実務家密着取材

直撃インタビュー
社会保険労務士 滝島秀信さん

社会保険労務士   滝島秀信 さん

1977年埼玉県生まれ。大正大学人間学部社会学科を2000年に卒業後、情報システムインテグレーターに入社。SEとして、大手企業の人事システム開発・導入支援に従事。2002年の3月に退社し、同年に社会保険労務士の資格を取得。
2004年1月より東京都内の社会保険労務士早坂事務所にて、社労士としての勤務経験を積む。2006年4月にたきしま社労士事務所を開業し、現在に至る。

滝島秀信さんが代表を務める「たきしま社労士事務所」のホームページは、下記のとおりです。
URL : http://www.sr-taki.com


「+α」のアドバンテージをキャリアに活用
人事システムに精通した元SE社労士

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は社会保険労務士であり、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の資格を持つ滝島秀信さんから、お話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


現在、最も力を入れているのは、会社設立・創業サポートですね。会社を興し、従業員の方を初めて雇い入れる場合、たくさんの手続きが必要です。私の事務所では『創業サポートパック』を用意し、必要な手続きをまとめてサポートしています。また、就業規則の作成・変更、労働・社会保険手続き・給与計算の代行サービス、 助成金申請手続き、また労務に関するご相談等も受けています。私が敢えて新宿を拠点にしたのは、会社・企業の新陳代謝が激しい場所だからです。最近では都内をはじめ、地元・埼玉のスポット案件も多く請けています。


滝島さんのオフィスは新大久保駅にほど近い距離にある

滝島さんのオフィスは新大久保駅にほど近い距離にある


資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


新卒で入社した会社は、大手企業が導入しているシステムの設計、開発、運用、保守、管理、コンサルティングを一括請負する情報通信企業でした。私はSEとして、大手企業の人事システムの導入支援を手掛けていました。仕事をする上で、人事制度や法律についての知識の必要性を感じていたときに出会ったのが、社労士の資格教材でした。専門知識を得るのと同時に「資格も取得しよう」と思い立ち、2001年から受験勉強をスタート。2002年3月に退職し、半年ほど集中して本格的に勉強し、2回目の試験で無事合格しました。


滝島さんは2002年の社労士試験に合格

滝島さんは2002年の社労士試験に合格


開業してからどのようにお仕事を進めていきましたか?


社労士の資格を取得後、一般企業の人事部に就職したり、都内の社労士事務所で経験を積んだりして、自分なりのノウハウを得てから開業しました。自分が描く「社労士としての理想像」を明確にしてからでなければ、難しいと思ったからです。事務所設立当初は、ダイレクトメールを送ったりポスティングをしたりしましたが、反応は良くありませんでした。しかし、手作り感のある親しみやすいホームページを作ったところ、評判が良く、コンスタントに問い合わせがくるようになりました。そのうちにお客様の口コミや紹介案件も増えていき、2007年3月に新宿へ移転。その後、ようやく軌道に乗り始めた感じですね。


穏やかな口調で話す滝島さん

穏やかな口調で話す滝島さん


お仕事の際に気をつけていること、心がけていることは何でしょうか?


レスポンスを早くするように心がけています。お客様から言われたこと、お願いされたことを出来るだけ早く、的確に対処するようにしていますね。また、基本的に、お客様を訪問するのが私の方針です。インターネットはあくまで、お問い合わせ時の窓口でしかありません。対面でのコミュニケーションから得るものは大きいと思います。ダイレクトに企業・会社を訪問させていただき、お客様から得る情報すべてを総合的な判断材料としていますね。


社労士にとって、必要な資質とはどういうものでしょうか?


自分を律し、コントロールする力だと思います。業務時間や職務内容をはじめ、思い通りに出来る半面、すべて自分の判断で責任を持ってやらなければなりません。「言われたことをそのままやる」というような人よりも、「自分で仕事を作り出す」能力を持った人の方が向いているのかもしれませんね。率先して何かをやるリーダ―シップのある人が、この職業に向いているような気がします。


滝島さんの趣味は釣り

滝島さんの趣味は釣り


今後の予定、夢を教えてください


現在は労務関係を中心にしていますが、今後は社労士を目指す人達にも夢を与えられるような仕事をしたいと思います。私は大学で就職活動中の学生たちに対し、キャリア・アドバイザーもしているのですが、潜在的な社労士のキャリア開発にも力を入れていきたいと考えています。また、社労士仲間と立ち上げたLLPでは、それぞれの特性やコネクションをいかしてコンサルティングやセミナー等を積極的に行っていきたいと思います。



“社労士になる”ということ自体、そんなに難しいことではないと思います。実際にやってみて、「どうしてもダメで続けられません」という話はあまり聞いたことがありません。それ以前に一歩踏み出さない人が多いのだと思います。少しでも人より際立つ個性、特長があれば、何とかなると思います。「社労士+α」のアドバンテージを持つように心がけ、自分の進みたい道へと一歩踏み出してほしいと思います。


社会保険労務士   滝島秀信 さんの、ある1日


ある日のスケジュール
7:30 起床 朝食、身支度
9:30 出社 メールチェック
10:00 外出 ハローワーク
11:00 外出 年金事務所へ
12:00 昼食  
13:00 帰社 事務処理、給与計算等
15:00 外出 顧問先訪問
17:30 帰社 書類作成
20:00 退社  
21:30 帰宅 その後、夕食
25:00 就寝