割賦販売とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説
更新日:2019年7月29日
割賦販売とは
分割払いで商品を販売することです。
具体的には、宅建業者への支払いを1年以上の期間に2回以上分割して払うことを定めた売買契約を言います。
割賦販売の考え方
買主の代金支払いが遅れた場合は、以下の流れとなります。
相当な期間を決めて、支払を催告します。※このとき「相当な期間」とは、「代金支払の準備に必要最小限の日数」を指します。
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それでも支払わない。
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解除することができます。
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しかし、宅地・建物の場合、多額かつ長期にわたって分割払いをするので、この流れは厳しい場合があります。
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そこで、業法は買主保護の観点から民法の規定に変容を加えました。
割賦販売のポイント
30日以上の相当の期間を定めて、かつ、その支払を書面で催告します。
- 「30日以上」の理由:30日以上であれば、もう1度給料がくるので支払いが可能になるからです。
- 「書面で」の理由:書面でないと、30日以上の相当期間を定めたか否かを後で確認できないからです。
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それでも支払わない。
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契約の解除をするか、または、残りの回の割賦金を全額請求することができます。
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そして、これらの内容に違反する特約は全て無効となります。
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業者間には適用がありません。
割賦販売に関するよくある質問
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割賦販売とローンの違いは何でしょうか?
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割賦販売とは、お客さんと不動産を販売する宅建業者という2者間での関係になります。
(例)全10回の賦払金を宅建業者に支払う。
一方、ローンは、お客さんと金融機関、さらに宅建業者の3者間での関係となります。
(例)35年で住宅ローンを組んで、毎月一定額を金融機関に支払う。
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なぜ賦払金の支払いの遅滞を理由として売買契約を解除することができないのでしょうか?
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割賦販売契約を行う場合、賦払金がないときすぐに宅建業者は契約の解除をすることができず、
- 30日以上の相当の期間を定めてその支払を書面で催告
- その期間内にその義務が履行されないときでなければ解除することはできない
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「宅建業者が自ら売主となって、建物の割賦販売をする場合で、受領した金銭の総額が代金の10分の3を超えない場合には、宅建業者でない買主のためにその建物の所有権の移転の登記をしなくてもよい。」という問題が〇な理由を教えてください。
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原則として所有権留保をすることはできませんが、例外の1番目、代金の10分の3以下(問題文では10分の3を超えない)の場合には所有権留保が認められています。なお、所有権留保とは、買主が一定金額以上を支払わない間は、売主が所有権移転をしないことをいいます。
窪田義幸(くぼた よしゆき)
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
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