実務家密着取材

直撃インタビュー
社会保険労務士 勝山竜矢さん

社会保険労務士   勝山竜矢 さん

1976年 東京都多摩市出身。1999年に帝京大学文学部心理学科卒業後、印刷会社に法人担当営業として入社。2003年度社会保険労務士試験に合格し、某IT系企業の総務部人事課にて勤務。退職後、矢萩経営労務管理事務所へ入所し、Sonyが展開するASP勤怠管理システム”Internet Time Recorder”の営業販売を担当。2006年に勝山社会保険労務士事務所を開業し、2009年に中小企業専門の給与アウトソーシング会社「株式会社リーガルネットワークス」を設立。

株式会社リーガルネットワークス代表の勝山さんが運営するホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.kintaikanrikenkyujo.jp


資格は、新しい人生を歩むためのパスポート。
縁から生まれた独自の社労士ネットワーク。

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは、活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は社会保険労務士である勝山竜矢さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


給与計算のアウトソーシングサービスを中心に、中小企業の成長をサポートするためのサービスを展開しています。主な業務内容は大きく3つに分かれます。給与計算処理、給与計算アウトソーシングサービス、労働・社会保険手続きです。スムーズなアウトソーシングを実現するため、ソニーが展開する中小企業向けASP勤怠管理システム”Internet Time Recorder“ の販売・開発支援を行っています。500社以上の中小企業の勤怠管理・給与計算業務の現状をヒアリングし、改善の提案、システムの効率化に努めています。さらに、就業規則(特に労働時間/休日休暇)の改訂等にも力を注いでいます。労働時間管理法制の知識とシステム構築を軸に中小企業の給与計算業務を効率化させ、アナログな部分はすべてアウトソーシングして頂くという、新しい付加価値を付けた給与計算アウトソーシング業務を行っています。システムによって給与計算を簡便化したサービスを提供し、コンサルティング業務でお客様をバックアップしています。


中小企業をメインに顧客開拓

中小企業をメインに顧客開拓


資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


大学卒業後、中堅印刷会社に入社し、約3年間法人向けの営業担当になりました。早朝から深夜まで都内や神奈川県内を車で走り回って毎日10件以上の打ち合わせをする日々の中で、偶然、弁護士以外で法律を生業とした職業があることを知りました。もともと“労働法”に関心があり、「人に対しての法律というアプローチで入りたい」という気持ちから社会保険労務士の勉強をスタートしました。会社で働きながら週末予備校に通いましたが、勉強する時間がなかなか取れず1度目の受験は敗退しました。2度目は派遣で働きながら資格取得に専念し、独学で過去問を中心に勉強して合格しました。


資格を取られてから、どのように仕事を進められたのでしょうか


社会保険労務士資格を取得してから、IT系企業の総務部人事課に勤務しました。その後社会保険労務士事務所に入所し、社会保険労務士業の基礎を身につけました。 また、縁あって営業のキャリアと社労士の知識を買われ、ソニー株式会社によるASP勤怠管理システム“Internet Time Recorder”の営業をスタートしました。システム導入を担当させて頂いたお客様は、小売店(特にアパレル/雑貨店)を展開する企業が多かったですね。1000人規模のアパレル会社を担当させて頂いたのをきっかけに、多くの流通企業を担当、流通企業(小売店)の勤怠管理のノウハウを修得しました。そして2006年に”勝山社会保険労務士事務所”を開業。事務所としては、勤怠管理システムを導入して頂いた中小企業のフォローアップをし、給与計算や社会保険/労働保険手続きの代行をメインに行いました。システムのバージョンアップ時の仕様検討の会議に出席し、営業だけでなく社労士の観点からシステムの整備に力を尽くしました。草創期で未成熟なシステムではありましたが、とても画期的な製品の立ち上げ、監修を行うことで自分自身も成長している実感がありましたね。


2006年に開業し、現在は新宿にオフィスを構える

2006年に開業し、現在は新宿にオフィスを構える


仕事をスムーズに進める上で心がけていることは何でしょう


基本的に「嘘がない」ようにしています。法律にはさまざまな見方、捉え方があります。そこを見誤らないようにしていますね。また、「誰に対して仕事をしているのか」を意識するようにしています。担当者と話す場合、直接社長と話す場合、それぞれありますが、相手の価値観、考え方が全く違います。そのあたりをよく考えて話し、行動するようにしていますね。


胸元には社労士バッジ

胸元には社労士バッジ


今後の目標について教えてください


2009年に株式会社リーガルネットワークスを立ち上げましたが、勤怠管理システムの導入支援から給与計算のアウトソーシングまで一気通貫に対応し、中小企業の本当の意味でのパートナーとして、サービスを提供していきたいと思ったからです。
中小企業の多くが、人員や予算の問題から「ITのスペシャリストの確保が難しい」という現実を見てきました。勤怠管理システムを活用し戦略的な人材マネジメントのお手伝いをすることで、今後も中小企業をサポートしていきたいと考えています。座右の銘でもある「雨だれ石をも穿つ」ではありませんが、少しでも前進し中小企業の経営者の皆様のお役に立てる“日本一お客様に愛される社会保険労務士事務所”を目指して、これからも邁進していきたいと思います。


「日本一お客様に愛される社会保険労務士事務所」を目標に

「日本一お客様に愛される社会保険労務士事務所」を目標に


社会保険労務士という資格は、パスポートだと思います。私自身は積極的に何かを仕掛けるタイプではないのですが、資格を取り起業することで責任感が強くなり、自分自身でも成長したと感じています。ある期間一生懸命勉強して合格すれば、達成感と共にある種の自信にもつながります。自分を追い込んで短期集中でやってみてください。パスポートをどう使うかは、あなたの未来にかかっています。