2016年(平成28年)宅建の「過去問」‐第11問(権利関係)

⼟⽇祝もOK!受講前のお問い合わせはこちら
0120-966-883 (受付時間 11:00〜19:00)
平成28年度 問題一覧へ
平成28年

権利関係 > 賃貸借契約 > 借地借家法 > 借地の場合

難易度
解答時間
2
Q11

Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Aは借地権登記を備えていないものとする。

Aが甲建物を所有していても、建物保存登記をAの子C名義で備えている場合には、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたDに対して、Aは借地権を対抗することができない。
Aが甲建物を所有していても、登記上の建物の所在地番、床面積等が少しでも実際のものと相違している場合には、建物の同一性が否定されるようなものでなくても、Bから乙土地を購入して所有権移転登記を備えたEに対して、Aは借地権を対抗することができない。
AB間の賃貸借契約を公正証書で行えば、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することができる。
Aが地代を支払わなかったことを理由としてBが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときは、Bは甲建物を時価で買い取らなければならない。

ヒント

借地借家法における借地権の存続期間は最短で30年とされています。30年よりも短い年数を定めた場合には、存続期間は30年とされ、30年以上の年数を定めた場合はその定めた年数となります。ただし、借地権には定期借地権というものが存在し、こちらは普通借地権とは存続年数及び契約方法が異なります。
不通借地権と一般定期借地権
選択肢 1 ○ 正しい
解説
借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができます(借地借家法第10条第1項)。そして、その登記は本人名義でされていることが必要で、家族名義でされている場合には、第三者に対抗することができません(最判昭41.4.27)。
土地上に保有する建物の登記名義人による借地権対抗

ワンポイントアドバイス

民法上では、不動産の賃借権を第三者に対抗するためには登記が必要とされています。しかし借地借家法では、借地権の登記がなくても土地上に借地権者の登記がある建物を所有していれば、借地権を第三者に対抗することができるとされています。
関連する条文
(借地借家法第10条)
借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2 前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
3 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条第一項及び第三項の規定は、前二項の規定により第三者に対抗することができる借地権の目的である土地が売買の目的物である場合に準用する。
4 民法第五百三十三条の規定は、前項の場合に準用する。
選択肢 2 × 誤り
解説
建物の登記上の所在地番の表示が、実際のものと多少相違していても、建物の同一性が種類、構造、床面積等によって認識できる程度の軽微な相違であれば、その登記によって、第三者に対抗することができます(最判昭40.3.17)。
登記上の内容が実際のものと多少相違があっても同一性を認められる程度であれば借地権を対抗できる

ワンポイントアドバイス

借地権のある土地上の建物にされた登記が建物所在の地番の表示と多少相違していても、その相違が建物の同一性を否定するものでなければ、第三者への対抗が可能です。こういった相違は錯誤もしくは遺漏などから来たものを含みます。
選択肢 3 × 誤り
解説
存続期間を50 年以上として借地権を設定する場合は、契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時には建物を収去すべき旨を定めることができますが、本問の期間は30年ですので、有効に規定することはできません(同法第22条)。なお、この特約は公正証書等の書面によってする必要があります。
一般定期借地権

ワンポイントアドバイス

定期借地権には一般定期借地権と事業用定期借地権があります。この選択肢にある一般定期借地権の契約方法は、書面によるものとされていますが、必ずしも公正証書を用いなければならないわけではないので注意が必要です。
関連する条文
(借地借家法第22条)
存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、の特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。
選択肢 4 × 誤り
解説
賃借人の債務不履行により賃貸借契約が終了した場合は、建物買取請求権は認められません(同法第13条第1項、最判昭35.2.9)。
債務不履行による契約解除の場合の建物買取請求

ワンポイントアドバイス

建物買取請求権は借地権の存続期間が満了し、借地契約の更新がないときに、借地権者が借地権設定者に対して建物を時価で買い取るように請求する権利です。この権利の主張は借地権の存続期間の満了の場合のみ認められます。
関連する条文
(借地借家法第13条)
借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
2 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
3 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。

過去問TOPへ戻る