2015年(平成27年)宅建の「過去問」‐第40問(宅建業法)

⼟⽇祝もOK!受講前のお問い合わせはこちら
0120-966-883 (受付時間 11:00〜19:00)
平成27年度 問題一覧へ
平成27年

宅建業法 > 業務に対する規制 > 契約の成立 > 手付の額の制限等

難易度
解答時間
1.5
Q40

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

Aは、Bとの間で建築工事完了後の建物に係る売買契約(代金3,000万円)において、「Aが契約の履行に着手するまでは、Bは、売買代金の1割を支払うことで契約の解除ができる」とする特約を定め、Bから手付金10万円を受領した。この場合、この特約は有効である。
Aは、Bとの間で建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金3,000万円)を締結するに当たり、保険事業者との間において、手付金等について保証保険契約を締結して、手付金300万円を受領し、後日保険証券をBに交付した。
Aは、Bとの間で建築工事完了前のマンションに係る売買契約(代金3,000万円)を締結し、その際に手付金150万円を、建築工事完了後、引渡し及び所有権の登記までの間に、中間金150万円を受領したが、合計額が代金の10分の1以下であるので保全措置を講じなかった。

一つ

二つ

三つ

なし

ヒント

手付金に関する問題です。宅建業法上、手付金として受け取れる金額に関しては制限があります。その制限は、(1)用途の制限、(2)金額の制限の2つに大別できます。特に(1)用途の制限は「解約手付としての性質を有する」という知識は必ず押さえておかなければならないものとなります。また、(2)は物件の金額との関連で定まります。
宅建業者が売主となる売買契約
選択肢 誤り
解説
宅建業者が、自ら売主として宅建業者でない買主との間で売買契約を締結する場合、手付金は解約手付とみなされます。本肢の場合、買主は手付金10万円を放棄すれば契約の解除ができるにもかかわらず、売買代金の1割(300万円)を支払うことで契約の解除をすることができるとする特約は無効です(宅建業法第39条第2項、第3項)。
手付金と手付解除

ワンポイントアドバイス

宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の20%をこえる額の手付を受領することができないとされています。したがって、手付としては本来600万円まで受領することができます。しかしながら、当事者が10万円の手付金のやり取りをしている本問の場合には、その手付の放棄をもって解約することができ、そこには違約金としての性質も含むとされているのです。つまり、新たに300万円の違約金の性質を有する金額を受け取ることは、同様の性質を持っている手付金との間で二重取りとなってしまうのです。この点は混同しないようにしましょう。
関連する条文
(宅建業法第39条第2項、第3項)
第三十九条
2 宅地建物取引業者が、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手附を受領したときは、その手附がいかなる性質のものであつても、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手附を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
3 前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。
選択肢 誤り
解説
手付金等の保全措置が必要な場合、自ら売主の宅建業者が保全措置を講じた後でなければ、手付金等を受領することができません。本肢の手付金300万円は代金の5%を超えますので保全措置が必要になります。具体的には、手付金等について保証保険契約を締結して、保険証券を買主に交付した後でなければ手付金を受領することはできません(同法第41条第1項第2号)。
手付金と保証保険契約

ワンポイントアドバイス

手付金は、宅建業者にとっては即時に手に入る金銭として実務上、利用価値が高いものとなっています。しかしながら、契約の手付の為に支払われるという性質上、宅建業者からの契約の解除もあり得ます。その場合には、民法の原則通り、倍額の償還によることになりますが、その際に受け取っている手付の金銭額によっては支払いが困難になるケースがあります。したがって、代金額の5%を超える手付の場合には、保全措置か銀行との保証契約の締結が必要になります(同条第1項第1号)。
関連する条文
(宅建業法第41条第1項第2号)
第四十一条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等(代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであつて、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいう。以下同じ。)を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の百分の五以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
二 保険事業者(保険業法(平成七年法律第百五号)第三条第一項又は第百八十五条第一項の免許を受けて保険業を行う者をいう。以下この号において同じ。)との間において、宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務の不履行により買主に生じた損害のうち少なくとも当該返還債務の不履行に係る手付金等の額に相当する部分を当該保険事業者がうめることを約する保証保険契約を締結し、かつ、保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付すること。
選択肢 誤り
解説
完成物件か、未完成物件かは売買契約締結時で判断しますので、本肢は未完成物件に関する売買契約となります。そして、保全措置が必要になる手付金等とは、代金に充当され、売買契約締結後から物件の引渡前までに授受される金銭です。本肢の場合、手付金と中間金が該当します。手付金150万円を受領するときには保全措置は不要ですが、中間金150万円を受領するときには代金の5%を超えることとなりますので、手付金と中間金の合計300万円について中間金を受領する前に保全措置を講じなければなりません(同法第41条)。
手付金などが代金の5%を超えるときの保全措置

ワンポイントアドバイス

41条に定める措置をしないときは、宅建業者は手付金の受領が禁じられます。ただし、(1)当該宅地若しくは建物の買主への所有権移転の登記がされたとき、(2)買主が所有権の登記をしたとき、(3)当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の10分の1以下であり、かつ、宅建業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りではありません。
関連する条文
(宅建業法第41条第1項)
第四十一条 宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前において行う当該工事に係る宅地又は建物の売買で自ら売主となるものに関しては、次の各号のいずれかに掲げる措置を講じた後でなければ、買主から手付金等(代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもつて授受される金銭で代金に充当されるものであつて、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるものをいう。以下同じ。)を受領してはならない。ただし、当該宅地若しくは建物について買主への所有権移転の登記がされたとき、買主が所有権の登記をしたとき、又は当該宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額(既に受領した手付金等があるときは、その額を加えた額)が代金の額の百分の五以下であり、かつ、宅地建物取引業者の取引の実情及びその取引の相手方の利益の保護を考慮して政令で定める額以下であるときは、この限りでない。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。

過去問TOPへ戻る