不動産取得税とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

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目次

不動産取得税とは

不動産を取得した場合に課される税金を言います。

課税団体

課税する団体は、取得した不動産が所在する都道府県です。したがって、海外の不動産の取得に対しては課税されません。

日本地図と船と飛行機と家の絵

不動産取得税の対象となるもの

不動産とは

不動産とは、土地および家屋をいい、償却資産を含みません。

※償却資産とは、土地および家屋以外の事業の用に供することのできる資産です。

例)パソコン、ブルドーザーなど

取得とは

取得とは、有償無償を問いません。

取得の意義

<取得とされるもの>
  1. 通常の売買
  2. 贈与
  3. 交換
  4. 家屋の改築・増築の場合

    改築…価格が増加すれば課税されます
    増築…常に課税されます

<取得とされないもの>
  1. 取得者が国等である場合
  2. 取得が公共性の高い用途に供される場合
  3. 相続(包括遺贈および遺贈を含む)の場合
  4. 法人の合併の場合

取得の時期

原則

登記の有無に関わらず、現実に所有権を取得したと認められるときとなります。

例外

家屋の新築の場合

  1. 最初の使用または譲渡が行われた日を取得の日とみなし、その時の所有者または譲渡人を取得者とみなします。
  2. ただし、宅建業者による建売住宅などは、新築された日から1年(本則は6カ月)を経過しても最初の使用または譲渡が行われないときは、1年を経過した日を取得の日とみなし、その時の所有者を取得者とみなします。
    つまり、売れ残った場合、宅建業者が税金を負担することになります。

納税義務者

不動産を取得した者が税金を納めます。

家をゲットした人

課税標準

原則

固定資産課税台帳に登録されている価格です。

なお、家屋の改築をもって家屋の取得とみなした場合における課税標準は、当該改築により増加した価格とされます。

例外
  1. 宅地に適用
  2. 平成6年度の土地の評価替えにより、台帳登録価格が大幅にアップしたので、固定資産課税台帳に登録されている価格の1/2が課税標準となります。

  3. 住宅のみに適用
  4. 住宅取得促進のため、新築及び中古住宅を取得した場合には、課税標準から一定額が控除されます。試験対策といたしましては、中古住宅についてはほぼ問われませんので、新築住宅の取得の場合を覚えておきましょう。

    下記の要件を満たす新築住宅は、登録価格から1,200万円が控除されます。

    <要件>
    住宅の床面積が50㎡(一戸建て以外の貸家住宅は40㎡)以上240㎡以下であること

    なお、この特例の適用を受けるためには、申告する必要があります。

50㎡以上の家と240㎡以下の家

不動産取得税の税率・税額・納付方法など

税率

原則

4%

特例

土地と住宅は3% (住宅以外の家屋は4%)

納付税額

原則

納付税額=課税標準 × 税率

特例
  1. 上記「課税標準」の例外2.の住宅の敷地を取得する際の税額控除の特例
  2. 子の特例の適用を受けるためには申告をする必要があります。

特例のまとめ

課税標準 税率 税額
住宅 新築1,200万円控除 3% なし
土地 台帳価格の1/2 特例適用住宅の敷地
一定額を納付税額から控除する

納付方法

普通徴収 × 申告納付

※普通徴収…納税通知書を交付することによって地方税を徴収することをいいます。

納付期日

都道府県の条例の定めるところによります。

免税点

一定金額未満のものについては課税しません。

区分 免税点
土地 10万円未満
家屋 新築・増築・改築 23万円未満(1戸)
その他 12万円未満(1戸)

覚え方

不動産取得税に関するよくある質問

不動産取得税の免税点において、家屋のその他12万円未満のその他とは、具体的に何を指すのでしょうか?

その他とは、新築・増築・改築でない場合ですので、中古の売買、贈与、交換が該当します。

新築物件ですが業者の場合は一年売れなかったら業者、その他の場合は6カ月たった時の所有者が不動産取得税を支払うので合ってますか?

ご認識の通り、1年経っても売れなかった場合は業者が、宅建業者による建売でない場合は、所有者が不動産取得税を支払います。

不動産取得税の特例で、住宅以外の土地が3%となっておりますが、基礎講座テキストでは住宅以外は4%となっております。分かりやすい解説をお願い致します。

土地と住宅に用いられる家屋が3%、住宅以外に用いられる家屋が4%となります。したがって、土地はすべて3%です。

この記事の監修者は
窪田義幸(くぼた よしゆき)

″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
フォーサイト公式Youtubeチャンネル「くぼたっけん」
フォーサイト講師ブログ

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