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夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997−2009

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997−2009

世界中で最も読まれている現代日本文学作家・ムラカミハルキ

2010年のノーベル文学賞候補とも取り沙汰され、今や日本を代表する世界的文学者である村上春樹。

1987年に刊行後、2008年には発行部数1000万部を超えた大ベストセラー作品「ノルウェイの森」は、ベトナム系フランス人監督トラン・アン・ユンによって今年映画化。小説のほかにエッセイ、米文学作品の翻訳、ノンフィクションなど創作活動は多岐にわたっています。

村上春樹は、ヨーロッパやアメリカなど国内外で執筆活動を展開。世界を取り巻く状況、社会を見つめる確かな眼力を持った作家として知られています。2009年にはイスラエル最高の文学賞、エルサレム賞を受賞し、自身の言葉で語られた英語スピーチは多くの反響を呼びました。

村上ワールドの特徴は、シンプルな文章に難解なストーリー展開。「近づきやすいが、とらえがたいーーー」。そう評される繊細な作品ばかりです。“ムラカミハルキ”を取り上げた論文、研究図書は多数、刊行されていますが、今回取り上げた作品は、村上春樹自身が選出したインタビュー集。

小説家として30年以上のキャリアを持つ一方、「インタビュー嫌い」として知られる著者が 国内外からの依頼によって受けた13年間のうちのインタビュー18本が収録されています。

自分が聡明ではないことを知り、ならばこそ僕はこうして小説を書いているのだ

もともと「しゃべるのが得意な人間ではない」という著者。作家になる前は、開業資金500万円程度のジャズ喫茶のオーナー。20代の間は、「毎日立って働いて、重いものを運んだり、なんのかんのと朝から遅くまで、かなりきつく身体を動かしていた」そうです。

29歳の時に天啓を受けたように小説を書き始め、投稿した作品が新人賞を受賞。作家になったことについて、「僕は、自分の中にも底の底の方で物語が湧いているんだってことを、たまたま偶然見つけた人間だから、その幸運に対して感謝する気持ちがすごくあるんです。大事にしたいという気持ちが強い。」とインタビューの中で述べています。

毎日規則正しい生活をし、マラソン等で身体を鍛え、小説を書きあげる体力を維持しているという村上氏。「目覚めながら夢を見る」ように、物語の世界に埋没するといいます。

地に足のついた生活者が紡ぎだす変化と成長のストーリー

大学卒業後、アウトサイダーとしての道を歩んできた村上氏。「どんなオフィスにも、どんな会社にも所属したくなかった。ただ自分自身でありたかった。」といいます。そして現在も、文壇の派閥や集団に属することなく、「深い混沌の中で生きて行く個人の姿勢」をテーマに書き続けています。

「僕は文芸社会の中で育ってきた人間じゃないから、やっぱりひとりの生活者として、生活の延長線上あるものとして、文学を考えます」という村上氏。「物語の真の意味は、経験をし、探そうとし、変化するプロセスにある」と述べています。ムラカミワールドの主人公は、たいていの場合、その人にとって重要な何かを探し始め、探しているうちに、そのものが意味を失い、目的に到達することが重要ではなくなります。

受講生の皆さんが紡ぎ出すストーリーの主役はあなた自身。あなたの重要なものは何ですか?

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