、その結果、精神面での落ち込み等が生じる可能性は否定できません。

もちろん、障害者手帳の交付を受けていることは、自分から公表しない限り周囲に伝わる情報ではありません。また、交付を受けても提示しないこと、返納することは本人が自由に決定できます。障害者自身があくまで前向きに、状況に応じて主体的に障害者手帳を活用し、必要な支援を受けられるのが理想です。

社労士が申請代行可能!障害者手帳申請の手続き

障害者手帳申請の手続き

障害者手帳は、所定の障害状態に陥ったら自動的に交付されるものではなく、障害者本人からの申請によって受け取ることができます。障害者手帳の申請は、社労士による代行が認められており、障害者支援業務の一環として取り組むことが可能です。

ここでは、障害者手帳の申請について、一連の手続きの流れを確認しておきましょう。

障害者手帳の申請は市区町村の福祉課あてに

障害者手帳の申請の際には、まず市区町村の福祉課で申請書類を受け取る必要があります。自治体によっては窓口に出向くことなく、ホームページからダウンロード可能な場合もあるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

その後、医療機関で診断書の交付を受けます。障害者手帳申請用の診断書作成は、都道府県知事に指定された医師のみに認められています。診断書の発行費用と併せて、かかりつけの医療機関で対応可能かどうかを、事前に確認しておくと安心です。

診断書や申請書、その他の添付書類が整ったら、申請窓口である市区町村の福祉課に提出します。

障害者手帳は申請から何日くらいで発行される?

障害者手帳は、申請を受けて即時に交付されるわけではありません。申請後に審査を経るため、申請から交付までには1ヵ月半ほどかかります。就職活動等で障害者手帳が必要になる等、「この日までに準備したい」といった期日がある場合には、余裕を持って申請しなければなりません。

障害者手帳の申請代行に着手する社労士は「障害者支援の専門家」であれ

「障害者支援の専門家」であれ

社労士であれば、障害者手帳の申請代行をきっかけに、障害者就業支援、障害年金の申請まで、幅広く障害者支援に携わる可能性があります。よって、「単発で障害者手帳の申請代行を受ける」といった感覚ではなく、その先のサポートも見据えた助言や取り組みを想定できなければなりません。

社労士の観点から、「障害者支援」を総合的に理解し、専門家として業務に携わることができるよう、準備しておく必要があります。

まとめ

  • 障害年金の専門家である社労士は、単に年金の裁定請求だけでなく、「障害者手帳の申請代行」の段階から障害者支援に携わることがあります
  • 障害者手帳には「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があり、それぞれの種類や等級、種別に応じて状態にあったものが交付されます
  • 障害者手帳は障害者の自立や社会参加を円滑にする目的で交付され、提示することで国や自治体、各事業者から優遇措置や助成が受けられます
  • 障害者手帳の窓口は市区町村の福祉課で、相談や申請を行うことができます
  • 障害者手帳の申請代行に携わる社労士は、専門家として、就労支援や障害年金の申請代行といった先々の取り組みを見据え、適切な助言や支援を行う専門知識を有する必要があります
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