2016年(平成28年)宅建の「過去問」‐第4問(権利関係)

⼟⽇祝もOK!受講前のお問い合わせはこちら
0120-966-883 (受付時間 11:00〜19:00)
平成28年度 問題一覧へ
平成28年

権利関係 > 売買契約 > 債権・債務発生段階での学習事項 > 物的担保・人的担保

難易度
解答時間
2
Q4

Aは、A所有の甲土地にBから借り入れた3,000万円の担保として抵当権を設定した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

Aが甲土地に抵当権を設定した当時、甲土地上にA所有の建物があり、当該建物をAがCに売却した後、Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合、DはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできない。
甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが、当該建物に火災保険が付されていた場合、Bは、甲土地の抵当権に基づき、この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。
AがEから500万円を借り入れ、これを担保するために甲土地にEを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定した場合、BとEが抵当権の順位を変更することに合意すれば、Aの同意がなくても、甲土地の抵当権の順位を変更することができる。
Bの抵当権設定後、Aが第三者であるFに甲土地を売却した場合、FはBに対して、民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。

ヒント

抵当権には物上代位性という性質があります。物上代位性とは抵当権を設定した不動産が消失してしまった際に、抵当権者が本来受け取るべき金銭を、その不動産にかけられた保険から得られる保険金などを差し押さえることで、回収することができるというものです。
担保物権の物上代位
選択肢 1 × 正しい
解説
抵当権設定当時に土地と建物の所有者が同一であれば、その後に、建物の所有者が変わっても(AからC)、法定地上権は成立します。よって、Cには法定地上権が成立することになりDはCに対して、甲土地の明渡しを求めることはできません(民法第388条、大判大12.12.14)。
法定地上権の成立条件

ワンポイントアドバイス

法定地上権は4つの成立条件があり、これらすべてを満たしたときに成立します。抵当権の中の法定地上権について問う問題では、選択肢の文章の中でいつ所有者が変わったのかに注意して問題を解いていきます。
関連する条文
(民法第388条)
抵当不動産の第三取得者(F)は、民法第383条所定の書面を、送付して抵当権消滅請求をすることができます(同法第379条)。
選択肢 2 ○ 誤り
解説
Bの抵当権は甲土地に設定されていますが、甲土地上の建物には何の設定もされていません。よって、甲土地上の建物が火災によって焼失して火災保険に基づく損害保険金が発生しても、Bは損害保険金の請求をすることはできません(同法第372条、第304条第1項)。
抵当権が設定された甲土地と、その土地に建てられた抵当権が設定されていない建物

ワンポイントアドバイス

抵当権は土地・建物どちらにも設定することが可能です。しかし建物が立っている土地に抵当権を設定しているとしても、建物に付いている保険への物上代位はできません。このような問題では抵当権がどの不動産に設定されているかを考えます。
関連する条文
(民法第372条)
第二百九十六条、第三百四条及び第三百五十一条の規定は、抵当権について準用する。
(民法第304条)
先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。

2 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。
選択肢 3 × 正しい
解説
抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができます(同法第374条第1項)。但し、利害関係者がいるときは、その承諾を得なければなりません(同項ただし書き)。この利害関係者に債務者(A)は含まれませんので、Aの同意がなくても、抵当権の順位を変更することができます。
抵当権の順位譲渡には債務者(A)の承諾は不要

ワンポイントアドバイス

抵当権は他の権利同様に譲渡が可能です。その譲渡には上記のように順位譲渡も含まれており、順位を譲渡する際には抵当権設定者の承諾は不要になります。ただし、利害関係者がほかにもいる場合には、その利害関係者から合意を得なくてはなりません。
関連する条文
(民法第374条)
抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。

2 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。(抵当権の被担保債権の範囲)
選択肢 4 × 正しい
解説
抵当不動産の第三取得者(F)は、民法第383条所定の書面を、送付して抵当権消滅請求をすることができます(同法第379条)。
抵当権の設定された不動産と第三取得者による抵当権消滅請求

ワンポイントアドバイス

抵当権の設定された不動産を取得した第三取得者は、その不動産に付いた抵当権の消滅請求をすることができます。抵当権の消滅請求は、抵当権が実行され、競売による差し押さえの効力が発生する前にしなければなりません。また、債務者や保証人は抵当権消滅請求を行うことができません。
関連する条文
(民法第379条)
抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
(民法第383条)
抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。
一 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面
二 抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記事項のすべてを証明したものに限る。)
三 債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。

過去問TOPへ戻る