心裡留保とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

心裡留保とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

心裡留保とは
目次

心裡留保とは

心裡留保とは、民法条文に規定された意思表示の中の1つです。 ある人が別の人に嘘をつくことをいいます。 読み方は「しんりりゅうほ」です。

心裡留保とは聞き馴染みのない言葉ですが、宅建の試験においては、意思表示や無効と取消、代理でよく出てきます。

無効と取消

意思表示~心裡留保・錯誤・虚偽表示など~

まず、無効もしくは取り消しうる意思表示はどのようなものかが問題となります。 下記表にてまとめましたので、是非参考にしてください。

具体例 共通点 売主の状況
詐欺 騙されて家を売ること 他人から意思表示を 求められた→取消
(場合によっては契約を望む)
騙されたという落ち度あり
強迫 脅されて家を売ること 落ち度なし
虚偽表示 売主と買主が一緒になって嘘をつくこと
ex.)仮装譲渡
自分自身で意思表示をした →無効
(本当は契約するつもりはない)
嘘をついたという落ち度あり 勘違いはよくあることなので、重過失でなければ落ち度なし
錯誤 勘違いして家を売ること
心裡留保 売主が買主に嘘をつくこと 原則:有効
例外:無効
嘘をついたという落ち度あり

なお、錯誤による無効は、売主の勘違いについて

  1. 重過失(重い不注意)がないこと
  2. 要素(契約の重要な部分)の錯誤である

という2つの条件を満たした時のみ主張できます。

意思表示

心裡留保と善意の第三者との関係

心裡留保した場合、原則はその内容が有効となります。自分が嘘をついているのですから、当然の結果と言えるでしょう。 ただし、相手方が悪意または、過失があった場合は無効となります。

こちらが嘘をついていることを相手方が知っていたり、知らないことについて相手方に責任があったりする場合まで保護しなくても良いという考え方です。 相手方が悪意または、過失があった場合でも善意の第三者には対抗できません。

例)美樹さんはまだ18歳ですが、20歳と偽り、保護者の同意なしで家にあった高価な骨董品を売ってしまいました。

買い取ったお店側は、美樹さんの身分証明書の確認を怠っていました。 この後、骨董品はすぐに売れ、第三者の手に渡りました。 その後美樹さんの家族に、美樹さんが無断で骨董品を売ったことがバレてしまい、美樹さんは親と共に、骨董品を返してもらうようお店へ出向きました。

お店には、身分証の確認ミスという過失がありますので、骨董品の売買を無効にすることができます。 しかし、すでに第三者に渡っていて、その第三者は、美樹さんの事情など知らずに購入していますので、骨董品を第三者から取り戻すことはできません。


心裡留保と善意の第三者との関係

心裡留保に関するよくある質問

意思表示の第三者対抗で善意の第三者に対抗出来ないケース、詐欺、虚偽表示、心裡留保等において、その善意の第三者は登記を備えてなくてもよいと考えてよろしいでしょうか?つまり、善意でありさえすれば登記がまだでも第三者的に対抗出来ると考えてよろしいでしょうか?

意思表示において、第三者との関係では、善意の第三者が勝つ場合は、善意でありさえすればよいとされています。

意思表示が苦手で混乱してしまいます。次の理解であっていますか?
心裡留保の場合、第3者が善意無過失なら対抗不可、第3者が悪意か過失があれば対抗可。心裡留保の場合、基本は有効と考えますが、相手が善意無過失、または悪意ということは抜きにして、相手に対しては有効であるという理解でよいでしょうか?

心裡留保による意思表示が無効になる場合(相手方が悪意または有過失の場合)、表意者は、その無効を善意の第三者に対抗できません。第三者は善意であればよく、無過失である必要はありません。