善意無過失とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

善意無過失とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

目次

善意無過失とは

まずは、「善意」と「無過失」に分けて、言葉の意味を考えていきましょう。

「善意」とは

宅建以外の日常会話でも善意という言葉は割と使う用語かと思います。

その際の使い方としては、「店長さんの善意で、1つおまけしてくれた」というものになります。 つまり、意味としては言葉通り「好意」や「よい感情」となります。

一方宅建での使われ方は、通常の意味とは異なりますので、注意が必要です。

宅建で「善意」というと、「知らない」という意味になります。

「過失」とは

過失とは、「落ち度」のことを言います。

したがって、無過失とは過失が無いという読んで字のごとく「落ち度がない」状態を言います。

対義語として「有過失」という言葉がありますが、この読み方は「ゆうかしつ」で、意味は「落ち度がある」となります。

善意、悪意、故意、過失

善意の対義語として悪意があります。

これは、一般的な意味としての悪い感情を指すわけではなく、宅建では「知っている」状態を言います。

また、過失の対義語は故意となり、「わざと」や「知った上で」といったニュアンスになります。

英語での表記

善意無過失を英語表記すると、「good faithless fault」となります。

goodは「良い」faithlessは「不実な」faultは「過ち」といった意味です。

善意の第三者

宅建ではよく「善意の第三者」といったワードで出題されます。

善意の第三者とは、特定の内容を知らない当事者間の以外の人といった意味です。

では、実際に過去に出題された問題をみていきましょう。

平成19年 問1

Aが第三者Cの脅迫によりBとの間で売買契約を締結した場合、Bがその脅迫の事実を知っていたか否かに関わらず、AはAB間の売買契約に関する意思表示を取り消すことができる。

解説:第三者が脅迫を行った場合、相手方の善意・悪意を問わず、表意者は、意思表示を取り消すことができます。

意思表示との関連~心裡留保~

心裡留保をして契約を締結した場合に、その契約は有効なのか無効になるのか、また第三者がいた場合はどうなるのかを見ていきます。まず、心裡留保とは、当事者の一方が嘘をつくことです。

例)西川さんが、不動産屋さんに「家を売ってあげます」と話を持ち掛けました。しかし、これが西川さんの嘘で、本当は売る気がなかったとします。 そんな事情を知らない不動産屋さんは、西川さんの嘘を信じてしまいますので、後から「あれは嘘でした」という主張が通るのでは、不動産屋さんにとって、あまりにも酷です。

したがって、原則としてこの場合は西川さんが家を売るという意思表示は有効となります。

ただし、不動産屋さんが、西川さんが嘘を言っていることを知っていたり、知らないことについて落ち度があるような場合は、家を売るという意思表示は無効となります。無効となった場合でも、その不動産屋さんから西川さんの家をすでに購入していた、何も事情を知らない第三者がいた場合は、この意思表示は取り消すことができず、売買契約は成立となります。

意思表示との関連~錯誤~

次は、錯誤の場合をみていきます。 錯誤とは、勘違いといったニュアンスです。

例)西川さんは、別荘を売るつもりが、誤って家を売るという内容で契約をしてしまいました。 この場合、以下の2点を満たしていれば、家を売るといった契約は無効を主張できます。
  1. 重過失がないこと(=有過失でもOK)
  2. 要素の錯誤であること(=契約上、重要な部分に関わる勘違いであること)
別荘を売るつもりが家を売ることになったとは、十分に契約上重要な部分と言えますし、 西川さんに重過失もないことから、この契約は無効とすることができます。 そしてこの無効は、善意・悪意問わずすべての第三者に対抗することができます。

表見代理と善意無過失

表見代理の要件に善意無過失があります。 表見代理が成立するためには、

  1. 本人に過失が認められること
  2. 相手が善意無過失であること

以上の要件が必要となります。 これは、どちらか一方の要件があれば良いわけではなく、両方の要件が揃って 初めて有効となります。

表見代理

善意無過失に関するよくある質問

表見代理の事例を教えてください。

まず、表見代理の要件として、以下が必要です。

  1. 本人に落ち度があること
  2. 相手方が善意無過失であること
さらに、
A.代理権の範囲を超えた場合
B.以前は代理権があった場合
C.実際には代理権は与えていなかった場合
このA・B・Cの状態は代理権がない状態ですが、上記の1・2が備わることで表見代理が成立して、有効な代理行為が行われたことになります。

即時取得の要件とは、具体的にどういう事ですか?

 

「即時取得」とは、取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意無過失のときは、即時にその動産について行使する権利を取得することを言います。

例えば、友人が、横山さんから本を借りたとします。その後友人はお金に困り、その本を売ってしまいました。本を買った本屋さんは、友人が横山さんから借りたという事実を知りません。この場合、本は誰のものになるのでしょうか?

これを判断するのが、「即時取得のルール」です。

ちなみにこの場合、善意無過失で本を買い取った本屋さんのものとなります。

敷地権の登記がなされていれば、善意無過失でも無効との記述がありますが、 この別段の定めにおいて専有部分と敷地利用権の分離処分の例外を定めることの必要性、意味合いを ご教示頂けないでしょうか。

ご質問の件、以下の具体例でご説明させていただきます。

<具体例>
例えば、あるマンションが2階建てから3階建てに増築された場合、このマンションに以前から住んでいた区分所有者たちは、増築部分の区分所有者に対して敷地利用権を分け与える必要があります。このような場合に備えて、規約によって専有部分と敷地利用権の分離処分を可能にする必要があると考えていただければと存じます。