印紙税とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

印紙税とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

印紙税とは?
目次

印紙税とは

課税団体

国です。

課税物件(課税文書)

契約書に対して課税されます。

この契約書には、本契約を将来成立させることを約束した予約契約書や、契約の更改または契約内容の変更もしくは補充の事実を証する文書も含まれます。

課税文書の対象は、契約の成立を証明する文書です。

したがって、正本、副本、謄本など、1つの契約書に関し複数の契約書が作成された場合、その全てが課税文書となります。

原則として契約書等は課税文書となりますが、以下の文書は課税されません。

  1. 永小作権・地役権・質権・抵当権の設定または譲渡に関する契約書
  2. 建物の賃貸借に関する契約書
  3. 使用貸借に関する契約書(土地・建物とも)
  4. 委任状または委任に関する契約書(不動産の仲介契約書等)
  5. 営業に関しない金銭等の受取書

納税義務者

納税義務者は、課税文書の作成者です。

1つの文書を共同で作成した場合には、当該2人以上の作成者は連帯して納税の義務を負います。

課税標準

原則として文書に記載された金額が課税標準※1です。

(※1)課税標準……税額を算定するうえで基礎となる課税対象。例えば、消費税の場合は、課税標準である「資産の譲渡、資産の貸付けや役務の提供について受け取る金額」に対して税率10%を掛けて算定される。

契約書に消費税額および地方消費税額が記載されている場合には、その金額は記載金額に含めません。

印紙税の課税標準は、具体的には以下のようになります。


○不動産の譲渡に関する契約書

取引内容 課税標準
売買 売買金額。不動産の売買契約書に2以上の不動産の記載金額がある場合には、これらの金額の合計額を、当該文書の記載金額とします。
交換 交換金額(差があれば、高い方の金額)
贈与 税額200円 ※譲渡の対価となる金額がないので、記載金額のない契約書として扱います。
その他 譲渡の対価たる金額。1つの契約書に不動産の譲渡契約と建物の建築請負契約が併記されている場合には、原則として譲渡契約に係る文書となりますが、契約金額の記載があって、請負代金の方が高いときには、請負契約に係る文書となります。

○土地の賃貸借契約書、地上権の設定・譲渡に関する契約書

権利金額が課税標準です。後日返還されることが予定されている敷金や保証金等や賃料は基準となりません。

○契約金額を変更する契約書

増額:増加額が課税標準となります。

減額:税額200円 ※記載金額はないものとされます。

納付方法

課税文書に印紙を貼って、契約の当事者がこの印紙を印象または署名により消印し納付します。

消印は、その文書に押した印でなくとも構いません。

作成者・代理人・使用人・その他従業者の印章または署名で良いです。

誤って過大に納付した印紙税については、納税所の所轄税務署長の確認を受け、超過額の還付を受けることができます。

印紙の添付の有無については、文書の効力に影響を与えません。

しかし印紙を貼らなかった場合、貼らなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額の過怠税が課されます。

つまり、元々支払うべき印紙税の3倍の金額を納付することになります。

非課税

国や地方公共団体等と私人との間で契約が締結された場合、私人側が保存する契約書は、国等が作成した文書とみなされ、非課税文書となります。

これに対し、国等が保存する文書は、私人が作成した文書とみなされ、課税文書となります。

国や地方公共団体と私人との間で契約が締結された場合の契約書の課税と非課税

間違いやすいポイント

  1. 土地の賃貸借契約書…課税文書
  2. 建物の賃貸借契約書…非課税文書
  3. 営業に関しない場合…非課税文書

    例)個人が自宅を売却して代金を受け取った場合に発行される領収証

  4. 営業に関するものであっても、受領金額が5万円未満の場合…非課税文書

    例)業者が手付金3万円を受領した旨を記載した領収証

間違いやすいポイント

印紙税に関するよくある質問

敷金の領収書には課税されるとありますが、このときの印紙税の課税標準は20万円なのでしょうか?それとも、後日返還されることが予定されている敷金なので、建物の賃貸借契約書であっても、賃料の基準とならず、対価たる金額がないとして、税額200円なのでしょうか?

5万円未満の敷金の領収書の場合は、印紙税は課税されません。敷金の領収書でも、課税されるのは、あくまでも5万円以上となります。

建物賃貸借契約書については課税されず、敷金の領収書には課税されるのですか?

はい、そのとおりです。「敷金などは、契約書に記載されているだけで、領収はしていない(領収書ではない)」となります。

予約契約、契約の更新、契約の変更、補充の事実を証する文書であるときは印紙税が課されるということでしょうか。

予約契約、契約の更新であるときは、印紙税が課税されます。契約の変更、補充の事実を証する文書にしては、元の契約の内容に従い、分類されます。

(予約契約)

本契約を将来成立させることを約する契約となり、課税文書となります。

(契約の更新)

契約によって既存の債務を消滅させて新たな債務を成立させることをいい、当該契約を証するための文書は、新たに成立する債務の内容に従い、課税文書となります。

(契約の変更)

基本的には元の契約が非課税で内容も同一の場合は、非課税になります。元の契約が課税、または内容に課税される事項が加わる場合には、印紙税が課税されます。

(補充の事実を証する文書)

こちらも上記同様に、基本的には元の契約が非課税で内容も同一の場合は、非課税になります。元の契約が課税、または内容に課税される事項が加わる場合には、印紙税が課税されます。