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舟を編む

舟を編む

言葉という大海原に漕ぎ出して辞書という名の『舟を編む』

誰もが一度は手にしたことがありながら、親近感がわきにくい本、辞書。

そこにあるのは、言葉の定義の連なり。特定の誰かの感情が語られることは一切なく、紙一面に小さな文字が羅列されています。圧倒的な文字の量を受けて、無機的な印象を持ってしまう人も多いかもしれません。

そんな辞書を制作する出版社の編纂者たちにスポットライトを当てたのが、三浦しをん。『風が強く吹いている』がマンガ・ラジオドラマ化、映画化され、『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞した作家です。

この物語は、辞書作りに携わる者たちが全てをかけて一冊の辞書を編みあげるまでのプロセスを描いた奮闘記です。

地味かつ地道な作業の積み重ね
辞書づくりの裏側にある人間模様

主人公は、玄武書房の営業部で「変人」扱いされていた馬締(まじめ)光也。定年を間近に控えたベテランの辞書編集者・荒木は、後任を託すべく、言葉に対して特別な才覚を持つ馬締を辞書編集部にトレード。馬締は、嘱託となった荒木、日本語の研究に人生を捧げる老学者、ソツなく仕事をこなすチャラ男など個性豊かな面々と共に、一冊の辞書を刊行するべく、持ちうる限りのエネルギーを注ぎます。

辞書の編纂は、流れる言葉をひとつひとつ、丁寧に汲み取り、「用例採集カード」にすくい上げるという作業から始まります。本質を見極めながら、正確を期して、削るように語釈にまとめます。言葉を辞書に編み込んでいくためには、細かさと精密さ、膨大な労力と時間が必要となるのです。

登場人物たちは言葉のエキスパートではあるけれども、決して器用に生きているわけではありません。時には悩み、傷つきながらも、出版する辞書「大渡海」の編纂を通じて、自分の人生・恋愛・そして言葉に対し、本気で向き合っていきます。

言葉は心を映し、伝えるもの
その解釈は、十人十色

心・感情を伝えるためのツールである、言葉。気持ちを表す適切な表現が見つからなかったり、一語一語を上手に紡ぎ合わすことが出来なかったり。「どうしたら、うまく伝わるんだろう」なんて、もどかしい思いをした経験は、きっと誰にでもあるはず。

その一方、黙って行動することで、言葉以上に、思いを伝えられることもあります。大事なのは「伝えたい」という気持ち。言葉は記号であり、解釈はさまざま。共通認識を持つ者の間でしか、分かり合えないこともあります。

受験生の皆さんは、志望する業界の専門用語を正しく理解するため、日夜励んでいることでしょう。たまには、気分転換がてら、国語辞書を手にとってみてはいかが?心を解き放ち、言葉の海に漕ぎだしてみたら、さらに世界が広がるかもしれませんよ。

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