請負とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

請負とは
請負人が仕事を完成させ、注文者がその仕事に対して報酬を払う契約を言います。
請負において、請負人は完成した目的物を引き渡す義務があり、注文者は報酬を支払う義務があります。この「目的物の引渡し」と「報酬の支払い義務」は同時履行の関係にあります。
同時履行の関係とは、相手の履行のときに、自分も責任を果たす義務がある関係を言います。
したがって、請負者が目的物を引き渡さなければ注文者は支払いを拒むことができますし、注文者が対価を支払わなければ、請負者は目的物を引き渡すことを拒むことができます。

請負人の担保責任
履行の追完の請求(修補・代替物の引渡し等)
原則 相当の期間を定めて行います 例外 注文者は、相当の期間を定めて修補(履行の追完)を請求できます。改正前にあった「瑕疵が重要でなく、かつ修補に過分の費用を要するときは請求できない」という例外規定は削除されました。ただし、修補が契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして不能であるときは、履行の追完を請求することはできません。
損害賠償請求権
注文者は、修補(履行の追完)とともに、または修補に代えて、損害賠償を請求することができます。ただし、その不適合が請負人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、損害賠償を請求することはできません。そのような場合、修補に代えて損害賠償請求のみも可能となります。そしてこのお金で他の人に直してもらうことができます。
解除権
原則 注文者は、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは契約を解除できます。契約をした目的を達成できないときなどは、催告をせずに解除できます。改正前は目的物が建物その他の土地の工作物であるときは解除できないとされていましたが、この規定は削除され、現在は建物でも解除できます。 例外 なし(改正前の民法にあった、建物などの土地の工作物についての解除の制限は削除されました。)

担保責任の存続期間
| 原則 | 注文者が不適合を知った時から1年以内に請負人に通知する必要があります(民法637条)。 |
| 例外 |
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第三者に譲渡した場合の契約不適合責任の請求権者
1.目的物を第三者に譲渡した後でも契約不適合責任を追及することができます。ただし、請求できるのは第三者ではなく、あくまで注文者となります。目的物を第三者に引き渡したからといって請負人が責任を免れるのはおかしいからです。

2.担保責任を負わない旨の特約をしても、知っていながら告げなかった事実については免責されません。
住宅の瑕疵担保責任についてのまとめ
| 請負の場合 | 請負 | 原則:注文者が不適合を知った時から1年以内に通知 |
| 品確法 | 原則:引渡しから10年間義務 例外:20年以内であれば特約により延長することができます | |
| 売買の場合 | 売買 | 原則:知った時から1年以内に通知 |
| 業者自ら売主の場合 | 原則:引渡しから2年 | |
| 品確法 | 原則:引渡しから10年間義務 例外:20年以内であれば特約により延長することができます |
委任と請負の違い
委任と請負の大きな違いは、仕事の完成義務を負うかどうかにあります。
委任も請負もお願いされて、仕事を行うことに変わりはありません。請負は、請負人が仕事を完成させることを約束して、注文者がその完成した仕事に対して対価を支払うことで成立するものです。
一方、委任は当事者の一方が法律行為をお願いして、他の一方がその仕事を行うという内容の契約をすることです。
請負は仕事の完成が目的ですので、必ずしも自分でやる必要はなく、下請け人を使用して仕事を完成させても良いとされています。仕事を完成させる義務があるという点で、請負は委任よりも重い責任を負います。
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請負に関する過去問
※この問題は2020年4月施行の改正民法より前の出題です。現在は「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に改められています。
問題
AがBに対して建物の建築工事を代金3,000万円で注文し、Bがこれを完成させた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 請負契約の目的物たる建物に瑕疵がある場合、瑕疵の修補が可能であれば、AはBに対して損害賠償請求を行う前に、瑕疵の修補を請求しなければならない。
- 請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、Aは当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
- 請負契約の目的物たる建物に瑕疵があり、瑕疵の修補に要する費用が契約代金を超える場合には、Aは原則として請負契約を解除することができる。
- 請負契約の目的物たる建物の瑕疵について、Bが瑕疵担保責任を負わない旨の特約をした場合には、Aは当該建物の瑕疵についてBの責任を一切追及することができなくなる。
平成18年度宅地建物取引士資格試験 問6
解説
- 誤り。
注文者は、修補(履行の追完)に代えて、またはその修補とともに、損害賠償の請求をすることができます(民法559条・564条・415条)。よって、Aは、修補を請求せずに損害賠償請求をすることもできます。 - 正しい。
請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者は、請負人に対し、当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができます(最判平14.9.24)。※これは改正前の民法のもとでの判例です。 - 誤り。
改正前は、目的物が建物その他の土地の工作物であるときは解除できないとされていましたが(旧635条ただし書)、同条は削除され、現在は建物であっても、民法541条・542条により契約を解除することができます(559条)。 - 誤り。
請負人は、担保責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができません(民法559条・572条)。

請負に関して、契約不適合を理由とする損害賠償ができるのは、注文者となります。例えば、階段の手すりが壊れて怪我をし入院をしたというような場合、契約の内容に適合しない部分が原因で損害が発生したことになります。この様な場合は、最高裁の判例となりますが、損害賠償の請求が認められるという事になります。
改正民法では、売買・請負のいずれについても「契約不適合責任」に統一され、改正前のような区別はなくなりました。
注文者の解除権と、契約不適合を理由とする解除権の違いを以下にまとめますので、ご参照ください。
注文者の解除権
- 契約の当初から持っている
- 目的物が建物や土地の工作物でも解除できる
- 注文者は解除するときに損害賠償させられることがある
契約不適合を理由とする解除権
- 目的物が契約の内容に適合しないときに、催告解除(541条)または無催告解除(542条)として行使できる
- 注文者が解除するときに損害賠償させられることはない
