2015年(平成27年)宅建の「過去問」‐第8問(権利関係)

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平成27年

権利関係 > その他の契約 > すべての契約のまとめ

難易度
解答時間
2
Q8

同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。

マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。

一つ

二つ

三つ

なし

ヒント

同時履行の抗弁権は、双務契約の場合に一方が債務を履行しない場合には、他方も履行を拒めるという規定です。双務契約とはお互いに債務を負う契約のことで、例えば売買契約の場合には一方は金銭を支払う義務を負い、もう一方は目的物を引き渡す義務を負います。この場合に、一方が金銭を支払っていないのに目的物のみ引き渡さなければならない義務が生ずることになります。そこで、同時履行の抗弁権を用いると、お金を支払うまでは目的物を引き渡さないという主張が可能になります。
同時履行の抗弁権
選択肢 誤り
解説
敷金は明渡義務を履行するまでの賃貸人の賃借人に対するすべての債権を担保するものです。よって、明渡しが先履行であって、明け渡すまでは敷金の返還請求権は発生しません。以上から、特別の約定がない限り、同時履行の関係に立ちません(最判昭49.9.2)。
賃貸借契約の場合の明渡と敷金返還

ワンポイントアドバイス

敷金返還請求権は、賃貸借契約の終了とともに発生する債権です。賃貸借契約は、目的物の返還をもって終了します。したがって、建物を貸主に引き渡した後に賃借人は敷金の返還請求が可能となります。時系列がずれますので、双務契約とはならず、結論として同時履行の抗弁権の主張も不可能となります。
このように、もともと双務契約であるかどうかを問う問題となっていますので、その点を中心に整理しましょう。
選択肢 誤り
解説
当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負い、双方の返還義務は同時履行の関係にあります(民法第545条第1項、第546条、第533条)。
マンション売買契約の解除の場合の、代金返還と目的物返還

ワンポイントアドバイス

原状回復義務とは、その名の通り「契約前の原状を回復させる義務」です。解除がされると契約は当初から消滅すると解するのが判例・通説の立場ですから、契約はなかったのに解除によって不利益が生ずることが考えられます。したがって、原状回復義務を課すことで、契約当初の状態に戻す義務を生じさせ、契約による不利益を回避することを目的としています。
選択肢 正しい
解説
不動産の売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立ちます(大判大7.8.14)。
不動産売買契約の場合の、代金支払債務と所有権移転登記に協力する債務

ワンポイントアドバイス

不動産の売買の際に、所有権の登記を移転する義務は売買と同時に生じます。学説の多くは「登記を移さない売買契約も有効であるが、売買契約の効果として当然に登記移転請求権も買主に生ずる」と解していますから、この点をとらえて双務契約であるといえます。
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