2016年10月2日(日)実施 通関士試験内容の講師解説

試験講評

第50回(平成28年度)通関士試験内容の講評

2016/10/05

10月2日に、平成28年度通関士試験が実施されました。

受験された方、お疲れ様でした。
今年度の試験については、トータルとして見ると、「通関業法」および「関税法等」は、過去問をマスターできていれば、合格基準を超える得点が取得できたものの、一方で「通関実務」は例年どおり難易度が高かったという内容でした。

また、「合格基準」については、難問も出題されましたが、例年どおりの難問率と捉えると、今年度の合格基準は、標準的な基準である「(各科目)満点の60%以上」と予想されます。なお、科目別に合格基準を設定できることを考慮すると、「通関実務」のみ「満点の55%以上」とされる可能性もあります。

「通関業法」について

まず、【(語句)選択式】については、法改正内容(通関業の許可の承継(通関業法11条の2))が出題されたものの、全体的に易しいものでした。各問4点、5点が安定して取れる内容でした。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、各肢とも過去問をマスターできていれば、多少迷う問題はあったとしても、正解にはたどり着ける内容でした。正解することが難しかった問題としては、「第6問(通関業務および関連業務)」「第11問(通関業務および関連業務)」「第18問(通関業者の記帳、届出、報告等)」「第20問(公告事項)」がありました。

「関税法等」について

まず、【(語句)選択式】については、過去問ベースの出題ではあったものの、出題の切り口が新規なものが数問ありました。知識はあるものの、語群を見て混乱し不正解となった受験者も多かったものと思われます。

【(多肢)選択式】及び【択一式】については、過去問ベースの肢と直近では出題されていなかった規定に基づく肢が混在する問題構成でした。過去問演習ではインプットできなかった知識であっても、制度内容から推測して正解できる肢もありましたので、「現場思考」で正解できたものもあったと推測します。

正解することが難しかった問題としては、「第9問(貨物の収容)」「第10問(関税の軽減又は免除)」「第11問(課税価格の計算)」「第19問(関税の納付及び徴収)」「第22問(経済連携協定おける手続)」「第27問(課税価格の決定)」がありました。

「通関実務」について

まず、【輸出申告の作成】については、「部注及び号注」の内容をあてはめて、適切な貨物の分類をするという、「規定の読解力」が問われました。「思い込み」や「主観」などで規定を「誤読」し、当該誤読を基にあてはめてしまい、不適切な分類をしてしまった受験者が多かったと思われます。

一方、【輸入申告の作成】については、問題文に示された「歩留まり率と輸入割当品目の該非」一覧表を「読解」し、各貨物の原材料の重量を「歩留まり率」用いての算出、および輸入割当品目の該非について判断することがポイントとなりました。過去問では登場していない切り口であるがゆえに、浮足立ち、正解を導き出せなかった受験者が目立ったと推測します。

以上から、【輸出申告の作成】及び【輸入申告の作成】のいずれも「(規定や表の)読解力」と「現場思考力」が試された問題と言えます。

次に、【(多肢)選択式】及び【択一式】については、過去問ベースの肢と直近では出題されていなかった規定に基づく肢が混在する問題構成でした。過去問演習ではインプットされていなかった知識であっても、制度内容から推測して正解できる肢もありましたので、現場思考で正解できたものもあったと推測します。正解することが難しかった問題としては、「第4問(スイートコーンの分類)」「第15問(物品の品目分類)」「第17問(モンゴル協定)」がありました。特に第4問と第15問は、ここでも「規定の読解力」と「現場思考力」が試されました。

最後に、【計算式】については、「第11問」は難易度が高かったものの、全体的には過去問をマスターできていれば正解できるレベルのものでした。この観点から、【計算式】の問題で得点を稼ぐべきだったと言えます。