実務家密着取材

直撃インタビュー
社会保険労務士 春原繁さん

特定社会保険労務士/行政書士   春原繁 さん

1963年茨城県生まれ。大学卒業後、主にオフィス家具、オフィス設備の製造・販売を行う一部上場企業で営業に従事。2000年に社会保険労務士を受験し、一回で合格。2002年に退職し、「すのはら社会保険労務士事務所」を開業。翌年行政書士資格を取得。現在は、社労士業にとどまらず、中小企業に特化した人事コンサルティング、労務管理のサポート、各種契約に関するアドバイス、許可申請等、幅広いサービスを展開している。

春原繁さんが代表を務める「すのはら社会保険労務士事務所」のホームページは以下のとおりです。
URL : http://www.sunohara-sr.com


「日本の社長を元気にしたい!」
気付きと気配りで中小企業をバックアップ

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、社会保険労務士/行政書士の春原繁さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


私は社会保険労務士と行政書士のダブルライセンスを持っていますが、社労士業をメインにしています。労務管理全般、就業規則の作成、個別労働紛争の防止・解決のためのコンサルティング業務と労働・社会保険の各種手続き、助成金の申請や給与計算といったアウトソーシング業務が中心です。クライアントは中小企業が多く、業態や規模、業績を参考に、会社の実態に合わせた人事・給与制度の提案、構築を手掛けています。社労士として顧問をしているお客様からの御依頼で、行政書士として各種契約に関するアドバイス、許可申請等を行うこともありますね。


春原さんのオフィスは千代田区にある

春原さんのオフィスは千代田区にある


資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


私が資格の勉強を始めたのは、「会社員という枠にとらわれず、仕事をしたい」と思ったからです。15年間営業ひと筋だったのですが、取り組んでいた仕事に限界を感じていました。そこで、「どうせ一度しかない人生なのだから、自分の判断で責任を取れる仕事をしたい」と思うようになりました。「元手をかけずに商売するには資格を持つのが一番」と考えて、営業の仕事を続けながら受験勉強をスタートしました。その際、社労士を選んだのは、仕事に将来性を感じたからです。その後、顧問先のお客様からの要請を受けて、行政書士も取得しました。


ダブルライセンスを持つ春原さん。メインは社労士

ダブルライセンスを持つ春原さん。メインは社労士


資格取得後、どのようにお仕事されたのでしょうか?


社労士の資格を得てすぐに会社へ辞表を出したのですが、慰留され、約1年半後に円満退社しました。独立してやっていくにはコネクションが重要と考え、退職後に、取引先の会社やグループ会社に「社労士になります」と挨拶まわりをしました。社労士の業務については全く経験がなかったので、資格学校の開業セミナーを受講しました。その後の懇親会で講師と親しくなり、千代田区の若手社労士のネットワークに参加することになり、そこから紹介された仕事や勉強会を通じて実務を覚えていきましたね。また、前職時代の上司や同僚からの紹介もあり、良いスタートを切れたと思います。現在でも、紹介がメインで特に営業活動はしていません。一方で、経営者や人事担当者を対象としたセミナーの講師をする機会が増えていますので、そこからご縁をいただくこともしばしばあります。


会計事務所とタイアップしたセミナーも随時開催

会計事務所とタイアップしたセミナーも随時開催


お仕事の魅力、やりがいは何でしょうか?


自己責任で、会社員時代よりも仕事に対して自由に取り組めることに、やりがいを感じています。お金をいただき、目の前のお客様が喜ぶ顔を見ることが出来るというのは、この仕事ならでは。起業した当初は休みなしで働いて大変な思いをしたこともありますが、辞めて今の仕事を選んで良かったとしみじみ思いますね。


趣味のサイクリングで大会にも出場

趣味のサイクリングで大会にも出場


お仕事の際に気をつけていることは何でしょうか?


私のモットーは「誠実に、親切に、迅速に」です。仕事において大事なのは気付きと気配り。まず、クライアントの話をしっかりと聞く。そして、相手が本当に悩んでいること、困っている問題にいかに気付いてあげられるかが肝心だと思います。
 また、会社には会社なりのルールが存在し、常識も考え方も人それぞれです。15年間の会社員時代に培った“聞く力”と社会経験を活かし、相手の立場になって、出来るだけ事実を客観視して対応するように心がけています。


今後の展開、将来の展望について教えてください


現在、社労士3人が、それぞれ各分野のエキスパートが対応するようにしています。私は中小企業の労務管理・コンサルティングがメインですが、各種書類の手続き関係に精通している者、給与計算が得意な者がいます。それぞれの得意分野・専門領域を活かしつつ、業務の幅を拡げていきたいと考えています。社労士3人がそれぞれ各分野のエキスパートが対応するようにしています。ゆくゆくは、このネットワークを法人化したいですね。


独自の社労士ネットワークを持つ

独自の社労士ネットワークを持つ


社労士と行政書士は、多くの士業の中でも、今後ますます需要が見込める職業です。特に、社労士は知名度も上がってきていますし、会社というものが存続する限り、必ず求められる職業だと思います。資格がなければ、スタートラインに立つことも出来ません。是非、頑張ってチャレンジしてみてください。


特定社会保険労務士/行政書士   春原繁 さんの、ある1日


ある日のスケジュール
7:00 起床 朝食、新聞チェック
8:00 出社  
10:00 社内 スタッフとミーティング
11:00 個別相談 クライアント訪問(就業規則の作成について)
13:00 昼食  
14:00 個別相談 クライアント訪問(派遣業の法律改正について)
16:00 個別相談 クライアント訪問(労使間のトラブルについて)
19:00 社内 スタッフから業務報告を受けた後、事務処理
22:00 退社  
24:00 就寝