宅建士試験の過去問を使った勉強法とは?選び方から活用法まで

更新日:2022年12月22日

宅地建物取引士試験の合格には、過去問の使い方が重要です。過去問は本番に即した状況で問題を解けるので、実戦に備えられます。また重要な論点は、同じ試験で何度も出題されることがあるので、過去問から要点をつかめるでしょう。

今回は宅建士試験に合格したいが、正しい勉強法がわからない方のため、過去問の使い方をまとめました。こちらを参考に、過去問を合格につなげるヒントをつかみましょう。

目次

過去問の選び方

まずは過去問の選び方から学びましょう。過去問には主に3つの形式があるので、自分に合うと思ったものを判断してください。ここでは年代別、体系別、出る順の3種類を解説します。

年代別

年代別は、実際の資格試験の出題年ごとに編集された形式です。たとえば2022年度に発売された過去問が、10年分を収録しているとしましょう。2012年度から始まり、2021年度まで1年分ずつ見られるしくみです。

この形式は、模試に近い感覚で過去問を使いたい方におすすめです。実際に使われた問題構成が、そのまま載っています。模試がない時期は、こちらでの代用が可能です。解答プロセスや時間配分なども試せるので、いつでも本番の感覚をつかめるでしょう。

試験合格へ向けたリハーサルとしても、1冊押さえておきたいタイプです。

 

体系別

体系別は、テーマごとにまとめて掲載されたタイプです。使われている問題は、過去に出題されたものがほとんどです。しかし年代順ではありません。

たとえば宅建の過去問の場合、体系別なら民法や宅建業法などのジャンル分けがあります。テキストで民放の部分を読み終わったら、過去問で同じ箇所を演習として解けます。ジャンルごとに理解を徹底したい方におすすめです。

以上から体系別の過去問は、参考書代わりとしても使えるでしょう。模試とは違い、体系別は一問一答の精度向上につながります。

出る順

出る順は、重要性の高い順番に問題が出てくる形式です。体系別との違いとして、ジャンル分けもされていない可能性があります。また年代ごとにまとめられていないことも、出る順型の特徴です。

要点理解にこだわるなら、出る順の過去問を使ってもよいでしょう。重要度の高い問題から解けば、得点力につながるかもしれません。

実際は体系別過去問から、重要度の高い問題を選んで解いていく選択肢もあります。しかし大切なポイントから覚えていきたいと思ったら、出る順型の過去問にこだわってもよいでしょう。

宅建士試験の過去問を使う重要性や目的は?

宅建士試験では、過去問が重要です。過去に登場した問題と同じ要点が、次の本番でも問われる可能性があります。また学習範囲の目安の理解や、本番への取り組み方の習得など、さまざまな面で過去問がカギです。ここでは宅建士試験の勉強における過去問の重要性を見ていきましょう。

過去問から出題される場合がある

宅建士に限らず、資格試験では過去問からの出題が想定されます。新しい年度では、過去問を別のシチュエーションに置き換えた問題が見られるでしょう。どの問題文でも対応できるように、過去問での要点理解は重要です。

たとえば宅建士試験の民放では、制限行為能力者制度を学びます。精神上の問題によって、物事を判断しづらくなった人物のためのルールです。制限行為能力者に該当する場合は、家庭裁判所から後見開始の審判を受けます。重度の認知症患者が代表例です。

宅建では制限行為能力者への対応について、さまざまなパターンでの出題が想定されます。過去問から要点を学び、本番での応用力までつけることが大事です。要点によっては何年分にもわたって、問われ続ける可能性があります。そのため過去問で頻出要点を覚えましょう。

学習範囲の目安もわかる

宅建士試験で過去問を使えば、学習範囲の目安がわかります。本番では毎年違うパターンの問題が出ます。しかし学習範囲自体は、年によって大きく動く可能性が低いとされるのです。問題の傾向から対策を立てるうえでも、過去問がきっかけになります。

宅建士試験での頻出問題が分かれば、本番でも応用できる可能性があります。頻出要点をたくさん理解することが、得点力につながるからです。このタイプの問題を徹底的に理解すれば、ある程度の点数は確保できるでしょう。

学習範囲の目安を知るうえでも、過去問から問題構成を学んでください。

本番への取り組み方がわかる

過去問を使えば、本番への取り組み方がわかります。本番を意識しつつ過去問を進めると、適切な時間配分が身につくでしょう。試験合格を果たすには、本番の状況を知ることが大切です。

過去問を通して、解答スタイルの習得もできます。1番から最後まで順番に解く人もいれば、得意な方から問題を解く人もいるでしょう。過去問から最適な解き方を見つけてください。こちらの練習も、試験での実力発揮には欠かせません。

問題の解き方や時間配分などを知り、本番に備えられる点も、過去問のメリットです。

アウトプットの練習に使える

過去問を使えば、アウトプットの練習になります。資格試験ではインプットとアウトプットが重要です。知識を詰め込むだけでなく、使い方まで覚えなければなりません。

たとえばインプットは、テキストの読み込みが代表例です。宅建士試験の特定ジャンルについて、予備知識を持たない人もいるでしょう。その場合は、テキストの読み込みによる基礎からの認識が大切です。これがインプットと呼ばれます。

アウトプットは、学んだ知識を解答に活かすことです。試験本番ではさまざまな応用問題が問われます。過去問を通して応用力をつけていきましょう。演習を通した知識活用の練習が、アウトプットです。インプットとともに使い分けながら、知識定着を目指してください。

実力診断にも使える

過去問には実力診断の役割もあります。実際の本番であった問題構成を使っているからです。模試のように実力チェックができるでしょう。

ここでの注意点は、問題と正解の丸暗記にこだわらないことです。正解を覚えるだけでなく、その理由や必要知識を理解しなければなりません。運よく正解することだけでなく、そこにたどり着くまでの知識までマスターしましょう。

過去問の正答だけでなく、その背景までの理解により、実力をつけられます。目先の点数にとらわれてはいけません。正解や不正解の理由まで学ぶことが、合格後の宅建士業務のためにも重要です。

宅建士試験のために過去問を解くメリット

宅建士試験で学力を伸ばすには、過去問がおすすめです。そのメリットとして、理解力の向上、解答力の強化、本番への備えなどがあります。ここでは主な4つのメリットを見ていきましょう。

テキストの理解力を引き立てられる

過去問の利用により、テキストの理解力も高められます。テキストの部分によっては、読んだだけで理解できない可能性もあります。そこで行き詰まった場合は、過去問で該当部分を解き、解説をじっくり読んでみましょう。

たとえば宅建士試験には、宅建業法があります。実際に宅建士を目指さないと理解できないことがあるでしょう。テキストを読んだだけではピンと来ないかもしれません。

そこで該当ジャンルの過去問を解いてみましょう。正解は不正解の理由として解説があれば、腑に落ちることがあります。このように過去問は、テキストの理解を深めるうえでの重要ツールです。

解答力を強められる

過去問の利用で、解答力を強められます。試験本番ではタイムロスを抑えながら、正答を見つけ出さなければなりません。解答力が弱いと、答えの選択に時間がかかります。すべて答えられずにタイムオーバーになるかもしれません。

そこで過去問での解答の練習が重要です。実際の問題構成どおりの進行で、素早く解答を進める方法を見つけられるからです。一定の年度分を何周も解くことで、試験への挑み方がわかります。

以上から本番に強くなるうえで、過去問は欠かせません。

本番に備えられる

過去問の活用は、本番への備えになります。過去の問題や、その文章の構造を知りましょう。試験本番と同じ緊張感で臨めば、問題ごとの適切な対処法がわかります。適切な対処法の理解が、試験合格を助けるのです。

過去問を解くときは、本番と同じ時間設定にしましょう。宅建の試験時間は、2時間が通例です。そこで週末に2時間を取り、1年分の過去問を最後まで解いてみましょう。本番の疑似体験を通し、試験への臨み方がわかります。

過去問を使えば、その時点の実力なら本番でどうなるかを知れます。納得できる出来になるまで、徹底的に使い込んでください。

得意や苦手を知れる

過去問を解けば、得意や苦手がわかるでしょう。得意な部分がわかればモチベーションにつながります。苦手分野の発見は、集中的学習による克服のきっかけを作れるのです。

宅建士試験では、年ごとに違いますが合格基準点があります。苦手科目を放置すると、基準点を満たせないおそれがあります。何度も間違える問題があると、そこは苦手分野でしょう。該当箇所がわかるまで、丁寧に復習を重ねてください。

過去問から得意や苦手かわかれば、重点的な復習ポイントも見つけられます。その時点の実力や問題点がわかれば、今後の学習戦略につながるでしょう。

宅建士試験は過去問だけで合格できるのか?

過去問の重要性から、それだけで宅建士試験に合格できると思う方もいるでしょう。結論から述べると、過去問を勉強するだけでは、合格は難しいといえます。テキストによるインプットも欠かせないからです。ほかにも専門用語の理解という観点からも、過去問だけでは不十分でしょう。過去問だけでは合格しづらい背景を解説します。

過去問だけでの合格は難しい

宅建士試験は、過去問だけでの合格は難しいといえます。こちらに書いてある解答解説だけでは、知識の充足が不十分だからです。過去問にはなかった問われ方や、法改正、見たことのない解き方などに対応できません。

試験本番では、さまざまな形式の問題があります。過去問の内容を覚えただけでは、見たことのない文章に振り回され、知識を活かせないでしょう。あらゆる問題に解けるようになるには、過去問だけでなくテキストなど他資料も欠かせません。

以上から過去問だけでの試験勉強は無謀と考えられます。テキストなどほかの資料と合わせながら、知識を整えてください。

テキストによるインプットが欠かせない

宅建士試験の合格には過去問だけでなく、テキストによるインプットも重要です。過去問を解く前に、基礎知識を整えましょう。基礎知識がわかる状態で過去問に挑む方が、問題を進めやすいといえます。

知識を蓄えるには、基礎の構築が大切です。資格試験ではテキストの読み込みが基礎知識習得につながります。読み込んだ知識を実践するために、過去問や演習を進めるのがセオリーです。

過去問にこだわりすぎず、テキストとともにバランスよく学んでください。

専門用語がわからないと過去問を活用できない

過去問だけで合格できない理由として、専門用語の存在があります。本番では、過去問にない問われ方もあります。そこに含まれた専門用語をうまく理解できず、問題の意図を読めないおそれがあるのです。

このような事態を防ぐには、テキストの読み込みが大切です。そこで専門用語をひととおり理解してから、過去問に取り組みましょう。宅建士の試験だけでなく、業務でもさまざまな専門用語が使われます。用語理解はその道の基本なので、優先的に取り組みましょう。

その意味でも専門用語は、過去問よりテキストの読み込みの方が理解しやすいといえます。

過去問だけでは知識を満たせない

何よりも過去問を読むだけでは、知識充足にはつながりません。知識に穴が空いてしまい、新しいタイプの問題に対応できないからです。過去問で見たことのない題材があれば、その時点でお手上げかもしれません。

資格試験は幅広い出題範囲から、一部をピックアップしているのが特徴です。そのため過去問だけでは、充分に知識をカバーできません。また資格試験の合格には、知識のつながりも大切です。ひとつのテーマに対する論理的な理解や、知識同士の関係性も働かせましょう。

宅建士の知識を本格的に学ぶには、過去問だけでは不十分です。知識の穴を埋めるためにも、テキストの読み込みが欠かせません。

宅建士試験の過去問以外にやるべき内容

宅建士試験では、過去問以外の取り組みも大切です。まずはテキストを入念に読み込んでください。宅建士試験で問われる科目の特徴も、随時確かめておきましょう。充分に学んだと思ったら、模擬試験の受験も考えてください。過去問以外の大切な取り組みを紹介します。

テキストの読み込み

宅建士の試験勉強を始めたら、まずはテキストの読み込みから始めましょう。テキストを読むことで、宅建士試験で問われる題材がわかるからです。試験内容を知るためにも、テキストから出題内容を考えてください。

過去問では、さまざまなキーワードが問われるキーワードがそもそもわからないと、過去問を使っても知識をものにできません。一定の予備知識を備えた方が、過去問でも問題を進めやすいといえます。

基礎知識の充足のため、インプット作業としてテキストを読み込んでください。

4科目の特徴をチェック

宅建士試験に挑むなら、該当の4科目の特徴をつかんでおきましょう。宅建業法、民放(権利関係)、法令上の制限、税・その他です。試験の問題数は全50問ありますが、このうち宅建業法は20問、民放は14問と多くを占めます。全科目バランスよく学ぶためには、宅建業法と民放に多めの勉強時間を割きましょう。

宅建士試験の範囲は広いため、問われるキーワードは絞りにくいといえます。そこで要点中心の学習が大切です。科目ごとの性質を確かめ、頻出要点などを認識しておきましょう。とくに宅建業法と民放は出題数が多いので、そのぶん頻出要点も多数です。充分に時間をかけながら確かめてください。

模擬試験を受験しよう

宅建士試験の勉強期間中は、模擬試験の受験がおすすめです。模試によって実力がわかれば、今後の学習戦略に活かせるからです。

模試では得意な分野と、苦手な分野がわかる可能性があります。得意な部分は忘れないようにケアしていきましょう。苦手分野が見つかった場合は、多めに勉強時間を割いても復習を重ねてください。合格を目指すには、弱点の解決がカギになるからです。

模試では過去問にない問題もあるので、より本番に即した環境で解けます。以上をきっかけに苦手分野の対応力を鍛えれば、合格に近づけるでしょう。

宅建士試験に合格するための過去問の使い方

宅建士試験の合格を目指すなら、過去問の使い方が大切です。年代別なら、模擬試験の感覚で使いましょう。過去問を1冊に絞るなら、体系別がおすすめです。それぞれの詳細を、以下で解説します。

年代別は模試の感覚で使おう

年代別の過去問は模擬試験の感覚で使ってください。本番と同じ問題構成なので、勉強の仕上げとして利用できます。好きな時間に挑めるように、1冊買っておきましょう。

一方で年代別は、問題演習には使いにくいとされます。たとえば宅建士の民放科目には、代理の概念があります。これを学んだあとで、過去問による確認を進めようとしても、その年の該当問題は少ないことがあるのです。年代別の過去問から、目当ての問題を見つけにくい点に注意してください。

以上から年代別は、全科目をひととおり勉強したあとで、実力チェックに使いましょう。基本的な問題演習は参考書か、体系別の過去問がおすすめです。

1冊に絞るなら体系別がおすすめ

過去問を1冊に絞るなら、体系別を使いましょう。同じジャンルの問題を続けて解けば、複数の要点をつかみやすいからです。ひとつのジャンルでたくさんの要点を拾い上げる方が、簡単な情報整理につながります。

たとえば宅建業法を学ぶ場合です。テキストの該当部分において、最初から最後まで読み込みましょう。そのあとで宅建業法関連の部分に限り、過去問演習ができます。演習の進行によって、出題者の狙いに気づきやすいでしょう。

以上から体系別の過去問は、ジャンルごとの頻出要点を効率的な理解できます。

過去問の選び方

過去問の選定にもポイントがあります。まずは詳細データの記載を確かめましょう。続いて学習しやすいデザインも見極めてください。また無料ダウンロードができる過去問にも注目しましょう。そうしたタイプでも、解説が充実しているケースがあります。このような過去問選定の基準を、以下でまとめました。

詳細データの記載が望ましい

過去問を選ぶときは、詳細なデータの有無を見ておきましょう。とくに重要度、難易度、正答率は最低限示してあるべきです。これがないと、どれが大切な要点かがわからなくなるでしょう。

たとえば重要度は頻出要点を見分けるサインです。難易度表示があれば、問題との向き合い方がわかります。正答率は問題集を作る出版社や、資格予備校などによる集計が通例です。あまりに正答率が低い問題は、重要ではない可能性があります。

要点中心の学習によって、得点力を高められます。その意味でも過去問では、重要度や正答率などの基準が大切です。ここから本当の要点を見分けられるでしょう。

学習に活用しやすいデザインをチェック

過去問は学習に活用しやすい状態が大切です。ここでは2つのポイントに注目してください。問題と正解が同じ見開きにない状態と、2色刷り以上です。

問題と正解が同じ見開きに入っていない方が、集中して問題を解けます。同じ見開きに答えがあると、そちらが目に入ってしまい、考える体制を整えづらいでしょう。しっかりと考えて問題を解くことが、知識の定着につながります。以上から問題のある見開きには、答えがない方が望ましいのです。

ページ構成としては、2色刷り以上を選びましょう。たとえばフルカラーテキストなら、ポイントごとの色分けで見やすいといえます。これに図解やイラストなどの情報があれば、なおわかりやすいでしょう。学習に集中しやすいという意味では、問題と答えが別々で、2色刷り以上のプリントが理想です。

充実の解説なら無料でも構わない

過去問はインターネットからの無料ダウンロードも可能です。これに当てはまるタイプでも、充実した解説が見られます。力試しをするぐらいなら、使ってみてもよいでしょう。

ダウンロードコンテンツにおける過去問解説のポイントは、詳細な解説です。条文を並べるだけではなく、解き方や考え方などの指摘があるとよいでしょう。

宅建士関連のダウンロードコンテンツには、1問1答モードも見られます。空き時間に細かく使えば、学力向上につながるでしょう。無料ダウンロードの過去問にも、さまざまなコンテンツがあります。複数をチェックのうえ、良質なものを選びましょう。

過去問は最低3周繰り返そう

過去問は最低3周繰り返しましょう。合格までの目的意識を保ちながら、何周も過去問を解くことが大切です。

1周目はとにかく進めるように意識してください。このとき点数のことは考えすぎてはいけません。問題構成を知りつつ、最後まで通すことで、今後の学習計画につなげられます。

2周目は苦手分野の重点的復習がテーマです。1回目でわからなかった問題が多い分野は、その人にとっての苦手になります。該当分野の学び直しを中心に、知識のブラッシュアップに努めましょう。以上が充分にできたと思ったら、2周目の過去問へのチャレンジです。

3周目は総仕上げです。わからない点を徹底的につぶし、完成度を高めましょう。この時点では2周分の予備知識もあるので、満点に近い点数を目指してください。このように3周分の過去問の繰り返しで、知識定着が可能です。

結果より解く過程を重視

過去問では結果より解く過程を大切にしてください。問題の正解を見つけるだけでなく、選択肢の正誤の見分け方を学ぶためです。

過去問の点数で一喜一憂してはいけません。たまたま正解した問題があると、次に問われたときに間違えている可能性があります。このような問題が多いと、総得点にも影響が及ぶでしょう。

問題だけでなく選択肢ごとに、正解や不正解の理由を見出してください。宅建士試験では、過去問と同じ要点の問題が出るからです。本番での応用力をつけるうえでも、選択肢単位での理解を進めましょう。

宅建士試験の過去問に関するよくある質問

ここでは宅建士試験の過去問について、よくある質問に答えます。過去問を解くべきボリュームや、使い始めるタイミングなどに悩む方もいるようです。こうした疑問に対し、答えとその背景を紹介します。

過去問は何年分解くべきですか?

10年分がベストです。年度別の過去問を買う場合は、10年以上分あることを確かめてください。宅建士試験は、過去問と同じ要点を問うことがあります。10年分あれば、問われやすい問題の傾向がわかるでしょう。

たとえば宅建士試験のなかでは、民放や宅建業法の出題数が多いとされます。このようなジャンルは学習範囲も広く、テキストを読むだけでは頻出要点を見分けづらいでしょう。

10年分の過去問を解いているうちに、問われやすいポイントがわかります。そこを重点的に勉強すればよいのです。以上からはっきりと傾向をつかめるのは、10年分を解いてからでしょう。

過去問はいつから解くべきですか?

体系別の過去問は学習開始から間もないころに使いましょう。テキストの特定ジャンルを読み終わったら、該当部分を解く形です。

たとえば宅建士試験では、抵当権の問題が出ます。その部分を読み終わったら、過去問から抵当権関連の問題を探し、解くとよいでしょう。このように体系別の過去問を使えば、目当ての問題を探しやすいといえます。

体系別の問題演習がひととおり終わったら、年代別の過去問を使ってください。そこで本番と同じ2時間通しで、問題を解き続けましょう。学習開始から間もないころは体系別を使い、学習が一巡すれば年代別の過去問を使ってください。

過去問は何周分解くべきですか?

過去問は、年代別の場合最低3周分は解いてください。1周目はとにかく通すことが目的です。2周目は苦手分野の解決を通し、得点力向上を目指してください。3周目は総仕上げとして、合格ラインの突破を図りましょう。

体系別の場合も、1冊を3周分通すことがおすすめです。目当ての情報について、内容をページととともに覚えられるからです。年代別も体系別も、1冊を3周以上通すことで、知識のマスターが可能です。

このようにどの過去問も、3周以上解けば知識の定着ができます。

過去問ではどのくらいの点数を取れればよいですか?

過去問は、最終的に合格ラインを大幅に上回ることが大切です。ただし1周目から高得点にこだわる必要はありません。

1周目は問題構成を見るために、とにかく通すことが大切です。わからなかった問題を中心に復習を進めてから、2周目にチャレンジしてください。

3周目は苦手克服も含めた総仕上げです。宅建士試験は毎年7割程度の得点率で合格できます。過去問では過去2周の予備知識もあるため、3周目以降で9割は取れるようにしておきましょう。

まとめ

宅建士試験の合格には、過去問の使い方が大切です。最低でも3周は解いて、得点力を伸ばしましょう。過去問を複数回解くことで、知識の定着が可能です。

ただし過去問だけでなく、テキストの読み込みも忘れないでください。テキストで基本的な知識のインプットを済ませるのです。インプットの応用のため、過去問でのアウトプットを実践してください。

問題演習では体系別の過去問を中心としましょう。こちらがひととおり終わったら、年代別の過去問を使い、本番と同じ状況で解いてください。このような取り組みで、宅建士の知識を整えられます。ぜひ実践してみましょう。

この記事の監修者は
窪田義幸(くぼた よしゆき)

″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
フォーサイト公式Youtubeチャンネル「くぼたっけん」
フォーサイト講師ブログ

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