宅建士試験科目の「権利関係」を抑えるべきポイントや勉強方法!|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

宅建士試験科目の「権利関係」を抑えるべきポイントや勉強方法!|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

宅建士試験の試験科目徹底研究①権利関係

宅建士試験に出題される試験科目は、大きく分けると4つに分類できます。

  • 権利関係
  • 宅建業法
  • 法令上の制限
  • 税その他

の4つです。

出題される法律は、
権利関係:民法、借地借家法、不動産登記法、区分所有法など
宅建業法:宅地建物取引業法
法令上の制限:都市計画法、建築基準法、農地法など
税その他:税法、土地建物等、統計問題など
となります。

このうち、権利関係と宅建業法で7割近い出題数を占めるので、この2つを重点的に勉強することが合格のポイントになります。

目次

権利関係のメインは民法

民法は事例をイメージする

権利関係のメインは民法です。
ひとくちに民法と言っても、その範囲は膨大ですが、宅建士試験で出題されるのは、代理、請負、債権・債務、抵当権など、宅建業に必要な知識に関連が強い分野に限られています。

宅建士の民法の特徴は、事例問題が多いことです。
事例問題とは、法律の知識を問題文に提起された内容に当てはめて判断する問題です。
ですから、単に法律を知っているだけ(暗記)では解けません。
また出題においても事例問題は多いので、宅建士試験の民法は難易度が高く、手ごわい科目です。

事例問題で点を取れるようになるには、テキストを読みながら常に「この場合はどうなる?」と、事例を思い浮かべて考えることが大切です。
すぐには成果が現れなくても、コツコツと続けていくことでだんだん点が取れるようになるでしょう。

民法はこう勉強する

問題へのあてはめを訓練する

前述の通り、宅建士の民法は事例問題が多いため、単に条文を暗記しているだけでは太刀打ちできません。
実際に過去問を解きながら、当てはめる力を付けていくことがポイントとなります。
問題文に即して当てはめをし、答えを判断する力を付けることが大事です。

しかし、その前に前提となるのが条文の暗記です。
民法は、いかにも法律の勉強といったものなので、楽しいと感じる方もいると思います。
ですが、実際に問題を解いてみるとあまりにできなくて嫌になってしまう人も多いです。
それは、前提となる暗記ができていないから起こりうる問題です。

「考える問題」と聞くと、暗記は必要ないと思うかもしれませんが、「暗記は出来ていて、さらに考える」問題という意味です。
そう意味で、民法は宅建業法よりも手ごわいといえるかもしれません。
宅建業法は暗記だけで大部分対応可能です。

結論として暗記、問題演習での当てはめを繰り返すことが合格への一番の近道です。

借地借家法とは?

旧法か現行法かが重要

借地借家法には2種類あります。
旧法と借地借家法(現行法)です。
借地借家法は平成4年8月から施行された法律で、それより前に締結された契約は旧法が適用されます。

借地借家法とは、借地権や建物の賃貸借契約やその更新などについての規定を定めた法律です。
旧法は借地人・借家人保護の規定が強く、地主や家主にとって時代にそぐわない不利な規定がありました。
例えば、契約期限が切れていても立ち退いてもらえないなどです。
現行法では、定期借地権、事業用借地権などが設定され、期限が来たら土地を明け渡してもらうことができるようになりました。

どちらの借地借家法が適用されるかは、契約の時期によります。
平成4年7月31日以前の契約であれば、その後平成4年8月1日以降に更新されても、旧法が適用されるのが原則です。
旧法か現行法かで、異なる規定がたくさんあるので、どちらの法律が適用されるのかということがとても大事になります。

借地借家法はこう勉強する

法の趣旨をイメージしつつ数字を覚える

借地借家法は、地主と借地人の権利・義務を定めた法律です。
ですから、実際の契約で使えるよう細かい数字の規定が多く出てきます。
たとえば、更新の期間や催告の期間などです。
それらの数字は、覚えていないと問題を解くことができません。
つまり、この科目でも暗記は避けて通れません。

しかし、単に丸暗記しようと思うと難しい科目ですので、法の趣旨をイメージしながら理解していきましょう。

一般的に、貸す方より借りる方が立場が弱くなります。
地主と借地人の関係も同じです。
よって、借地借家法は借地人保護を強くしています。
そのことをイメージしながらテキストを読み進めていくと、もし分からない問題にあたっても考えることで対処できるようになるでしょう。

不動産登記法、区分所有法とは?

区分所有法は得点源にできる科目

不動産登記法とは、
その名の通り、不動産の登記に関する法律です。
登記とは、不動産や不動産に関する権利を社会に公示するための手続きです。
不動産が登記されると、その所在や権利者、抵当権の有無などを誰でも調べることができるようになります。

区分所有法とは、
マンションなどのそれぞれ独立した各部分で構成される建物の権利関係や管理運営について定めた法律です。
マンションなどの建物を、区分所有建物と言います。

この2つの法律は、例年1題ずつ出題されています。
不動産登記法は難しい問題が多く、点が取りにくい科目です。
一方、区分所有法は易しい問題が多いので、区分所有法で1点取れるように勉強するのが望ましいです。

不動産登記法、区分所有法はこう勉強する

不動産登記法は、例年難しい問題が出題されます。
出題されても1問なので、あまり深入りしないのが正解と言えます。
対策としては、過去問をしっかりやっておけば良いでしょう。
なかでも、過去問の難易度が普通、易しい問題はしっかりマスターすべきですが、難易度が高い問題は捨てても仕方ないと思いましょう。

一方、区分所有法は覚えておけば取れる易しい問題です。
一見細かい規定が多いですが、過去問を繰り返し解いていれば対応可能な問題です。
過去問を一通りやってみて、「この問題は頻出だな」と思ったらそこを重点的に勉強しましょう。

都市計画法、建築基準法とは?

易しい問題が多いので得点源にする

都市計画法とは、
都市の計画的な発展・整備に関する法律です。
例えば、用途地域を定めることで、繁華街と住宅街を分けたりします。
また、一定の規模以上の建築物に対して、建築許可を出したりもします。

建築基準法とは、
建築物の敷地、建築物の構造や用途、設備等について定めた法律です。
私たちに身近なところでは、住宅や店舗等の建物の建ぺい率や容積率を定めて、違法な建物が作られないようにしたりする法律です。

いずれも例年2問ずつ出題されます。

都市計画法、建築基準法はこう勉強する

暗記は多いが、過去問で「出るところだけ」覚える

都市計画法も、建築基準法も、どちらも実際に街や建物を造る場合の法律なので、大変細かな規定が多いです。
まともに勉強しようとすれば、時間がいくらあっても足りません。

しかし、宅建士試験で出る範囲は限られているので、過去問で出題されたのみを押さえておけば、比較的簡単に点を取ることができます。

ポイントは、過去問に出てくる数字をしっかり暗記することです。
覚えてさえいれば解ける問題が多いので、やった人は確実に点に結びつきます。
過去問に出てくるところだけに絞るので、それほど大変ではありません。

聞いたことのない専門用語がたくさん出てきますが、深く理解しようとせずに暗記で対応可能です。
この点が、民法とは大きく異なります。

まとめ

宅建士試験の権利関係は、大半を占める民法と、その他の法律というようにわかれてます。
その他の中では、不動産登記法は難問なので、区分所有法、都市計画法、建築基準法から点を取るようにしましょう。
これ以外の法律からの出題もありますが、1問程度です。

理解して当てはめる勉強と、暗記が肝になる勉強。
交互に行なうことで頭のリフレッシュにもなります。
暗記は、宅建士試験全体についてまわるので、苦手意識を持たずにやっていきましょう。
暗記さえしていれば点が取れる問題を、確実に取れるようになってくると暗記も楽しくなると思います。