2017年(平成29年)宅建の「過去問」‐第5問(権利関係)

⼟⽇祝もOK!受講前のお問い合わせはこちら
0120-966-883 (受付時間 11:00〜19:00)
平成29年度 問題一覧へ
平成29年

権利関係 > 売買契約 > 債務の履行段階での学習事項 > 売主の担保責任

難易度
解答時間
2
Q5

Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに100万円で売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自動車の引渡しを受ける前に、100万円をAに支払わなければならない。
当該自動車に隠れた瑕疵かしがあった場合には、CはAに対しても、Bに対しても、瑕疵かし担保責任を追及することができる。
売買契約が締結された際に、Cが解約手付として手付金10万円をAに支払っている場合には、Aはいつでも20 万円を償還して売買契約を解除することができる。
売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。

ヒント

売買契約と聞くと難しく感じますが、日常生活で行っている買い物をイメージするとわかりやすくなります。
登場人物が複数出てくる場合は、その人間関係をきちんと整理するのがポイントです。
また、問題文に「いつでも」とあるときは本当にいつでも行えることなのか、それ以外がないのかに注意してください。
売買契約の関係図
選択肢 1 × 誤り
解説
売買契約は双務契約であって、特約がない限り、当事者双方の義務は、同時履行の関係にあります(民法第533条)。よって、CはAから当該自動車の引渡を受ける前に、100万円をAに支払う必要はありません。なお、Bが報酬を得て売買の媒介を行っていることは無関係です。
売買契約の当事者双方の義務の同時履行

ワンポイントアドバイス

売買を行う場合、お金の支払いは物の引渡を受けるときとなります。
これは媒介による売買行為かどうかは関係ありません。
関連する条文
(民法第533条)
第五百三十三条
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
選択肢 2 × 誤り
解説
売買の目的物に瑕疵があった場合には、買主は売主に対して責任を追及することができます(同法第570条)。よって、CはAに対しては瑕疵担保責任を追及することができますが、媒介を行っているBに対しては瑕疵担保責任を追及することはできません。
売買の目的物に瑕疵があった場合の売主と媒介者の責任

ワンポイントアドバイス

せっかく車を買っても、重大な欠陥があって使えなければ買った意味がありません。
そんなとき、買主は売主(A)に責任を追及することができますが、間に入って媒介しただけのBに追及することはできません。
関連する条文
(民法第570条)
第五百七十条
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
選択肢 3 × 誤り
解説
解約手付が交付されている場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約を解除することができます(同法第557条第1項、最判昭40.11.24)。よって、Aはいつでも売買契約を解除することができるわけではありません。
契約を解除できる期間

ワンポイントアドバイス

売買契約で解約手付金の支払いがあった場合、相手が契約の履行に着手するまでは契約の解除をすることはできます。
そのため、選択肢にある「いつでも」が間違いとなります。
また、解除するには以下の条件があります。
 売主 手付金を放棄
 買主 手付金の倍額を償還

そのため、Cが解約手付として手付金10万円をAに支払っている場合、
相手がまだ契約の履行に着手していなければAが20万円を償還、
またはCが手付金10万円あきらめれば売買契約を解除することができます。
関連する条文
(民法第557条)
第五百五十七条
1 買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
選択肢 4 ○ 正しい
解説
いわゆる他人物売買も民法では有効としています(同法第560条)。
他人物売買

ワンポイントアドバイス

他人の物でも売買することができます。
ただしその場合、売主(A)は、車を父親から取得して買主に引き渡す義務があります。
そしてこの義務が果たせない場合、売主は契約解除や損害賠償請求などによって責任を負うこととなります。
このため、他人の物でも売買契約が結べるからと言っても他人の物を自由に売れることにはなりません。
関連する条文
(民法第560条)
第五百六十条
他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。

過去問TOPへ戻る